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写真についての思考

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2017年10月27日(金)

普段持ち歩くカメラをハッセルに変更。この1年間はCONTAX G2 + Biogon21mm/2.8を使ってきた。いいレンズだと思うしそういう評価ももらった。カメラはオートで使いやすい。でも、中判を久しく使用していなかったので一番好きなハッセルを持ち出すことにした。組み合わせは503CW + CF Planar80mm/2.8。で、マガジンはA24を使用。フィルムはTRI-X。24枚撮りのマガジンで12枚撮りのフィルムを使っても特に支障はない。ネガのコマ間が次第に広くなっていくことくらいだ。これはブローニーフィルムの厚さの違いによるものだと思う。12枚撮りではフィルム全体に裏紙がついているが、24枚撮りでは最初と最後しか紙が付いていない。A24マガジンを使う際に注意することは12枚撮り終えたということを自覚すること。でないとその後はフィルムがないのにシャッターを切ってしまうという残念なことになる。ストラップは幅広のものは長い間使用していなかったのでゴムが編み込まれている箇所がややねちゃついていた。仕方がないのでそれ以前の皮製の幅が狭いものを使うことにした。


今日から神田古本まつりが神田神保町古書街で開催されている。これまで気になる本を新刊だけど半額といった破格の値段で入手していたので勇んでいってみたものの、メインとなるすずらん通りでの青空古本市はまだ準備中だった(^_^; それでも靖国通り沿いには何軒か青空古本市が出ており、ゆっくりと覗いてみた。手に取ってチェックする本も2~3冊あったがここでは見送ることにした。写真仲間が探している本を見つけたので連絡する。本人も迷っているようで、確保しなくてもいいとの返事。


・相馬泰写真展「Street Photograph BKK/TYO」、表参道画廊 企画展「事象」DIVISION-1
カラーのストリートスナップ。場所はバンコクと東京。ある意味では実験的な作品だ。手渡されたテキストからすると、まず「何を」ではなく「どこで」撮るかということへの思考。写真を広い壁に均等に並べてサムネイルに見せている。そしてそこから均一性が抽出されるのか、あるいは差異が具現化されるのか、ということを考えている。ここでは被写体との距離とか視線の角度とかいった撮り方は考慮されていないようだ。展示の全体を見ながら思ったのは荒木経惟さんの展示だ。タカ・イシイギャラリーと東京都写真美術館でごく最近のスナップがやはりサムネイルのように展示されていたのだが、ほぼ同時期の同じような写真でも並べ方で見える印象が違っていた。何を、どこで、いつ、どうやって撮るのか、どうプリントするのか、何を選ぶのか、どうやって見せるのか、といったことがうまくいったときに魅力のある写真になるのだろう。

・中村綾緒写真展「光」、MUSEE F 企画展「事象」DIVISION-1
作者は妊娠をしてから目に留まった風景、ということらしい。スライドによる展示。モノクロはほとんど色を感じさせないカラー(だったと思う)。逆光で光りが水面に反射しているもの、鳥が飛んでいるもの、といった心象風景。以前の作品では夜の公園を歩く人たちを撮って、そのブレた写真はゴヤの絵画を思わせて興味深かったのだが、今回はふ~んという感じで物足りなさがあった。

・YOSHI YUBAI 写真展「URI」、Place M
カラーとモノクロで、一人の女性を撮影。その女性は変な顔やポーズを部屋の中だけでなく街中でも行っている。DMに興味を引かれて見に行ったのだが、期待とは少々的外れな作品だった。










  




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by pprivateeye | 2017-10-30 02:03 | Comments(0)

6×6より6×7なのか。

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2017年10月20日(金)

・森下大輔写真展「asterisk」、表参道画廊 企画展「事象」DIVISION-1
モノクロのスナップ。心象風景といっていいのだろうか。感度の低い複写用のフィルムを使ってコントラストの高い写真となっている。いくつか好きなイメージや気になるものがあった。お気に入りは住宅地の道路で日陰になった箇所がほとんど黒で見えなくなっているものだ。画面左側の道路の遠景はピントが来ているわけではないが妙に気になる。不思議に思った作品は里山の森を写したもの。真ん中の日本の木が圧迫されたように平らに見える。もうひとつ、カメがひっくり返っている写真も変だ。カメよりも隣の石が妙に存在感がある。後から、ひっくり返ったカメがいる、たぶん死んでいるんだろうな、と思うくらいだ。同時に写真集も刊行。6×6と6×7の作品があるが、圧倒的に6×7のものがよかった。イメージサイズだけでなく、写真の力といったものを感じた。

・阿部明子写真展「レウムノビレ」、MUSEE F 企画展「事象」DIVISION-1
亡くなった父親が撮影した写真を壁に貼り、それを撮影し、さらに自分の部屋などの別の写真をデジタルで重ねることで多層的なイメージを作り出している。タイトルは植物の名前らしく、その植物は自分自身を温室にしてその中で成長するという不思議な生態を持っている。ということは、これらの展示は作者の内面を表わしているものなのか、と思った。

・関篤史写真展「Untitled Places」、Place M
山や森林で奇妙な形をしたものなどをモノクロで撮影。しかし、いいなと思ったのはそういったものではなく、ダムの工事現場を上から見下ろした作品とか、ダムのために石を積み上げた山とかいったある空間を形作っているものだった。ストロボで雪を発光させたものも面白いと思った。

・坂本謙一写真展「緋暮時」、RED Photo Gallery
人が思ったことを言葉にする前の感覚を大事にしたい、できれば表現した、というようなことがキャプションに書かれていた。それは夕焼けを撮影していたときの周囲の反応がきっかけだったようだ。作品はカラーのスナップ。

・横内香子写真展「faith」、蒼穹舎
最近ではあまり見かけなくなった、淡い色のカラーの作品。ギャラリーに入って正面の壁から右の壁にかけての作品と、残りの壁の作品がやや異なるように思えた。作者がどういう意味を込めてタイトルをつけたのか不明だが、前半の作品は一つの世界、ミニチュアのような世界、おとぎ話につながるような世界のように見えた。










  





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by pprivateeye | 2017-10-21 23:44 | Comments(0)

近づいて見る、離れて見る。

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2017年10月11日(水)

・山田宏一写真展「ジャック・ドゥミの撮影風景」、GALLERY mestalla
ジャック・ドゥミはヌーヴェルヴァーグの映画監督。「シェルブールの雨傘」の監督だ。今回の写真展は映画評論家山田宏一が「ロシュフォールの恋人たち」のロケ現場を撮影したもの。一目見てトリュフォーの映画「映画に愛をこめて/アメリカの夜」を思い出した。映画撮影現場を映画に撮るという内容とよく似ている。いわばメタ映画的で楽しい。

・「ゼラチンシルバー東京 中藤毅彦・元田敬三ゼミ修了展」、ギャラリー・ニエプス
 後期:岡崎牧人、今野聡、山野宏、道川峰久草
前期と合わせて、同じ路上スナップでもずいぶんと異なるものだなと思った。今回は道川さんの作品がお気に入り。スナップだけれどきちんとカメラを構え、場合によっては視線の位置を低くして被写体に向き合っているのがよかった。本人は現像ミスのネガもあってと恐縮していたが、最近はそんなことも含めて写真だなと思っているので気にしないですよと応えた。

・竹内真幸写真展「結界」、Place M
やはりモノクロのスナップ作品。作者は、表層的な都市構造のレイヤーの下にまだ新たな世界の気配を感じているようだが、そうするとタイトルが少しおかしいと思った。結界とは一言でいえば境界線のことだから、その向こうの世界を表わしているわけではない。そんなことからいまひとつ作品に入り込めなかった。

・佐藤圭司写真展「忍路(おしょろ)の景色」、RED Photo gallery
忍路(おしょろ)は小樽市の地名。冬の海岸の面した場所をカラーで撮影。きれいな写真だが、小屋があって海岸線が見えて雪が吹雪いているといった、どこかで見たことのあるような風景だった。そんななか二点ほどいいなと思った作品があった。道路のすぐ向こうは海という場所にバス停があり、背景は一応青空が見えている。しかし、画面左側は暗くなりつつあり、嵐が近づいている気配だ。もう一点はその作品の向かい側の壁に展示されていたもので、海岸線の上は海で雪が大量に舞っている。まるで星空を見ているようだった。

・塚田信之写真展「静かな雑踏Ⅸ」、蒼穹舎
近くに来たこともあって再び訪れた。最初のときほど印画紙の違いは感じなかったが、全体としての固まり、まとまりが伝わってきた。少し離れて一つの壁あるいは複数枚をまとめて見ると、個々の作品をじっくりと見ているときとは別のものが見えてきたりして面白い。




  




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by pprivateeye | 2017-10-19 01:54 | Comments(0)

シネマヴェーラ渋谷でキートンとマルクス兄弟

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2017年10月4日(水)

新宿でモノクロ写真の展示を見た後、渋谷へ。久しぶりにシネマヴェーラ渋谷で映画を観る。ここでもモノクロだったw
・バスター・キートンの「海底王キートン」+「キートンの警官騒動」
・マルクス兄弟の「我輩はカモである」

喜劇王の冠はチャップリンにつけられるが、キートンを観たあとではチャップリンの喜劇は甘ったるく感じてしまう。キートンのナンセンスな笑いはいつも新鮮だ。

マルクス兄弟の名前は大昔に筒井康隆のエッセイで知った。名前は知ったものの作品を目にする機会はほとんどなかったのだが、実際に観てみるとそのスラップスティックな笑いは破壊的だった。特にハーポ・マルクスは狂気を感じる。あのズボンにはいったいどれだけの道具が隠されているのだろう。あのハサミの切れ味w

シネマヴェーラ渋谷や神保町シアターといった名画座が作成しているチラシは特集のスケジュールがわかるだけでなく、映画の資料としても重宝している(上の写真ね)。保存版だよ。


何度見ても楽しい鏡のシーン


それをオマージュしたドリフターズ






  




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by pprivateeye | 2017-10-07 00:47 | 映画 | Comments(0)

銀塩・モノクロ・スナップの日だった。

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2017年10月4日(水)

・「ゼラチンシルバー東京 中藤毅彦・元田敬三ゼミ修了展」、ギャラリー・ニエプス
前期:菊田淳、橋本有史、多田洋、松尾幸枝
4人とも英語のタイトルだったので思わずそんな縛りがあったのかと尋ねてしまったw もちろん偶然とのこと。路上スナップとしては松尾さんの作品が一番変化に富んでいた。プリントサイズや展示も自由な感じだった。その対極が多田さんだろう。建築中の建物や逆に取り壊し中のビルといった構造物を正面から、水平垂直を意識した撮り方だった。こういうものが好きなんだなというのが感じられた。

・淵上裕太写真展「路上Ⅰ」、TOTEM POLE PHOTO GALLERY
女装した男性とか路上生活者とか、いわば“変な人”を撮影。最初思い浮かべたのはこのギャラリーの中心である有元伸也さんだが、もっとよく見ていたら牛腸茂雄を連想した。被写体との距離感や向かい方が似ているような気がした。作者に話したら牛腸さんは好きだとのこと。6×9のフォーマットで一人1本から4本撮っている、展示の38点は最近5ヵ月くらいでの撮影、この展示は10回までやりたいとのこと。枚数を撮ってセレクトしていることもあるだろうが、人物の表情がみんな柔らかいのが印象的だった。

・塚田信之写真展「静かな雑踏Ⅸ」、蒼穹舎
印画紙がこれまでと変わってウォームトーンのものを使用。そのせいだろうか黒が固まって見えた。これまではコントラストが高くて白と黒という感じだったが、今回は諧調が深くなったことでハイライトの印象が弱くなったのかもしれない。写真は、街を行く人たちを無理に固まり(雑踏)と見ないで、周囲の風景と同化させている印象だ。その同化には撮影者である作者も含まれていて、被写体と撮影者という線引きがなくなっているように見える。そんなことから今回の展示はいままでで一番いいと思う。思わずギャラリーの太田さんにそう話したら同意してもらえた。






  




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by pprivateeye | 2017-10-05 01:55 | Comments(0)