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雨の中、ギャラリー巡り

ブリヂストン美術館「雪舟からポロックまで」展
最初、コローなどフランスの19世紀中ごろの油絵を見たとき、写真を見るときのような見方を自分がしているのに気が付いた。コントラストが強いなとか、ハイライトがうまく出ているなとか気にしていた。このころの画家たちは光に忠実だった。
セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」は、筆のタッチ(方向)と絵の具の濃淡だけで描かれており、物の形が現れるのは筆の方向が異なるときのだけのようだ。
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ツァイト・フォトサロン「マイケル・ケンナ ー レトロスペクティブ」
プリントサイズが意外と小さい。六つ切くらいで、裁ち落としされている。中判で撮られている割にはプリントの粒子が見える。現像で頑張りましたというのもある。写真集で見るほうが数段イメージがいい。エディションは45まで。¥172,500~¥805,000。

ギャラリー山口、木村理子「水の音 みずのおと」
自宅で水槽の水を4×5で撮ったもの。タイプCプリントの大サイズ。ブックに同じシリーズの2年前の個展の作品があったが、そこに竹内万里子の「水そのものは撮れない……」という評が入れてあった。もうひとつ前の個展では水周りも含めて撮っていたそうだ。次第に純化してきて、今回の個展は水そのものが撮られている。見ていて飽きないし、何度も見ているうちに水が動き出すようだ。

ポーラミュージアム、田所恵美子・針穴写真展「静物」
8×10のコンタクトプリント。1カットの露光時間30分! やわらかな描写が野菜やくだものに合っている。パリ市内の写真よりもいい。あえてピンホール写真と言わなくてもいいと思う。写真集『針穴のパリ』購入。

富士フォトサロン東京(スペース4)、松本綾子「その線の確からしさ」
スペース4とは、通路の壁だ。風景写真の賞発表作に押し出されたみたいに見える。「輪郭=水平線」的な捉えかたで、自分の水平線シリーズに似ている。カラー写真で6×6のインクジェットプリントだが、サイズがまちまちで、いろいろなシチュエーションを撮っているので印象が散漫になる。まったく同じカットが並んでいるのはなぜだろう。

コニカミノルタプラザ、中藤毅彦「From Bulgaria」
田中長徳さん、中藤さん、2Bの二人のYさんと長い間、立ち話。ブルガリアでも中藤写真だ。キューバほどじゃないけれど、穏やかな感じがする。
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新宿野村ビル1階ギャラリー、渡部さとる×8.5photographers「旅するアジア~ミャンマー2005~」
二人のYさんといっしょに行く。広い会場に大判のインクジェットプリントは合っている。田中さんの湖の写真が他の人のミャンマーと違った色合いで、落ち着いていた。佐藤さんの銀塩モノクロプリントもそこだけ雰囲気が違い、存在感がある。光りのないところのトーンの出方がいい。
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by pprivateeye | 2006-05-13 19:37

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye