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2015 Flash Back

・見た写真展・美術展 251展 前年比 -82
・読んだ本 61冊 前年比 +19
・観た映画 79本 前年比 -25
・スマホをGALAXYⅡからiPhone5Sに替える。5Sの角張ったデザインはiPhoneらしくていい。
・Horizonシリーズのプリントをやり直す。黒枠付きのプリントもつくる。「ハッセル使い、一度はやってみたいノッチ付き」
・普段使いのカメラはライカR→ライカM6、レンズは50mm→35mm。
・今年もハッセルブラッドはまったく使わなかった。
・ブローニーも一本も撮らず。
・コンタックスRXⅡのミラーずれ、修理に出す。思っていたより高かった。
・両親の写真を撮る。
・白岡さんのカロタイプが終了。残念。さみしい。
・ネットから大量に映画をダウンロードする。むろん無料のもの。100本以上。
・黒澤明監督「生きる」に妙に感動する。
・ロラン・バルト「S/Z」を読んでから‘小説の読み’ということに意識的になる。
・「源氏物語」岩波文庫全6巻読了。併せて読んでいた「潤一郎訳 源氏物語」中公文庫も読了。
・植草甚一スラップブックから映画関係の巻を、バルザックの「人間喜劇」を、それぞれ集中して購入。
・年後半になってBookOff、Amazon、日本の古本屋で集中的に本を購入。翌月のクレジット支払いに驚く。
・その一方で写真集購入はゼロ。
・F1はフェラーリ、ライコネンが少し良くなってときどき楽しめた。
・MotoGPはバテンティーノ・ロッシがチャンピオンを逃して残念。
・サイクルロードレースの3大ツール、ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャは全ステージ完走、ではなく全ステージ見る。
・他のクラシックレースもスカパー!オンデマンドで見る。
・夜中に坂道を下っていたときにママチャリの前ブレーキのワイヤが切れ、ヒヤッとする。
・なんちゃってクロスバイクに買い替える。
・江戸川サイクリングロードをはじめ、地元周辺をいろいろ走る。
・ロードバイクが欲しくなる。
・あんなに聴いていた木村カエラをまったくと言っていいほど聴かなくなる。
・万年筆のインクに凝り始める。
・ブログでN藤さんと少しバトル。
・テニスバッグ(リュック)が破れてきたので交換。買うと高いのでモンゴルに行ったときに使ったノースフェイスのリュックで代用する。
・東京メトロの一日乗車券が700円から600円に値下がりし、大いに助かる。
・両親が高齢のため二ヵ月に一度のペースで帰省する。
・痛かった右肩(テニスのサーブが打てなかった)は気が付いたら痛みが消えていた。同時に五十肩のようだった左肩もすっきりしてきた。
・足の膝、アキレス腱の痛みは出ず。
・鼻炎によるクシャミを数回、風邪を一回ひく。
・喫緊の課題は増殖する本、堆積した雑誌の整理なう。
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by pprivateeye | 2015-12-31 09:24 | Self Portrait | Comments(0)

映画の一週間

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12月21日(土)
「スターウォーズ/フォースの覚醒」、TOHOシネマズ 市川コルトンプラザ
ポイント鑑賞のため無料。完全につなぎの物語だ。もしくは予告編と言ってもいい。旧作の出演者が年齢を重ねて出演、それに加えて新たなキャラクターが登場しており、口悪く言えば家族ぐるみの同窓会か。ではつまらなかったかといえば、楽しめた。旧作を知っていればなお楽しめる。いろいろ突っ込みどころはあるが娯楽作品としての出来を優先したい。いいなと思ったのはレイア(姫、将軍)の老け具合(笑) 他には、R2-D2が意外に大きいと感じた。


12月22日(火)
「巌窟の野獣」(アルフレッド・ヒッチコック)、「獣人」(ジャン・ルノワール)、渋谷シネマヴェーラ
「巌窟の野獣」はヒッチコックのイギリス時代最後の作品。本人はあまり評価していないらしい。コーンウォールという地名はサスペンスもの(小説、映画)でよく耳にする。全般に限られた場所での話なので舞台劇のような印象もある。チャールズ・ロートンが嫌なヤツをよく演じている。ヒッチコックはこの後、アメリカに渡って同じ原作者で「レベッカ」を撮っているが、ずいぶんと印象が異なる。
「獣人」はまず蒸気機関車とその運行がたっぷりと描かれている。いろいろなカメラアングルに加えて、走行中の線路、通過する駅や橋などを見ていると、そこで何か事件が起こるのではないかと思ってしまう。しかし、事件はジャン・ギャバンの血が起こしてしまう。


12月26日(土)
「祇園の姉妹」「雨月物語」、早稲田松竹
監督はどちらも溝口健二。初めて観る。
「祇園の姉妹」では19歳の山田五十鈴がドライな妹役を演じている。TVドラマで年を取ってからの姿しか知らないので、最初誰だかわからなかった。全体的にスクリーンが暗く感じたのは古い映画(1936年)だからだろうか。それとも谷崎が『陰翳礼讃』(1933年)で書いたように日本の家屋の暗さを見せているのか。
「雨月物語」、京マチ子が主演かと思っていたら一場面だけだった。怨霊(?)として出てくるがあまり執着がなくオドロオドロした感じは薄かった。二組の夫婦とも亭主がいい加減なのに対して女房はしっかりとしていた。


12月27日(日)
「バルカン超特急」(アルフレッド・ヒッチコック)、「浜辺の女」(ジャン・ルノワール)、渋谷シネマヴェーラ
「バルカン超特急」は気絶から目が覚めたら同じ列車に乗っていた老婦人が消えているというミステリ。最初は、気が付いたのは夢の中の出来事ではという穿った見方をしてしまったが、実際はさらわれたようだ。二人のイギリス人紳士がコンビで出てくるが、この二人の振る舞いがいかにもイギリス人っぽくて皮肉がきいている。
「浜辺の女」はルノワールが米国で制作した最後の映画。盲目(になった)の画家という設定、その役を演じたチャールズ・ピックフォードの存在感がよかった。
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by pprivateeye | 2015-12-28 00:02 | 映画 | Comments(0)

普通がいいと思うのはなぜだろう。

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2015年12月19日(土)

・東松照明写真展「太陽の鉛筆」、AKIO NAGASAWA Gallery
そういう時代だったのかもしれないが、なぜ沖縄なのか、なぜ東南アジアなのかよくわからない。モノクロもカラーも雑誌などで見ると結構ドロッとしたものを感じていたが、今回のようにまとまった展示や写真集を見ると淡々とした印象のほうが強い。

・「SABADO 2015」、銀座 澁谷画廊
写真仲間の石の橋の作品を見たときは空見してしまい、何度か説明を受けてもしばらく理解できなかった。ギャラリーの照明があまり均一でないためプリントの具合が違って見えたのは残念。全般的に見て好みは人物よりも風景を撮った作品かな。

・第4回西口写真展「標準レンズの巻」、ルーニイ
レンズにこだわりがあるのかないのか、よくわからなかった。せっかくタイトルを「標準レンズの巻」としているのだから、それぞれの描写の違いや好みなどがわかると面白かったのではないか。

・大塚勉写真展「断たれた地」、Gallery Photo/synthesis
ニエプスの通りにギャラリーがあるのを初めて知った。福島をモノクロで撮影。一点だけ目黒川の桜があったのはなぜ?

・佐藤春菜写真展「いちのひ April 2013 - April 2015」、CROSSROAD GALLERY
以前にこのシリーズをギャラリー街道で見たときは‘いのちのひ’と勘違いしてしまった。日常のスナップなのだが、特別な日ではなく普通の日が大事というふうに写真を見て思ってしまったからだ。

・Dana Fritz & Larty Gauel「The Land Within Us」、Place M
米国ネブラスカの二人の作家。ティンタイプの古典技法による作品と、植物をモノクロで撮って大きく手を入れたものとカラーのスナップ。カラーが一番よかった。プラチナにしてもサイアノにしても古典技法をやる意味合いが自分には見出せないのであまり楽しめない。古典技法で感心したのはアービング・ペンのプラチナプリントと、以前に原宿で見た湿版写真くらいかな。

・若山忠毅写真展「余暇、観光、そして疎ら ―東北・北陸―」、蒼穹舎
なかなか批評性を持ったカラー作品だ。バイクで東北から北陸を旅して撮られたものだが、作者の視線は原発や過疎に向いている。しかしそれを声高には表していない。
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by pprivateeye | 2015-12-25 23:14 | Comments(0)

搬入の手伝い

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2015年12月15日(火)

・野口倫住写真展「住み継ぐ」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーA
東京下町の木造住宅を撮影。デジタルで撮られた作品は妙に立体感があった。おかっぱ頭の女の子が遊んでいたり、まるで昭和30、40年代ような世界。

・九州産業大学大学院芸術研究科写真領域「交差する世界」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーB
印象に残ったのはモノクロで祖母を撮った作品。年齢の高い人を撮っているが重くならず、すっきりとした印象。

・Frans Lanting「Living Earth」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーC
氷原に北極グマがいると杉本博司を連想してしまう。2016年のコニカミノルタプラザのカレンダーに使用されている作品。今年もアンケートに答えて、頂きました。


このあと、銀座ニコンサロンで写真仲間のコジマキエさんの展示の手伝いをする。額同士の間隔が数cm違うだけで壁の見え方が異なる。狭くして展示数を増やすよりも、広めにしたほうが豊かな(リッチな)感じになる。並び順は改めて考えてあったがそれでも終了までに4時間くらいかかった。前回、新宿で展示した彼女の作品よりも緊張感が高くなっていると思う。今回もセルフポートレートが多くあるが、よくあるような’私を見て’的なところがないのがいい。
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by pprivateeye | 2015-12-21 01:42 | Comments(0)

ラルティーグは楽しそうだ。

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2015年12月12日(土)

・「ジャック=アンリ・ラルティーグ作品展」、FUJI FILM SQUARE
19世紀末、ラルティーグ家はフランスで指折りの裕福な家だったようだ。お金持ちのお坊ちゃんの高価な趣味と言ってしまえばそれまでだが、ラルティーグの写真にはそれを越えたものがあるように思う。幸せな家庭の中で写真を撮るのが楽しくて仕方がないという感じが伝わってくるし、構図やシャッターチャンスなど写真も上手い。当時はガラス乾板なのでフィルムのように何枚も撮れない。自動車レースを捉えた有名な写真はきちんとドライバーにピントがきている。いいなと思ったのは自動車で街道を走っているときに後方を写したものだ。手前の両親、道路の坂、等間隔で続く自動車とうまく配分されている。

・Gerhard Richter「Painting」、WAKO WORKS OF ART
ペインティング・ナイフで絵の具を塗ったり削ったりした油彩画。リヒターはこの手法をよく使っているがその動きは上下左右で斜めの方向はほとんどなかったと思う。他に、ガラスに絵の具を押し付けたものや、写真の上に絵の具を載せて押し付けたものなど。特に、写真と組み合わせたものは絵画性とは写真性とは、という考察によるものだそうだがあまり好きではない。今回の展示は2012年に見た「Strip」のような強烈な印象はほとんどなかった。

・加納典明写真展「三里塚 1972」、ZEN FOTO GALLERY
「月刊THE TENMEI」での過激なヌード写真のイメージが強いが、こんな写真も撮っていたんだと思った。機動隊側からも住民側からも撮っており、たぶん報道活動の一環だと思われる。しかし、TVに流れるニュースも撮っており、社会性のある作品となっている。

・藤田はるか写真展「winter」、YKG Gallery
タカ・イシイギャラリーがあったスペースに今年7月から入ったギャラリーだ。雪や冬景色を撮った作品。デジタルかと思ったらプレス・リリースにC-printとあったのでフィルムのようだ。雪が木の枝についた写真は奥行き感がなくなって、不思議なものを見ているような感覚になった。
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by pprivateeye | 2015-12-20 01:09 | Comments(0)

普通の風景を普通に撮る。

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2015年12月4日(金)

・丸山杏子、斉藤りつこ、菅沢哲也、山縣勉「亀甲と拮抗」、GALLERY niw
四者四様(?)のモノクロ。
菅沢さんは時間がテーマにあるようであえて日付をいれて撮影しているが、キャプションも含めて効果的とは言い難かった。写真そのものは好きなイメージが多いので、日付なしのほうがいいなと思った。象の檻の写真が一番の好み。
山縣さんの写真は自分の好みから遠い。新しく写真集を出したということもあるのだろうが、スライドも好きではない(スライドそのものが好きではない)。ただし、分厚いアクリルでつくられた4点の写真は商品として十分な魅力がある。
斉藤さんは植物と風景、二つの展示だったが、あえて分けずにまとめたほうが膨らみが出たと思う。プリントのトーンが同じだし、キャプションも含めて自分自身の心象風景なので十分ひとつになる。
丸山さんの作品はキャプションを読む限りでは重いテーマなのだが、展示は中途半端な気がした。ドキュメンタリーにするのか、自分の世界を描くのか。プリント自体は四人のなかで一番ストレートできれいだった。

・西村勇人展「Thinkings」、RED Photo Gallery
西村さんは理化学研究所の若手研究員の撮影を続けているが今回は人物ではなく、モノ。何十本とコードがつながれている装置、数式がビッシリと書かれた黒板、etc. 音楽のミキシング装置などもそうだがいくつもあるレバーやスイッチ、あるいはそこに連なるコード、部外者が見ると何が何だかわからないが、それを扱っている人は全部理解しているんだよなと思うとすごいことだ。

・石川琢也「賽の一擲」、蒼穹舎
DMを見たとき、また沖縄かよと思った。ギャラリーのサイトで経歴を見たら山梨県出身なのに沖縄を撮っている、何だかなあと思った。しかし、写真仲間が普通の沖縄で面白いからぜひ見るようにと言っていたので訪れたらそのとおりだった。主に那覇市だが、裏通りとか路地とか、どこにでもあるような街の風景だった。屋根の瓦が違っていたりシーサーが見えたりして沖縄だなと思うが、普通の風景を普通に撮っているところがいい。少しこだわりがありそうなのは乗用車が必ず写っていること。

・亀山仁写真展「Thanaka Ⅱ 雨安居」、ギャラリー冬青
雨安居はウアンゴと読む。雨季にあたり、この時期はお釈迦様がこの世界にいないので僧侶は外出せずに寺で修行を積むそうだ。2年前の展示以降に撮られたもので、風景が多いセレクトとなっている。街の風景などもスナップも撮って欲しいなと思うが、それは作者テイストに合わないのだろう。オープニングパーティに参加。何人も久しぶりの人に会う。
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by pprivateeye | 2015-12-15 02:17 | Comments(0)

"The rain in Spain stays mainly on the plain."

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2015年12月1日(火)

YEBISU GARDEN CINEMAで「マイ・フェア・レディ」(原題 My Fair Lady)を観る。
  1964年、アメリカ、英語、カラー、170分
  監督:ジョージ・キューカー
  出演:オードリー・ヘプバーン(イライザ)、レックス・ハリソン(教授)、
     スタンリー・ホロウェイ(イライザの父親)、ウィルフリッド・ハイド=ホワイト(大佐)

ブロードウェイでのミュージカルの映画版。ミュージカルではジュリー・アンドリュースが主役を演じている。
バーナード・ショウの原作が初演されたのが1914年で、ブロードウェイでの公開が1956年で、まだイギリスの階級社会は堅固なものだったろう。ちなみに、教授や大佐は資産家でアスコット競馬場の社交場に行くこともできるがあくまでも中産階級で、上流階級ではない。上流階級は王室につらなる貴族階級であり、ブルジョワは中産階級だ。
"The rain in Spain stays mainly on the plain."は下町なまりの英語を矯正するときの一例だが、ウィキペディアを見るとこの一文が各国の言葉で一覧になっていて面白い。
イライザは下町の花売り娘からレディに変身できたが、「自分」を獲得する過程が描かれていないので批評性には欠けると言わざるを得ない。


12月1日は映画の日で料金が割引となるのでハシゴをした。
早稲田松竹で「セッション」と「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を観る。

「セッション」(原題 Whiplash)
 2014年、アメリカ、英語、カラー、106分
  監督:デミアン・チャゼル
  出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ

う~ん、どうなんだろう、評価が高い記事を目にするが、すごいとは思うもののあまりいいとは思わなかった。
ドラムのレッスンの厳しさには部外者は驚くばかりだが、はっきりいってそれぞれの演奏の違いはわからない。
ドラマとしての良かった箇所は家族・親戚揃っての食事と、恋人との別れの場面くらいかな。食事の場面では主人公が従兄弟(?)から「音楽の世界は汚いからな」と言われ、これは後の伏線ともいえる。
あまりいいと思わなかった理由は、主人公が何をしたいのか全然わからないこと。学校の中のバンドでドラムを叩きたいだけのようにしか見えない。チャーリー・パーカーの例えが出てくるが、自分もそうなりたのか見えない。預かった楽譜をその辺りの椅子に投げ出したり、事故ってパニクッているとはいえスティックを置き忘れるなんて、ちょっと軽すぎる。だから、最後の最後のシーンが良く見えても、たぶんこの元教授にはついていけないだろうなと思ってしまう。


「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
  (原題 Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance)
  2014年、アメリカ、英語、カラー、119分
  監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
  出演:マイケル・キートン、ザック・ガリフィアナキス、エドワード・ノートン、エマ・ソトーン、
     エイミー・ライアン

今日観た映画のなかでは一番いいのではないかと思う。
かつてのハリウッド・スター俳優がブロードウェイに自分の脚本・演出で出演するという話。部分的には劇中劇だ。映画や舞台といったショウビジネスのパロディともいえそうだ。
超常現象(妄想?)があったり、ドラム演奏があったり、劇中劇であるがゆえに現実と嘘(芝居)が入り混じり、撮影では長回しのようなシーンが続いたりと、いろんな仕掛けがあって油断できない。舞台裏の通路でのシーンが印象に残っている。
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by pprivateeye | 2015-12-10 01:33 | 映画 | Comments(0)

「美術館を手玉にとった男」

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2015年11月28日(土)

ユーロスペースで「美術館を手玉にとった男」を観る。
  2014年、アメリカ、英語、カラー、89分
  監督:サム・カルマン、ジェニファー・グラウスマン
  共同監督:マーク・ベッカー
  出演:マーク・ランディス、マシュー・レイニンガー、アーロン・コーワン、ジョン・ギャッパー

この映画はお話ではなく実話、ドキュメンタリーである。出演のマーク・ランディスという男が絵画の贋作を米国の46の美術館に寄付したという話だ。
あるとき美術館職員のマシュー・レイニンガーが自身の美術館にあるものが贋作であることに気付いた。新聞やTVなどのメディアもそれを大きく取り上げ、FBIも捜査に乗り出した。しかし、ニセモノではあるものの、寄贈に際して金銭的なものは一切からんでいないので犯罪性はないとのことで罪には問われていない。
贋作の作り方は結構お手軽だ。カラーコピーしたものに彩色しただけとか、木の古さを出すためにコーヒーで色つけたりしている。
寄付の仕方は母の遺産の中にあったもの、といった簡単な話だけで美術館は信じ込んでしまう。そのウラを取ろうともしていない。
ランディス自身は精神的に病んでおり、その苦悩から描かずにはいられないようだ。それは草間弥生があのドットを描かずにいられないのと同じだと思う。
上映の後、美術ジャーナリストの鈴木芳雄さんと東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗さんのトークショーがあった。こんな事件は日本ではまず起こらないだろうとのこと。美術館が作品を購入したり寄贈を受けるときには必ずその来歴を調べて、あやふやなところがあれば絶対に入手しない。それにアメリカの美術館は人手も資金も不足しているし、競争意識も働くのでこんな映画のようなこともありうる、とのこと。
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by pprivateeye | 2015-12-10 00:15 | 映画 | Comments(0)