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フェイク(虚像)

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9月19日(金)

・「写真新世紀 2014」、東京都写真美術館 B1
空いていたのでゆっくりと見ることができた。ブックも佳作を含めて全員の分を見た。5人の優秀賞全部、被写体が女性というのはどこか問題があるような気がする。
グランプリ受賞作品、須藤絢乃「幻影 ―Gespenster―」は良かった。作品のテーマ、コンセプトとはまったく離れて、若い女性の表情の作り方に関心がいった。作者自身がモデルになることである種の役を演じているともいえる。その微妙さが作品の魅力になっている。ただこれは男性の視線というバイアスかもしれないが。
他では草野庸子「UNTITLED」のキャプションが良かった。ひとつの長い文章で、できれば全部ひとつになっていればもっといいのだが。作者の身の回りをスナップしたもので、日付の入ったカットがあれば入っていないカットもあり、キャプションと合わせて全体がフェイクに見える。
そういえばこの作品に限らず優秀賞5作は、どれもテーマの底辺にフェイク(虚像)ということがあるような気がする。そういう連想から杉本博司の「どんな虚像でも、一度写真に撮ってしまえば、実像になるのだ。」という言葉を思い出した。実はこの言葉が好きで、このブログを開始したときに引用している。今回の優秀賞の作品はそれをさらに進めて再び虚像を作り出そうとしているように思えたのだ。
「虚像(フェイク)」ということを基準にして考えると、佳作にとどまった作品はもうひとひねり足りなかったのかなと思う。特にモノクロ作品はストレートな視線だった。たとえば、熊野古道をパノラマで撮った作品はそのまま写真集として出版できそうだ。しかしストレートが悪いわけではないが、こういった多数の応募のあるコンテストでは突出するのは難しいだろう。


・「Photo atlas ... Tokyo Art Book Fair 2014」、京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス
平日だったこともあって昨年のような混雑状態で眺めるだけということにはならなかった。今年も街道のブースでは尾仲浩二さんを見かけた。昨年も出ていた宮嶋康彦さんのタイ焼きの魚拓、いいなと面白いなと思うのだが値段を考えると見送ってしまう。一番気になったのは赤々舎から出ている百々俊二さんの写真集『日本海』だ。こちらはもっと高くてページを繰るだけ。印刷も良かった。以前に出た『大阪』でファンになってしまった。
実は写真仲間がブースを出していたのだが、時間が合わなくて会うことができなかった。
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by pprivateeye | 2014-09-20 01:04 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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