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ニコンからキヤノンへ

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2016年1月22日(金)

・神田開主写真展「壁」、銀座ニコンサロン
前回の「地図を歩く」と同様、ハッセルブラッドSWCにデジタルパックをつけて撮影。今回はダムの上から水面を見下ろしたものだ。同じ構図では柴田敏雄さんの作品が有名だが、神田さんの作品は一捻りした見方になっている。捉えたかったのは人工物と自然。ダムの壁と水面が描く直線が人工物と自然の境界線という見方だ。壁はほとんど垂直性を失くして舞台のようにも見える。その上で演じられる水面の模様や浮遊物、あるいは凍った水面、鯉の群れ、写り込んだ空などいろいろあって面白い。

・野口里佳写真展「鳥の町」、ギャラリー小柳
・野口里佳写真展「夜の星へ」、キヤノンギャラリーS
野口さんの写真を作者の名前もキャプションも伏せて見たときどのような評価がされるだろうか。特別なものが写っているわけでもなく、ある種のトゲのようなものがあるわけでもなく、ごく普通の写真だと思う。「鳥の町」は鳥が飛んでくる場所に人間が町をつくったという内容のキャプションだが、飛ぶ鳥しか捉えられていない。「夜の星へ」では撮影しなかった瞬間のことが思い出されそこに写真の秘密があるのかもしれないとある。どちらも作者の思考が優先されているようで、その思考に対して提示された作品が不可分であるようには思えない。極端なことを言えばどんな写真でもいいように思えてしまう。そんなことを考えていたらデュシャンの「泉」を思い出した。「泉」はそれまでの歴史に掉さしたものと捉えられている。それと似た意味合いで野口さんの作品が写真史の流れの中で語られるのは幸せなことだろう。
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by pprivateeye | 2016-01-26 01:43 | Comments(0)