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ROAD MOVIES

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2015年10月28日(水)

シネマヴェーラ渋谷で「モーターサイクル・ダイアリーズ」と「神の道化師、フランチェスコ」を観る。ロード・ムーヴィーを特集した企画。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」はチェ・ゲバラの若い頃の南米縦断の旅を描いたもの。元になっているのは本人のそのときの日記だ。映画を観る限りでは、チェ・ゲバラは静かで正直でまっすぐな人だったようだ。年上の友人二人との旅だが、どちらも裕福な家庭のお坊ちゃんだった。それが旅を続けるにしたがって南米の現実を知ることになる。映画は帰国する直前までだが、帰国後医師免許を取得して、二回目の旅に出ることになる。
「神の道化師、フランチェスコ」は当初上映予定だった「イタリア旅行」から変更になったもの。監督はどちらもロベルト・ロッセリーニ。この映画はアッシジのフランチェスコと呼ばれた人の短いエピソードを重ねたドキュメンタリータッチのものになっている。“アッシジのフランチェスコ”という名前になんとなく聞き覚えがあったのでウィキペディアで調べたら大変な人だった。中世イタリアにおける最も著名な聖人のひとりで、イタリアの守護聖人でもある。小鳥に説教するという話も有名で、映画にも描かれている。タイトルの“神の道化師”も実際にそう言われたようだ。

この後、京橋へ移動。近美フィルムセンターでオーソン・ウェルズの「上海から来た女」を観る。
リタ・ヘイワースが演じたエルザ・バニスターはやり手弁護士の妻で若くて美人だが実際は悪女だったという設定だが、映画を通して全体に一定の印象を受けた。悪女だったんだ、という衝撃は薄い。むしろその夫アーサー・バニスタ役ーのエヴェレット・スローンが最初は嫌なヤツという印象だけだったが、次第に存在感が強まっていったのは良かった。オーソン・ウェルズが逃げ込んだ休みの遊園地、人気がないだけにトリックを仕掛けた部屋の不気味さが感じられた。最後の鏡の部屋のシーンはいい。有名らしくていろいろオマージュがあるようだ。「燃えよドラゴン」もそのひとつ。
by pprivateeye | 2015-10-30 02:49 | 映画

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye