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NYCはいいなあ。

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2020年1月29日(水)


昨年購入したパイロット万年筆カスタム743が文字を書くとき引っかかったり、かすれたりするのでパイロットの本社へ調整に持って行く。ペン先はスタブという、横線は細く縦線は太くなる、ちょっと特殊なもの。点検してもらい、不具合なところはなかった。そのとき説明を受けたのは、スタブというペン先の形は横長の長方形をしているので万年筆を斜めに使うと角の部分が引っかかったり、スリットのところからインクが流れずにかすれてしまうことがある、ということだった。まさに自分の持ち方がそうだった。文字を書くとき大抵ペンが真正面に見えている。これだと右利きなので万年筆は左側に傾いていることになる。要は自分の使い方、書き方がまずかったということわけだ。担当の方はその辺りを丁寧に詳しく、そして熱く語ってくれて、今回も気持ちのいい対応だった。


◆小瀧達郎 写真展「LABYRINTH 水の迷宮 ヴェネツィア」、gallery bauhaus

モノクロの美しいプリント。印画紙はフォマ。作者は迷宮という言葉を使っているが、写真自体もそうだった。普通の都市のように大通りや真っ直ぐな道路がなく、かといって路地というわけでもない。しかも祭りがあったのか仮面舞踏会のような変装をした人が街中にいる。建物の作りは近世のものを残しているので余計に不思議な感覚にとらわれる。


◆藤原敦 写真展「2200Miles」、Books and Modern

イギリスを北上した、モノクロのスナップ。DMのテキストにやや勘違いをしてしまった。
作者は以前にイギリスで暮らしていたことがあり、それは日本のバブル経済が息苦しかったせいかもしれない、と書いている。今回も時代の変わり目にイギリスを北の果てまで旅をすることにしたとあるので、傷心とまでは言わないにしてもどこかハッピーになれない自分がいる、というふうに思ってしまった。しかし、奥さんといっしょだと写真集に書かれているのを見て、ちょっと肩すかしを食らったような感じになった。写真はコントラストが高めで好みのものだ。特に車の中から撮られたものはロードムービーを思わせていい。


◆渡部さとる 写真展「紐育 2001年7月」、ギャラリー冬青

水曜日はギャラリー冬青は午後9時まで開いており、展示中の渡部さんが所有しているウイリアム・クライン、森山大道、田中長徳のニューヨークを撮った作品を見せてもらえるというので、再度伺った。クラインの作品はエディションが80もあり、プリントの裏側には長文の写真と関係のないテキストがあり、印刷とプリントの中間のような存在だった。そこで重要になってくるのはクラインのサインということになる。森山さんのNYは印画紙がRCだった。裏面には楷書でサイン。この二人は35mmフィルムだが、長徳さんは8×10のベタ焼き。床に置かれた作品を膝を付いて拝むようにして間近でじっくりと見ると、驚くほど細かなところまで見える。それなのにデジタルのような硬い印象はない。上に展示されている渡部さんのSWCでの写真が物足りなく思えるほどだ。それにレンズを思い切りライズさせてできた半円のケラレがカッコいい。










by pprivateeye | 2020-02-03 03:29

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye