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作者は何を考えているのだろう、と知るのも楽しい。

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9月4日(金)

上の写真は丸ノ内線(!)の車内でスマホで撮ってFBにあげたものと同じ写真。いくつかもらったコメントではコワイとか水位に注意とかいった内容だった。しかし、撮った本人が面白いと思ったのはそれぞれの標高の違いが一目瞭然なところだ。災害に対する警戒もしくは予備知識といった感覚はまったくなかった。
だって、荒川の水位がこんなに高いって知ってた? 西船橋駅は標高2~3mだけど地下にある神楽坂駅はそれよりも高い。しかも神楽坂駅は上下線が二階建ての作りになっているので駅は深度が深い。にもかかわらず高架になっている西葛西から原木中山までの駅よりも標高が高いというのは結構驚きだ。あるいは背景の建物だ。葛西臨海公園の観覧車よりも日本橋や大手町の高層ビルのほうが遥かに高い。実際に目にするスケール感からするとこれも、えー、そうなの?、と思ってしまう。


・北井一夫写真展「北京 1990年代」、ツァイト・フォトサロン
以前に北井さんが古いエルマーを使ったことで北京のザラッとした感じが出たと話していたが、今回見た印象はまろやかで柔らかいというもの。それにきれいなグレーだ。大分前のことだが、ガーディアン・ガーデンでのタイムトンネル・シリーズで北井さんのデビュー時からの作品を見たとき、「村へ」のシリーズのコントラストの高さからこの「北京」のシリーズは一転してグレー中心でその豊かさに驚いたことがある。

・鈴木理策展「水鏡」、ギャラリー小柳
森の中の池や池に写り込んだ風景を撮影。一点だけ天地逆さまに見せている作品があった。誰もが取りそうなシーンだなと思いながら見ていたが、何を見せたいのか、何を言いたいのか、何を主張したいのか、ということを考えていた。これ、きれいでしょでは終わらないということだ。これらの写真に何かがあるような気がするのだが、テキストが写真展のタイトル以外にないので見る側が考えるしかない。

・村上仁一写真展「雲隠れ温泉行」、Guardian Garden
2007年に出た同題の写真集が再編集されて発行され、それに合わせた展示。大伸ばしのプリントの他に大四つ切や六つ切のプリントを集中して展示し、さらに両方の写真集、新しい写真集のゲラ、コンタクト・プリント、カラー作品と、全部出しといった感じだ。作品は蒸気機関車が写っていたりしてこれはいつの時代の写真なのかと思ってしまうが、2000年以降に撮られたものだ。作者は当時迷っていて(悩んでいて?)、温泉の湯煙りの中に消えてしまいたいという思いがあったようだ。

・飯沼珠実写真展「FROM LE CORBUSIER TO MAEKAWA」、新宿ニコンサロンjuna21
タイトルにル・コルビュジエ、前川國男という二人の建築家の名前があり、写真はその建築を撮ったものなので建築写真と思ってしまいそうだ。しかも作品は似た建物同士が並べられている。しかし作者の意図(本音?)は建築物そのものではなく、そこに現れた形と色のようだ。モンドリアンが好きと聞いて、改めてそう思った。

・山本雅紀写真展「山本家」、新宿ニコンサロンjuna21
キャプションを読むと、かなり苦労したというか破天荒というか波乱に富んだ作者の家族のようだ。展示は現在の状況らしい。

・Member's Opneing Exhibition「RED」voi.4、RED Photo Gallery
秋元麦路、木村英一郎、西村勇人、吉田耕司
Place Mのあるビルの2階はこれまでM2 Galleryだったが、この8月から写真家16人による自主運営ギャラリーに変わった。今日見たのはそのオープニング展の最後の4人の展示。4人ともPlace Mで見たことのある作品だ。秋元さんが外国人旅行者を自室に泊めた「川の字」、木村さんが女性の体に女性のポートレートを映写した作品、西村さんは理化学研究所の若手研究員を撮影した作品、吉田さんは壁をライムグリーンに塗って「月の街」と呼ばれる韓国の街を撮影。西村さんと秋元さんの作品が好み。

・山田秀樹写真展「私の散歩みち」、Place M
元赤線といった怪しい(危ない?)街を自作の改造カメラで撮影。作者やたまたまいっしょに見た人と話が盛り上がる。作者自身が楽しい人柄で、写真にもそれが表れているように思えた。しかし、全紙サイズで約40点の作品が最近では珍しいパネル貼りで仕上げられており、作業やコスト的に大変だったでしょう、さらに終わった後の保管もかさ張って…と、これも笑い話になった。

・今井宏写真展「Another Planet Reloaded」、Tokyo Lightroom
新宿ニコンサロンでの展示が終わったばかりだが、そのセレクト展示という形。パーティに参加。楽しい話、美味しいお酒や食べ物、ありがとうございました。
by pprivateeye | 2015-09-09 21:36

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye