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丸ノ内線で移動

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2016年10月14日(金)

・若林勇人写真展「海辺にて」、ギャラリー冬青
シーズン始めの総長の海水浴場。キャプションを読むまではシーズン後の海だとばかり思っていた。しかも、人間不在がテーマだと勝手に想像していた。展示を見ていくうちに、人物が写っている写真も何点かあり、話を聞いて大いに勘違いしていたことに気付いた。ただ、被写体(海の家)との距離とか、できればノッペリとした空がよかったという作者の説明を聞いて、人間不在とまではいかないが寂寥感のようなものがテーマのひとつとしてあるのだなと思った。

・横内香子写真展「かずさ(上総)」、蒼穹舎
カラーで地元周辺を撮影。カメラはライカと聞いていたので、クローズアップなど少々無理があるように思えた。そのせいもあるのか全体にピントがはっきりしなかった。これまでの展示に比べると物足りない印象を持った。

・大橋英児写真展「Roadside Light Ⅳ」、コノカミノルタプラザ・ギャラリーA
飲料水の自動販売機ばかりを撮影したもの。このシリーズを見るのは三度目くらいだ。作者の言葉を借りれば、自販機の存在はその国のインフラやモラルが高いことを示しており、同時にそこに人間の孤独を感じるという。今回の自販機は東京、大阪、滋賀、熊本、北海道など。北海道の自販機(?)がよかった。特に日高町が好みだ。春先の山の木がふっくらしてきているのが感じられる。撮影はハッセルでアオリを使っているとのこと。道理でほとんど垂直がきちんとでていた。それにプリントが美しい。

・大村英明写真展「人への旅 ―キューバ編―」、コノカミノルタプラザ・ギャラリーB
キャプションに「陽気な」という言葉が使われていたが、人物の写真からその感じはあまり伝わってこなかった。むしろ街の風景も含めてある種のあきらめ、諦観のようなものを感じる。決してポジティブな絵ではなかった。

・小林静煇写真展「都市〈海市〉」、コノカミノルタプラザ・ギャラリーC
以前にこのコニミノで街の路地の大伸ばしや、川の上流から河口までを撮った作品を見ている。今回も主題は「都市」だ。海の上に浮かぶように見える高層ビルや港湾施設は、果たして本当に人類の発展なのだろうか。もしかしたら幻かもしれない。海市には蜃気楼という意味があるとのこと。文明批評を含んだ作品だ。

・望月茂写真展「神と仏の風景」、新宿ニコンサロン
日本各地の霊的、神的なところを撮影。ただし、ひとつの場所に作品一点なので、作者がこういった場所をどのように捉えているのか伝わってこない。そのため、写真はきれいだったが、写真コンテストに応募するような作品に思われた。

・日本大学藝術学部写真学科 気鋭学生写真展「出て来い新人5」、新宿ニコンサロン
大きな写真だったり、凝ったパネルだったり、絵の具のようにプリント表面が盛り上がっていたり、見せ方は大いに工夫されていたが、目を見張るような写真はなかった。見せ方の前にオリジナルな写真表現(←使い古された言い方だなあ^^;)の追求、作者の思想のようなものがあってもいいのではないか、と思ってしまった。



 


  
by pprivateeye | 2016-10-29 00:14

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye