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写真作品の見せ方

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8月4日(日)

・米田知子展「暗なきところで逢えれば」、東京都写真美術館 2F
最初のあいさつにこんなことが書かれていた。「物や場所が持つ記憶や歴史を作品に投影」「写真を見るという行為を通して、鑑賞する側と実際に見えているものの本質を改めて問いかけている」。作者は歴史と見えているものとの関係に関心があるようだ。
写真そのものは静謐で、緊張感がある。ザワザワした感じはない。写っているものは「普通」のものであり、そこから何を考えるか。自分はこれを見て何を思ったのか、また作者はどうなのか。見る側に問いかけを行うということで極めて現代アート的だ。また、キャプションが作品を見た後で読むような配置も、まず考えるということを優先している。
今回の展示ではヨーロッパなどでの写真はない。近代日本の歩みが中心となっている。その意味では最後の「積雲」が現在進行形のシリーズ、テーマといえよう。「結局、私にとって“我々の存在の意味”が大きな課題として表出することになる。」と書かれているのを読んで、作者は歴史の出来事の中に当事者として身を置きたかったのではないのかと思った。そして「積雲」は震災をきっかけにそれが現実のものになってしまったのではないだろうか。
タイトルだが、「暗」をなぜわざわざ「やみ」と読ませるのだろうか。

・「写真のエステ ――写真作品のつくりかた」、3F
気に入った作品をいくつかメモしたが、そのなかでも印象の強いものは、
 マイナー・マーティン・ホワイト/納屋2棟、ダンスヴィル、ニューヨーク州(1955)
  強烈なコントラストがいい。
 原直久/シエナ(1984)
  大きなシャドー(影、焼き込み?)とすき間から見える塔の対比が好きだ。
中山岩太/上海から来た女(1936)は大全紙できれいなプリントだったがこれはヴィンテージなのかな。白岡さんの作品が一点。モウベウジュ、フランス(1980)。ピントは水滴だった。
この展示はアングル、焦点、光のあつかい、暗室作業を構成要素してあげているが、こういった切り口で分類するは無理があると思う。いい作品はそのすべてを含んでいるのだから。
都写美は29,000点ものコレクションがあるのだから、一人の作家をまとめて見せる工夫をしてほしい。スペースがあるので一人30点でも5~6人が十分に可能だと思う。戦後の日本だけに限っても写真史の上でいくつかエポックメイキングなことがある。たとえば「プロヴォーグとその後」と題して、中平卓馬、高梨豊、森山大道の作品を当時から現在までを見せるというのはどうか。写真活動ではなくあくまでも作品そのものに重点を置いて、どのように作品が変化していったのか、あるは変わらないのかといったものを見たい。
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by pprivateeye | 2013-08-06 13:51 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


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