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山田風太郎の明治の人物

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2018年2月9日(金)

◆明治150年記念「幕末・明治の古写真 明治を築いた人々」、JCIIフォトサロン
この写真展に興味を持ったのは現在読んでいる山田風太郎明治小説全集(ちくま文庫)のためだ。小説のための副教材と言っていいかもしれない。山田風太郎の小説は、事実はそのままにして隙間を埋める作者の想像がとんでもない世界を創っている。そうであったかもしれない、そうであったらこんなに面白い小説になる、という虚構の最たるものだ。
全14巻の中で(まだ全部を読み終えていないが)印象が強いのが川路利良だ。警視庁の初代大警視だ。いくつかの小説に出てきて鋭利な人物という印象だが、この展示での写真を見ると意外に人なつっこい顔をしている。またその写真自体も全体のなかでもいい写真だ。他の人物写真が無表情でつくったような写真だが、川路の写真を表情があり生きているという感じがする。この他では陸奥宗光が興味深かった。小説では浮沈の激しい経歴でシャープな人物として描かれている。写真ではそのシャープな面に老獪さが加わったように思えた。
上記の写真はサンフランシスコでの岩倉使節団。写真左から木戸孝允、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通。岩倉使節団は当時の政府首脳たちを中心に、使節46名、随員18名、留学生43名という大人数で米国や欧州を1年9ヵ月もかけて視察したもの。その模様は岩波文庫の『米欧回覧実記』で読むことができる。







  




by pprivateeye | 2018-02-14 23:37

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye