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写真から見えるもの

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6月21日(土)

・「石元泰博 生誕93年記念展」、インスタイル・フォトグラフィーセンター
いろいろな人が所蔵している石元さんの作品を借りての展示が中心。その中に同じ作品が一つだけあったが、焼きの濃さ、トリミングが少しだけ異なっていた。ポートレートでは三好耕三さんが16×20インチの大判で撮影したものが興味深かった。P.G.I.での石元泰博追悼展の際にVTRでそのときの撮影の様子が放映されていた。道路でペシャンコになった空き缶を撮ったシリーズで、印画紙をくしゃくしゃにしたものが展示されていた。あざといともいえそうだが、印画紙の光沢感もあって不思議なリアリティがあった。他では、石元さんの撮影の様子を撮ったものも少しあった。

・永嶋勝美写真展「散歩の途中で・・・Ⅶ "Souvenir"」、gallery E・M 西麻布
20年近く前に撮影したポジ・フィルムをデジタルカメラで複写してDGSMプリントした作品。スキャンでは拾えない情報も残っているとのこと。コントラストはあるけれど柔らかい、全体にふっくらとした印象。それがヨーロッパの街並みと調和している。

・「Photo Nico」、ギャラリー・ルデコ
DMには「オークション形式で作品が買える、100人の巨大グループ展」とある。たしかにルデコ・ビルの1~6Fまで全フロアに展示されていた。しかし、それほど大人数との印象はなかった。というのは多くの作品がポストカードのような写真で、結構似たもの、ムード先行といったものが大半を占めていたからだ。その中で以前に別のギャラリーで見た作品があった。その作者の名前や顔はFBでよく目にしており、あ、この人があの作品の作者なのだと、ようやく合点がいった。

・吉江淳写真展「遠くに山が見える」、蒼穹舎
茨城など北関東の街や風景を撮ったカラー作品。地方都市というタイトルで何度か見た記憶がある。あえて人を入れていないのか、もともと人が少ないのか、その風景にほとんど人物は写っていない。加えてややマゼンタの強いプリントは郷愁を誘うようだ。
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by pprivateeye | 2014-06-25 03:44 | Comments(0)

普通ではないこと

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6月14日(土)

サッカーW杯、オランダ 5―1 スペイン。ファン・ペルシーの美しいヘディング・シュート。前回大会覇者のスペインが大敗。GKカシ―ジャスの調子が良くなかった。


・荒木経惟個展「左目ノ恋」、タカ・イシイギャラリー
荒木さんは昨年10月に右眼網膜中心動脈閉塞症のため右目の視力を失っており、その前には前立腺癌も患っている(ギャラリーのリリースより)。本人の死に対する発言もリアリティを強めている気がする。作品はポジ・フィルムの右側を黒く塗りつぶしてプリントしたもの。塗りムラ、ヒビ割れなどから特別な意味があるように見てしまうが、右目を失明しその比喩として塗りつぶしただけだと思う。あるいは、いたずら、諧謔かもしれない。それと写真展タイトルの大きな毛筆が良かった。


・大島成己出版記念展「緑の触覚 haptic green」、SUNDAY cafe art restaurant
大きなDMの写真が良かったので三軒茶屋まで出かけた。池尻大橋とのほぼ中間。しかもカフェ・レストランのギャラリースペース。最初、作品のどこが普通でないのかわからなかった。ステートメントのファイルがあり、作品のコンセプト、手法も書かれているのだが、それを読んでもまだわからなかった。たまたまギャラリーの女性の人がいたので尋ねて説明を聞いてやっとわかった。焦点距離の異なる数百枚のカットをつなぎ合わせて一枚の作品にしているとのこと。そのためピントの合っている位置とボケている位置の関係が、不自然を感じさせないがよく見るとおかしいといった作りになっている。そこから「木々」とそれを「見るということ」の間に新しい関係を築きたい、ということのようだ。


夜、スカパー・オンデマンドでル・マン24時間レースをスタートから1時間ほど見る。
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by pprivateeye | 2014-06-24 04:07 | Comments(0)

「グランド・ブダペスト・ホテル」

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6月11日(水)

TOHOシネマズ日本橋で「グランド・ブダペスト・ホテル」を観る。シネマーレージの鑑賞ポイントを使用して無料。レディース・デーということで女性が多かった。
原題も「The Grand Budapest Hotel」で邦題と同じ。監督・脚本 ウェス・アンダーソン。制作 ドイツ、イギリス。公開 ドイツ2014年6月。
構成は、本の中の回想がある人物の話す回想という二重構造となっている。しかし、この構造自体が特別な意味を持っているわけではない。いってみれば「昔々、あるところに・・・」という感じだ。
内容(ストーリー自体)はシリアスなミステリだが、道化(ユーモア、コメディ、笑い、etc.)でそれをカバーしている。オープニングのケーブルカーからしてあり得ない角度で登っている。全体にテンポがいいので観ていて楽しいのだが、いかにも作りものというシーンもある。これもおかしみを誘うためか。
ホテルの名前がタイトルとなっているが、ホテル自体は背景にすぎない。主人公はコンセルジュとロビーボーイの二人。この掛け合いが楽しめる。
物語が起こる国の名前がZUBROWKA、公式サイトでは日本語訳がズブロフカとなっているが一般的にはズブロッカ。ポーランドのウォッカの名前だ。時代背景としては大戦前後で、ナチスやソ連を連想させる軍隊が出てくる。双方への嫌悪感が感じられる。


・鬼海弘雄写真展「INDIA 1982-2011」、キヤノンギャラリーS
全体に白っぽい印象だ。グレー中心のプリントというよりも、被写体そのものが白い感じ。全部で110点の展示。この中で2011年は2点だけで、ともにレンガを扱っているもの。人ばかりで、それも川か海の近く、あとは村の中だけ。ほとんど街の様子、30年の時間の経過はわからない。お気に入りは「ベビーベッドが運ばれる朝」だな。街の風景が写っている。一般的に言ってインドを撮った写真から階級的なものはほとんど見えてこない。ほんの少し経済的な豊かさが伺えるくらいだ。

・「ナショナル ジオグラフィック 写真で見る125年の歴史」、キヤノン・オープンギャラリー
ついでに見たのだが、良かった。ネイチャー写真だが歴史があり超一級の写真家が撮っているのでつい見入ってしまった。1点だけあげれば「世界最大の結晶洞窟 メキシコ、2008年、カースティン・ペーター」がいい。メキシコ北西部のチワワ砂漠の地下に長さ10mを超える結晶群がある。洞窟内は気温48℃、湿度90%で冷却スーツが必要となる。結晶群の中を探索する様子はまるで映画「ミクロの決死圏」を連想させる。


帰りに三菱重工のショールームによりロケット・エンジンを間近に見る。
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by pprivateeye | 2014-06-13 06:00 | 映画 | Comments(0)

ストレートなものの言いよう

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6月7日(土)

・Paul Nicklen「Remote Regions 辺境の生命」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーA
ナショナル・ジオグラフィック誌などに投稿しているネイチャー写真。こういう写真は作家性云々ではなく写っているものに驚きを持てばいいのだけれど、その驚きは慣れに変わってしまい、どんなにすごい写真でも‘ああ、これ前に見たことがある’と簡単に消費されてしまいがちなのがさみしい。ペンギンが海中から氷上にジャンプする写真が一番すごいと思った。

・高砂淳二写真展「ASTRA」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーB・C
世界の各地で夜空を撮影。大マゼラン星雲が星々のなかに小さく見える写真が好み。キャプテン・ハーロックの世界を思い出してしまった。

・「アジアの写真家たち 2014 ミャンマー」、新宿ニコンサロン
当然ということになるのだろうか、4人の作家はいずれも若い人だった。タナカを塗っている人が写っている写真はほとんどなかった。今回の作品は都市部が多いと思われるが、やはりどの国でも伝統的なものが少なくなっていくということだろうか。

・中島美智子写真展「MIZUMO」、新宿ニコンサロンbis
水面に写った反射や揺らぎを撮影。新宿御苑とか本郷とか地名が書かれているなかで、突然クロアチアと出てきて驚いた。尋ねたらツアーで行ったとのこと。普通、水面は「みなも」と読むが、あえて「みずも」と読んだ意図を聞きそこなった。


夜、カロタイプで講評講座。白岡さん、ヌード写真についてストレートなものの言いよう。ジャン・ボードリヤールの写真論の本、白岡さんがフランス語版、受講生が日本語版を持ってくる。写真の充実度具合はフランス語版が断然いいらしい。造形大の卒業・修了展の冊子を何冊かまとめて貰う。


サマセット・モーム『世界の十大小説(上)』岩波文庫、読了。ここでもストレートなものの言いよう。


サイクルロードレース、ツール・デ・フランドルをスカパー・オンデマンドで見る。
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by pprivateeye | 2014-06-12 14:44 | Comments(0)

ろくろくの日

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6月6日(金)

楽天地シネマズ錦糸町で「羅生門」を観る。<第二回 新・午前十時の映画祭>
監督・脚本 黒澤明、出演 三船敏郎(多襄丸)、京マチ子、志村喬、森雅之(武士)、公開 1950年、原作 芥川龍之介「藪の中」。
京マチ子がすごい。かわいい女の子から妖女まで表情が大きく変わる。多襄丸の笑い方がいかにもわざとらしくて気になったが、シェイクスピアの劇に出てくる道化の役割と考えればいいのかな。その意味でも主人公は京マチ子だよな。最後がヒューマニズムで終わるのは、いま観ると少しヤワな感じがする。原作のほうが小説だからかもっと開かれている。


・須田一政写真展「Insomnia 鴇」、和田画廊
鴇はホウと読むらしい。作者は夜の闇に心がざわつくと書いている。TVモニターに写された縛られた女性、解剖図、etc、妖しい欲望の世界を描こうとしているのか。

・「Rising Sun Workshop受講生による写真展」、T.I.P.
  万里「西の角を曲がった先」
  畠山雄豪「あの先 そして その向こう」
万里さんは以前に見せてもらったことのあるワイド画面の作品を再構成したもの。プリントも含めて今回のほうがいいと思う。畠山さんは6×7のタテで風景で、ちょっと珍しい。入口近くの写真がよかった。

・「神島塾二期生卒展」、72 gallery
写真を人に見せるというテーマで作成。赤外線写真もデジタルだとカラーになるのだといまさらながらに思った。原宿で10代の女の子を撮り、顔の上半分を見せた作品が印象的だ。

・松永泰明写真展「鬼籍流転」、Gallery Jy
鬼籍とは亡くなった人の名前や年月日を記したもののことだから、作品の中心にいる白衣の女性は亡霊ということだろうか。物語があるようなないような。

・大野雅人写真展「So Many Things Don't Know」、MUSEE F
写真仲間と同姓同名の作者。普段はNY在住とのこと。時差線が変わるところを飛行機の中から撮影。作品を覆うマットにその場所の緯度経度と二つの時間が刻印されている。もうひとつはビキニでの原爆実験を象徴する作品。どちらも現代アートっぽい。

・小川康博写真展「COLORS 沖縄の光と影」、ルーニイ
ポジフィルムで撮られた作品。天気の悪いときに撮るのが好きですと作者は言っていたが、雨に濡れた葉が少し光りを反射しているだけの、暗く重い感じの写真が好みだ。

・「Totem Pole Photo Gallery Member Exhibition Vol.8 Snap」、TOTEM POLE
ギャラリーのメンバー全員による企画展。今回のテーマはスナップ。えっ、普段みんなが撮ってるのはスナップじゃないのかと思ったが、作者がいなかったので話を聞くことができなかった。メンバーの中では有元さんと大久保さんの作品がいつも気になる。


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by pprivateeye | 2014-06-10 20:07 | 映画 | Comments(0)

表参道ラッシュ

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5月31日(土)

・「日本写真協会賞受賞作品展」作家賞・上田義彦、須田一政、富士フイルム・フォトサロン
上田さんの作品は「Quinault」「Materia」「M.Sea」がそれぞれ2点、「M.River」が3枚一組。須田さんは「物草拾遺」「凪の片」それぞれ12点。このなかでは「物草拾遺」が好きだな。逆に「M.River」はどうかなと思った。ピントがなくボンヤリとした光りと色だけの同じような作品を他の人が作った場合、上田さんを始め偉い人たちはどういう評価をするのだろうか。
百々俊二さんの書いた受賞理由のなかに黒沼康一さんから上田さんが学んだという言葉があり、良かったのでメモった。“自己表現に終始する回路を断て、写真は閉塞した感性を脅かす凶器のようなもの、見たいのはきみの写真ではなく、きみの写真が開示する世界なのです。”


・川内倫子×テリ・ワイフェンバック「Gift」、IMA concept store
世代は少し違うが交流があるらしい。川内さんはスクエア・フォーマットを止めたのかな。二人とも似ている。ともに身の回りのものに対する生命観といったものがコンセプトのようだ。30万とかいった価格を見たせいか、あまり関心を引かなかった。この後、ブリッツ・ギャラリーでのテリ・ワイフェンバック展を見に行こうと思っていたのだがもういいやと思ってしまった。


・尾高敬写真展「fabric」、MUSEE F
写真仲間がFBで一週間しか展示期間がないのはおしい、と書いていたので久しぶりに訪れた。4×5のモノクロで岩肌を撮影、デジタル出力。昼間のフラットな光りを選んでほぼ正面から撮影しているので、スケール感とか立体感がわからなくなる。タイトルは建物、構造物の他に織物、織り具合といった意味もあり、作者は後者の意味で付けたとのこと。グレー中心のプリントだったが、黒くも白くも焼けそうだった。だがそうするとまた別の意味合いが出てきそうだ。今日観た展示の中では一番好きな作品だ。


・金子隆一企画「幻の前衛写真家――大西茂」展、表参道画廊
1960年頃活動した作家らしい。多重露光や多重露出、他にもいろいろな操作をして作品を制作している。こういったいわゆる前衛的な作品は、作者が何を見せたいのかよくわからないので、あまり引き込まれることはないなあ。


・日蘭交流写真展「"Keep On Dreaming" Amsterdam in Tokyo」、シリウス
これも写真仲間がFBに書いていたので見に行ってみた。なるほどオランダではこんな写真が多いのかと思って見ていた。いくつかイメージを加工して新たなイメージを作ろうとしているようだ。その意味では前衛写真と似ているのかな。もしくは広告写真に近い。人物が必ず写っているのも、関心は人間にあるということなのだろう。ただし、その人間は単なる対象物以上のものには見えない。冬のアムステルダムを撮った普通の写真も数点あり、これとイメージを加工した写真を比べると、普通の写真のほうが何度もいつまでも見たくなる。白岡さんが口癖のように言う「普通の写真が一番いい」という実例になっているような気がする。
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by pprivateeye | 2014-06-02 19:27 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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