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「個体発生は系統発生を繰り返す」

写真行為、特に現像やプリントのことを考えると、この言葉が浮かんでくる。
ある動物の発生の過程はその動物の進化の過程を繰り返す形で行われる、というのがその大まかな意味合いだが、それが写真にも当てはまるような気がしてならない。

たとえば、プリントの場合。
最初、印画紙は購入しやすいイルフォードかフジを使う。その後、いろいろな種類があることを知り、使ってみる。その際、それぞれの印画紙におけるノウハウみたいなものを知るようになる。ベルゲールは感度が低く、ドライダウンが大きい、とかいったこと。
あるいは現像の際、時間を延ばしたり、液の濃度を変えたりする。定着、水洗、乾燥もしかり。
つまり、これまで先人がいろいろとやってきたことを、自分でも同じようにやってみることになる。

ところが、これがベストだというものがなく、個々人によって適したものが異なってくる。
結果、いろいろなノウハウが存在するようになる。
たとえば、プリント現像でコントラストを上げるには、撹拌したほうがいいのか、それとも静かに置いておくほうがいいのか。二人の写真家からそれぞれの方法とその理由を聞いたことがある。

こんなことを考えていると、生物の発生と同じだなあと思ってしまうのだ。
by pprivateeye | 2009-12-14 11:29

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye