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落日は速い。

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2018年9月16日(日)

◆藤間謙二作品展「n-314 / LITH PRINT」、Monochrome Gallery RAIN
ギャラリーは池尻大橋駅にある。たぶん初めての街。ギャラリーの方の話ではモノクロの作品、それも古典技法のものだけに限るとのこと。開廊も土日の午後だけ、というかなり特化してしている。今回の展示はDMで知ったのだが、リスプリント(Lith Print)という技法は初めて耳にした。コピーのようにコントラストの強いリス現像液を使う。現像時間の長短でプリントの濃さがかなり異なってくるようで、しかも現像液を大幅に希釈して使用するため3~4枚程度の現像でその能力がなくなるらしい。プリントは調色したような、プラチナプリントのような、やや茶色感じになる。展示されていた作品は球体をクローズアップして撮影されたもので、複数個の球体が寄り合ってものは女性の裸体を思わせエロティックな雰囲気が感じられた。ただ、作品を見て説明を聞いても、自分が惹かれているのは写っているものの形であって、技法にはあまり関心がないのだなと改めて自覚した次第だ。


夕方、高田馬場駅を降りて新目白通りを歩いていたら、真っ赤で丸い太陽が目に入った。気付いてから写真を撮ろうとiPhoneを取り出したときには上の写真のところまで沈んでしまっていた。できれば写真に写っている歩道橋の上から撮りたかったのだが。夕陽が沈むスピードは速い。


◆古野達也写真展「実在/Being」、Alt_Medium
で、その歩道橋のすぐそばにあるのがこのギャラリー。まだ新しくて初めてその名前を聞いた。今回は写真仲間の展示。前々からその作品は何度も見せてもらっており、今回の展示前にはシミュレーションと称してギャラリーの模型まで作って見せてくれた。その出来栄えもよかったのだが、作品の並び順について窓側に近い展示はもっとイメージの強いものがいいのではと意見を言っていた。実際に展示を見てみると、その弱いと思っていたものが窓の外、歩道橋や道路とつながっているような印象でいいなと思ってしまった。全体的には抽象度が高く感じられるが、じっくりと見ていると慎重にピントが合わせられ作者の見ている場所、モノが浮かんでくる。「ある」ということ自体を言葉で説明するのは難しい。それを感覚が優先する写真で行うのはもっと難しいと思うのだが、作者にとってはファインダーを通してモノを見るということがその「ある」ことを確認する方法の一つとなっているのかもしれない。













   





by pprivateeye | 2018-09-16 23:23

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye