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写真は固まりで見ると楽しさが膨らむ。

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2018年2月14日(水)

◆萩原義弘写真展「窓」、Gallery Nayuta
雪の「SNOWY」と炭鉱の「巨幹残栄」の2つのシリーズから窓をモチーフした作品。炭鉱のシリーズからは20年以上経って初めて焼いたものとのこと。小さなギャラリーだが、六つ切りの印画紙にプリントされたスクエアのイメージは落ち着いた印象でいい。これまでSNOWYシリーズは大きなプリントだけだったが、雪の柔らかい感じが小さなプリントにも合っているので、これからも焼いていきたいとのことだった。実際の暗室作業のことも尋ねたが、特別なことをやっているわけではなく、基本に忠実に丁寧にやることが大事のようだ。フィルターも2号程度とのことで、中庸ということも重要かもしれない。


◆野村佐紀子、十代目松本幸四郎襲名披露記念写真展「残夢」、AKIO NAGASAWA Gallery
七代目市川染五郎が今年1月に十代目松本幸四郎を襲名し、それを記念に市川染五郎の舞台や舞台裏を17年間にわたって撮影して写真がまとめられて写真集となった。ギャラリーでの写真の展示は6点ほどで、メインは絹の黒地に金、銀で表現された押隈だ。押隈(おしくま)とは歌舞伎の化粧を直接布や紙などに写し取ったもののことで、演技を終えてからの化粧落としの余禄といえる。ただしこの展示では「こんな隈取りをしてみたい」との松本幸四郎氏の想いが込められた創作押隈となる。


◆渡邊耕一 展「Moving Plants」、SHISEIDO GALLERY
イタドリという植物は東アジア原産で、200年前シーボルトによって園芸用として持ち出されたものが繁殖力の強さから世界各地に広まっている。その土地の生態系を変えてしまうほどで、ウィキペディアによれば「世界の侵略的外来種ワースト100」選定種となっている。これを読んで笑いそうになったのだが、イタドリは子供の頃、川原などで遊んでいるときに折って食べたりしたことがあるからだ。味噌汁の具にもなっていた。そんな草が写真で見ると非常に大きくなり、また世界各地に繁殖しているということに驚く。で、面白いのはこの写真は植物学者のものではなく、写真作家によるものということ。作者は植物もテーマにその裏にある歴史を作品にしているようだ。


◆鈴木美保写真展「夢見草」、蒼穹舎
作者の実家のある喜多方地方をカラーで撮影。芳名帳のあるところから時計回りに見て行ったのだが、最初ちょっとコントラストが強いなあと思いながら見ていた。入口左の壁のにある黄葉の写真から隣の壁の雪の写真に移ったときにはちょっとした驚きがあった。壁が変わるとともに場面も大きく変わっていた。それは気持ちのいいものだった。たぶん同じ平面にこの二つの作品を並べてたら無理があったかもしれない。しかしここでは壁が変わることでアクセントが生じて驚きが季節の流れとつながったといえそうだ。水田に続いて男性が踏切に立っているところの流れもよかった。全体では雪の写真が二ヵ所にあり、2年の季節の移ろいを感じさせてくれる(この2年、複数年というのは並びに重要な気がする)。写真は田舎の風景であり特別なものが写っているわけではないのだが、写真の並びが季節の変化に沿っているので自然と何度も見てしまう。あ、ちょっと桜の写真が多いような気がしたw







  



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by pprivateeye | 2018-02-15 17:23 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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