100年
2009年 06月 05日
ちょっと立ち読みして、『右大臣実朝』からの引用に惹かれてしまった。
「都ハ、アカルクテヨイ。」
「平家ハ、アカルイ。」
「アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。」
あとがきで長部日出雄が、『お伽草紙』はわが国の文学史上もっとも痛快なパロディーの最高傑作である、と書いているのを読んで、この2冊を購入。
奥野健男も『お伽草紙』の解説で、太宰治の全作品の中で芸術的に最高の傑作と考える、と書いている。
学生の頃、『斜陽』とか『人間失格』、『晩年』、「走れメロス」などを読んだが、そのとき『お伽草紙』を読んでいても多分ピンとこなかったのかもしれない。
それにパラパラを見ただけでも、文体にいろいろな工夫を凝らしているのがわかる。