2019年1月25日(金)
◆千代田路子写真展「幾へにも ―ふたつの旅ひとつの物語」、ルーニイ247 finearts
デジタルのモノクロ作品。ふたつの旅とは八百屋お七の物語から残された恋人が僧となり巡礼したことと、作者の母が闘病生活の末に亡くなった後に恐山を訪ねたこと。結局それは自身のなかで繋がったものだった。良い写真展だと思ったし、良い評価を目にしたが、テキストを外したときに写真がどう見えるか。文脈とは関係のないところではどうなのか、考えてしまった。
◆北井一夫写真展「シカゴループ」、ビリケンギャラリー
デジタルでの初の展示。シカゴの高架鉄道を撮影したカラー作品。これまでフィルムでモノクロ作品を数多く作ってきた北井さんがデジタルに移行してどんな写真を撮るのか関心を持った人は多いと思う。今回の作品はソニーα7にたぶんエルマリートの組み合わせだと思う。柔らかいホンノリとした印象で、デジタルのパキッとしたところは見られなかった。他に、60年代に学生運動を撮っていたころのコンタクトプリントもいくつか展示されていた。これには、当時北井さんが逮捕されてその写真から学生の身元が分かることのないように半年毎に隠す場所を移動させていた、という背景がある。