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ギャラリー冬青

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2021年1月8日(金)

◆渡部さとる写真展「銀の粒」、ギャラリー冬青

WS2Bを主宰していた渡部さんのギャラリー冬青での最後の展示となる。最後になるのは冬青社の高橋社長が今年で引退するからだ。自分たちのWSでの講義が終了してからも2Bという場所には自由に出入りすることができた。隣の部屋の暗室を借りることができ、そこでプリントしたものをすぐに師匠(WSの初めの頃のメンバーは敬愛の気持ちを込めてこう呼んでいた。先生だと堅いからね)に見てもらうことができた。ここをこうしたらいいとアドバイスをもらったり、あるいは何点かまとめて見せて〝ザザッー”となった人も多い。そんな中、ある写真パーティで高橋という人から声を掛けられたんだけどちょっと怪しいんだよね、といったことを師匠が話した。その後しばらくして展示をすることになった。それが2006年のギャラリー冬青での「da.gasita -43年目の米沢」だった。今回が12回目となる。同時に写真集も4冊生まれている。
今回の展示はそれらの中からのものだ。写真といえばデジタルが大半を占める時代になってしまい、その反対側の銀塩写真で最後の展示というわけだ。高性能のデジタルカメラで撮影された反対側の写真という意味で見ていったら、最初の壁の最後、ステンドグラスを撮ったものこそそれだと思った。暗いところで手ブレしている。コントラストは極端だ。でも作品として惹きつけるものだある。
もうひとつ展示には秘密がある。ヒントが作品のなかにあり、以下はネタバレ的なことだけど書いちゃう。展示のフォーマットは16×20のフレーム縦使いで、4:3の縦長にマットが切られている。しかしプリントは6×6のスクエアだ。つまりマットの窓でトリミングしているだけで、プリントでは行っていない。これで写真の見え方がずいぶん異なってくる。展示作品は写真集にあるのものなので見比べることもできる。なるほどここを隠してこれを見せているのかとか、自分はトリミングしないほうが開放感があって好きだなとか、いろいろな見方ができる。また、印画紙や現像液も種類を変えているのでプリントの色味も大幅に違っていて、それを特にまとめるということもしていない。バラバラといってしまえばそれまでだけど、写真の楽しみ方は自由なんだよと言っているようで楽しい時間だった。



訂正(1/15):写真パーティで高橋社長に声を掛けられたというのは誤りでした。下に引用したYouTubeで渡部さんが述べているように、コニミノに落選した作品を見せたのがきっかけでした。でも、ちょっと怪しいと言っていたのは確かです。











  



by pprivateeye | 2021-01-09 22:39

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye