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6×6より6×7なのか。

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2017年10月20日(金)

・森下大輔写真展「asterisk」、表参道画廊 企画展「事象」DIVISION-1
モノクロのスナップ。心象風景といっていいのだろうか。感度の低い複写用のフィルムを使ってコントラストの高い写真となっている。いくつか好きなイメージや気になるものがあった。お気に入りは住宅地の道路で日陰になった箇所がほとんど黒で見えなくなっているものだ。画面左側の道路の遠景はピントが来ているわけではないが妙に気になる。不思議に思った作品は里山の森を写したもの。真ん中の日本の木が圧迫されたように平らに見える。もうひとつ、カメがひっくり返っている写真も変だ。カメよりも隣の石が妙に存在感がある。後から、ひっくり返ったカメがいる、たぶん死んでいるんだろうな、と思うくらいだ。同時に写真集も刊行。6×6と6×7の作品があるが、圧倒的に6×7のものがよかった。イメージサイズだけでなく、写真の力といったものを感じた。

・阿部明子写真展「レウムノビレ」、MUSEE F 企画展「事象」DIVISION-1
亡くなった父親が撮影した写真を壁に貼り、それを撮影し、さらに自分の部屋などの別の写真をデジタルで重ねることで多層的なイメージを作り出している。タイトルは植物の名前らしく、その植物は自分自身を温室にしてその中で成長するという不思議な生態を持っている。ということは、これらの展示は作者の内面を表わしているものなのか、と思った。

・関篤史写真展「Untitled Places」、Place M
山や森林で奇妙な形をしたものなどをモノクロで撮影。しかし、いいなと思ったのはそういったものではなく、ダムの工事現場を上から見下ろした作品とか、ダムのために石を積み上げた山とかいったある空間を形作っているものだった。ストロボで雪を発光させたものも面白いと思った。

・坂本謙一写真展「緋暮時」、RED Photo Gallery
人が思ったことを言葉にする前の感覚を大事にしたい、できれば表現した、というようなことがキャプションに書かれていた。それは夕焼けを撮影していたときの周囲の反応がきっかけだったようだ。作品はカラーのスナップ。

・横内香子写真展「faith」、蒼穹舎
最近ではあまり見かけなくなった、淡い色のカラーの作品。ギャラリーに入って正面の壁から右の壁にかけての作品と、残りの壁の作品がやや異なるように思えた。作者がどういう意味を込めてタイトルをつけたのか不明だが、前半の作品は一つの世界、ミニチュアのような世界、おとぎ話につながるような世界のように見えた。










  





by pprivateeye | 2017-10-21 23:44

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye