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スクエア・フォーマット

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◆佐々木厚、鈴木麻弓写真展「LIFE ~父の眼差し、娘の視線~」、富士フォトサロン
鈴木さんは師匠のアシスタントをしていた女川出身の人。
今回の震災でご両親を亡くされた。佐々木さんはそのお父さんで女川で写真館を営んでいた。
震災の後、偶然お父さんが撮っていたポートレート作品が見つかり、それが今回展示されている。
まさにポートレート写真の王道をいくもの。
教科書用にと撮られたものには撮影やプリントの際、どこまで注意を働かせているかわかって興味深い。
一方、鈴木さんの作品は震災後に撮られた女川の人たち。彼女の小学生のときの同級生も撮っている。
こちらはやや明るめのカラー。未来を見つめていこうということか。


◆榮榮&映里写真展「三生万物」、資生堂ギャラリー
展示されたものや手に取って見られる作品や写真集、雑誌、資料などいろいろあるが、メインは二人の出会いから現在に至るまでを描いたビデオだと思う。約40分と長いが彼らの活動がよくわかる。
展示されている作品では家族の記念写真がよかった。
家の前での定点撮影で一年に1点か2点。技術的にも完璧と思われる。
この作品はスクエア・フォーマットで円形に四隅が黒くつぶれている。イメージは円形ということ。

これを見ていてこんなことを思った。
スクエア・フォーマットは視線が中央に向かうと言われるのは、単にイメージが正方形だからというわけではない。
正方形に内接する円を描いてみるとわかるが、四つの角はそれぞれ外側に力が向かっているようだ。一方、四つの辺は内側に向かって力が働いているようだ。
この相反する二つの力がせめぎ合って、均衡していることで緊張感が生まれてくる。
だからそれぞれ四つの角と四つの辺は等しくなくてはならない。つまり正方形でなくてはならないのだ。
by pprivateeye | 2011-08-07 23:23

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye