人気ブログランキング | 話題のタグを見る

現実と虚構を行き来する楽しみ

現実と虚構を行き来する楽しみ_f0067724_16112090.jpg


11月7日(水)

・金村修展「Howling Smack Wolf」、photographers' gallery
大全紙のプリントが4段×26列、104枚がびっしりとピン留めで展示。今回はていねいなプリントだ。
看板がいっぱい写っているのに場所を特定するのが難しい。同じところ(近く)を撮っているので、同じ看板が写っているのだが同じものを探そうとすると途端に見失ってしまう。その探す作業はトランプの神経衰弱のようでユーモアを感じてしまった。
商店街など看板や柱、電柱や電線などが入り組んだ風景は、木や葉っぱを撮るのと似ていていろんなトーンがあって面白いのかもしれない。

・薈田純一写真展「立花隆の書棚」、Place M、M2 Gallery
立花さんは10万冊以上の書籍を三ヵ所に所有している。決して本フェチではなく、記事を書くための資料の後の標本のような存在らしい。
哲学関係の書棚にはウィトゲンシュタイン関連の書籍が三段分まとまっていて、一番多いかもしれない。
『図解雑学 構造主義』があったのにはニヤリとした。

・新名安奈写真展「SITE 2」、TOTEM POLE
作者は東京の木々に惹かれたようだ。
なんでもない木の向こう側などにチラッと人工物が写ったりしており、場所がなんとなくわかったりする。
まとめて全体を見ると強い存在感を感じる。

・楠本玄志写真展「平日」GRバトン写真家リレー第8走者、RING CUBE
タイトルは日常だがその中の部分が切り取られたことで別の世界が見えてくる。
見る者の想像と、作者のそれがどれだけ重なるのか、あるいは重ならないのか。

・澤田育久写真展「closed circuit」、The Gallery
同タイトルで以前に二度ほど見ているシリーズ。
大きなプリントの作品がいい。現実と虚構(フェイク)を行き来するような感覚が生じて面白い。
それもまた新たな現実ではないかと思い、その大きなプリントをさらに撮影するというようなことはやらないのかと尋ねたら、どこかで写真として現実を維持していたいのでそこまでは考えていないとのこと。
ギャラリーの名前がすごいが、きちんとしたギャラリーではなく作者が借りているスペースらしい。
by pprivateeye | 2012-11-08 16:49

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye