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「オン・ザ・ロード」

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9月1日(日)

日比谷のTOHOシネマズ・シャンテで観る。毎月1日は1000円。ネットで席を予約したのだが、開演時には満席となっていた。
監督:ウォルター・サレス、制作総指揮:フランシス・コッポラ、出演:サル(サム・ライリー)、ディーン(ギャレット・ヘドランド)、メアリールウ(クリステン・スチュワート)
ジャック・ケルアックの原作『オン・ザ・ロード』は青山南の新訳で評判になり、河出文庫に入ったときに買ったのだがまだ読んでいない。
映画の冒頭、トラックの荷台に乗ったときサルが尋ねられたときの言葉、「どこかに行くのかい? それとも移動するだけか?」「移動するだけだ」というやり取りが印象的だったし、かつ象徴的だ。主人公たちは何ら生産的なことをしていない。後で読んだ映画評にはロードムービーという言葉が使われていたが、少し違う印象を持った。主人公は冒頭の言葉通り、移動しているだけだ。NY、デンバー、サンフランシスコ、メキシコ、etc. 物語は路上ではなく行った先で起こっている。サルは小説を書こうとしているのだが、プルースト『失われた時を求めて』の第1巻「スワン家の方へ」が表紙がボロボロになって何度も出てくる。この小説はある意味では完璧に内省的なものであり、ロードムービー的な世界とは相容れないものだと思う。
by pprivateeye | 2013-09-05 15:11 | 映画

写真について、極私的な、 あれやこれや


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