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マリリン・モンローのニコンF

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2018年2月21日(水)

楽天地シネマズ錦糸町で「バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版」を観る。<午前十時の映画祭8>
この映画を観るのは2回目だ。4年前に観た感想をここに書いているが、ブレンダの怒りや警官の知性など、笑ってしまうくらい今回観た感想も同じだった。付け加えるとすればジャスミンもブレンダも亭主がいいかげんなこと。特にブレンダの亭主サルは尻にひかれてかわいそうなくらいで、追い出されても遠くからブレンダを見ているのはイジラシイ。コーヒーに関してはアメリカン、つまり薄いコーヒーを揶揄しているようで面白い(この映画は西ドイツの制作)。映画としてはブレンダが怒りまくっている前半がいい。後半になるとちょっとハッピーエンド過ぎるなあ。サルもマジック・ショウの場の隅にいるのだが、まだ不安な表情をしていて笑える。


◆monochrome XVI 展「Landscape」、gallery E・M 西麻布
恒例のグループ展。46名もの大人数だがその中では織作峰子さんの作品が目に留まった。豪雪地帯の雪の降る日を撮影したもので、雪という天候の重苦しさを強く感じた。そんなことをギャラリーの竹内さんと話していたら、この写真展のディレクターの永嶋さんがこの作品の凄さを詳しく解説してくれた。雪の日の露出は難しい。それにこの作品のトーンはプリントも難しいとのことだった。原直久さんの8×10からの大伸ばしの作品はいつも見入ってしまう。


◆森山大道写真展「記録35+36号」、AKIO NAGASAWA Gallery Aoyama
銀座についで青山にもAKIO NAGASAWA Galleryができた。骨董通りから少し入ったビルの2F。今回の森山大道展がオープニングのようだ。森山さんが刊行を続けている「記録」からの展示。大伸ばしの作品と、16×20のフレームに入れ固めて展示の二種類。その固まりも横位置、縦位置それぞれがまとめられていて、ある意味機械的なものだった。今回はその固まりがなぜか気になって何度も見直していた。


上記の写真はニコン100周年記念の地下鉄の中吊り広告だ。この写真をSNSにアップしたら写真仲間から巻き戻しクランクが立ってるけどなぜ?と連絡があった。最初は広告の折り目の反射かと思ったのだが、ニコンのサイトを見てなるほどと思った。そこにはこう書かれている。
「マリリン・モンロー/最後のポーズ」として知られることとなったそのセッションの中で、
マリリン・モンローはバートの愛機であるニコンのカメラを横取りし、
無邪気で愛嬌たっぷりの姿も見せている。
カメラマンはバート・スターン。この一文から撮影が終わりフィルムを取り出されたカメラをモンローが持っている、と想像できる。同じようにクランクの立ったニコンFを持った別ポーズの写真が検索で見つかるので、そのまま別のカメラで撮影したようだ。

追記:別のカメラはハッセルブラッドだった。








  




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by pprivateeye | 2018-02-26 02:37 | 映画 | Comments(0)

写真は固まりで見ると楽しさが膨らむ。

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2018年2月14日(水)

◆萩原義弘写真展「窓」、Gallery Nayuta
雪の「SNOWY」と炭鉱の「巨幹残栄」の2つのシリーズから窓をモチーフした作品。炭鉱のシリーズからは20年以上経って初めて焼いたものとのこと。小さなギャラリーだが、六つ切りの印画紙にプリントされたスクエアのイメージは落ち着いた印象でいい。これまでSNOWYシリーズは大きなプリントだけだったが、雪の柔らかい感じが小さなプリントにも合っているので、これからも焼いていきたいとのことだった。実際の暗室作業のことも尋ねたが、特別なことをやっているわけではなく、基本に忠実に丁寧にやることが大事のようだ。フィルターも2号程度とのことで、中庸ということも重要かもしれない。


◆野村佐紀子、十代目松本幸四郎襲名披露記念写真展「残夢」、AKIO NAGASAWA Gallery
七代目市川染五郎が今年1月に十代目松本幸四郎を襲名し、それを記念に市川染五郎の舞台や舞台裏を17年間にわたって撮影して写真がまとめられて写真集となった。ギャラリーでの写真の展示は6点ほどで、メインは絹の黒地に金、銀で表現された押隈だ。押隈(おしくま)とは歌舞伎の化粧を直接布や紙などに写し取ったもののことで、演技を終えてからの化粧落としの余禄といえる。ただしこの展示では「こんな隈取りをしてみたい」との松本幸四郎氏の想いが込められた創作押隈となる。


◆渡邊耕一 展「Moving Plants」、SHISEIDO GALLERY
イタドリという植物は東アジア原産で、200年前シーボルトによって園芸用として持ち出されたものが繁殖力の強さから世界各地に広まっている。その土地の生態系を変えてしまうほどで、ウィキペディアによれば「世界の侵略的外来種ワースト100」選定種となっている。これを読んで笑いそうになったのだが、イタドリは子供の頃、川原などで遊んでいるときに折って食べたりしたことがあるからだ。味噌汁の具にもなっていた。そんな草が写真で見ると非常に大きくなり、また世界各地に繁殖しているということに驚く。で、面白いのはこの写真は植物学者のものではなく、写真作家によるものということ。作者は植物もテーマにその裏にある歴史を作品にしているようだ。


◆鈴木美保写真展「夢見草」、蒼穹舎
作者の実家のある喜多方地方をカラーで撮影。芳名帳のあるところから時計回りに見て行ったのだが、最初ちょっとコントラストが強いなあと思いながら見ていた。入口左の壁のにある黄葉の写真から隣の壁の雪の写真に移ったときにはちょっとした驚きがあった。壁が変わるとともに場面も大きく変わっていた。それは気持ちのいいものだった。たぶん同じ平面にこの二つの作品を並べてたら無理があったかもしれない。しかしここでは壁が変わることでアクセントが生じて驚きが季節の流れとつながったといえそうだ。水田に続いて男性が踏切に立っているところの流れもよかった。全体では雪の写真が二ヵ所にあり、2年の季節の移ろいを感じさせてくれる(この2年、複数年というのは並びに重要な気がする)。写真は田舎の風景であり特別なものが写っているわけではないのだが、写真の並びが季節の変化に沿っているので自然と何度も見てしまう。あ、ちょっと桜の写真が多いような気がしたw







  



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by pprivateeye | 2018-02-15 17:23 | Comments(0)

山田風太郎の明治の人物

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2018年2月9日(金)

◆明治150年記念「幕末・明治の古写真 明治を築いた人々」、JCIIフォトサロン
この写真展に興味を持ったのは現在読んでいる山田風太郎明治小説全集(ちくま文庫)のためだ。小説のための副教材と言っていいかもしれない。山田風太郎の小説は、事実はそのままにして隙間を埋める作者の想像がとんでもない世界を創っている。そうであったかもしれない、そうであったらこんなに面白い小説になる、という虚構の最たるものだ。
全14巻の中で(まだ全部を読み終えていないが)印象が強いのが川路利良だ。警視庁の初代大警視だ。いくつかの小説に出てきて鋭利な人物という印象だが、この展示での写真を見ると意外に人なつっこい顔をしている。またその写真自体も全体のなかでもいい写真だ。他の人物写真が無表情でつくったような写真だが、川路の写真を表情があり生きているという感じがする。この他では陸奥宗光が興味深かった。小説では浮沈の激しい経歴でシャープな人物として描かれている。写真ではそのシャープな面に老獪さが加わったように思えた。
上記の写真はサンフランシスコでの岩倉使節団。写真左から木戸孝允、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通。岩倉使節団は当時の政府首脳たちを中心に、使節46名、随員18名、留学生43名という大人数で米国や欧州を1年9ヵ月もかけて視察したもの。その模様は岩波文庫の『米欧回覧実記』で読むことができる。







  




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by pprivateeye | 2018-02-14 23:37 | Comments(0)

渋谷~中目黒

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2018年1月26日(金)

◆戸田真琴×福島裕二写真展、ルデコ 4,5F
700枚にもおよぶ展示は圧巻だが、レタッチなしとなればカメラマンの技術が伺えてしまわないかと思う。大伸ばし、A4サイズ、ポラロイドと見比べると、ポラロイドの一回限りの写真に興味がいく。これだけの数の展示でもポートレートと割り切って見ると、1枚だけという思いを強くした。同じモデルで違うポートレートというのは年という時間をかけて出来上がるものではないかな。

◆Exhibition「Baum! vol.0 記憶の輪郭」、ルデコ 3F
山市直佑、小須田翔、神田開主、斎藤小弥太、奥初起
新しく「Baum!」という写真グループを結成してそのお披露目の展示。写真グループが実際の作品制作に対してどんな意味を持ってくるのかよくわからないが、若い写真家が作品発表を行っていくという意欲に期待したい。この五人の中で名前を知っているのは神田さんと斎藤さんの二人だけで、作品をじっくりと見たのは神田さんだけだ。そのせいというわけでもないが神田さんの35mmでの作品がよかった。特にDMにも使われている朽ちたバスの写真はここへ撮りに行きたいと思った。

◆尾仲浩二写真展「Slow Boat」、POETIC SCAPE
昨年12月から始まった展示の後半。作品は今回の写真展のために新たにプリントされたものとのことだが、写真集の印象からするとコントラストは高めのように思えた。







  




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by pprivateeye | 2018-02-14 23:35 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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