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<   2013年 01月 ( 16 )   > この月の画像一覧

見ようとしなければ見えない。

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1月30日(水)

・荒川拓大写真展「識閾」、銀座ニコンサロン
写真仲間の展示。モノクロ、半切。大全のフレームをタテ使い。プリントはすべて横。窮屈でなく見やすい。
カロタイプで見ていたよりもコントラストが低く見えた、おとなしくなった印象。
ゆっくりと見ていて、写真と自分(見る側)とのせめぎ合いのようなもの感じた。集中して見ないと見えなくなってしまう。スルッと見ても何も見えない。しっかりと写真に向かい合うことが求められているようだ。
この写真そのものが「いま、ここ」なのであり、撮られた景色は同じ場所に行ってももう見ることはできない。
何でもない写真だが特別な力を持っている。


・「SCANDAL-nude」、BLD Gallery
展示作家は野村佐紀子、須田一政、寺山修司、沢渡朔、森山大道。展示順、左から。
野村さんの作品が一番いまっぽかった。実際一番新しいわけだし。須田さんの作品が一番いやらしい感じが強い。コダックのポラ。寺山さんの作品に合わせた企画だと思うが、写真家でないだけに一番作り込まれている。沢渡さんは有名な少女アリスのシリーズ。現代においては一番危ないかな。森山さんのヌード作品はたまにしか見られないので一番貴重かも。しかし、ネガの傷はわざとらしい感じがする。


・アンリ・カルティエ=ブレッソン「こころの眼」、シャネル・レクサス・ホール
今回のシャネル訪問はリュック姿ではなかった。
もう3回目くらいのブレッソンの展示だと思う。写真展による集客や売り上げを期待しているとは思えないので、シャネルはブレッソンが好きなのかな。
どの作品も見たことのあるものばかりだ。プリントは誰だろう。ヴィンテージではないはずだ。トーンも揃っていて、逆にそれが不自然だ。
どのプリントも黒枠が出してあったが、水たまりを飛び越える作品だけは黒枠がなかった。たぶんこの作品はだいぶトリミングをしていたと思う。
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by pprivateeye | 2013-01-31 17:06 | Comments(0)

写真の緊張感

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1月29日(火)

・小川康博写真展「WINTER JOURNEY」、ルーニイ
モノクロ、35mm。
焼き込みや覆い焼きを結構やっていて、それらを見ていると視野狭窄のような印象がした。あるいは記憶、夢の中といった感じだ。
その中でテーブルのカップ、電車の中で座席や窓を撮ったものがよかった。


・倉田精二写真展「TRANS ASIA Again!」、Place M、M2 Gallery
昔(30年前)撮られたものかな。
首都高の写真よりも熱っぽくてエネルギーがあると思う。作品からパワーを感じる。ただし自分としてはアジアの雑然としたところはまったく好みではないのだが。


・コウノジュンイチ写真展「shadow days」、蒼穹舎
カラー、六つ切。
海外の旅写真。


・千村明路写真展「砂界」、新宿ニコンサロン
デジタル、カラー。全部タテ位置(だったと思う)。
茨城の砂浜の漂流物を撮影。タイトルは仏教語の沙界からの連想で、もっと現実に即したものらしい。
色やコントラストをいじり過ぎだと思う。CGのように見える。


・佐藤静香写真展「たくと」、新宿ニコンサロン
カラー、大全紙。
作者自身が名付け親となってしまった一番下の実家の弟を約1年間撮影。
笑顔があるわけでもなく、部屋が片付いているわけでもなく、普通に自然に見えるようだが、少し違う。
家族(姉)が写真を撮っているだけなのだが、薄っすらとした緊張感のようなものが家の中に漂っているような気がする。その緊張感は弟のものであり、作者のものでもある。
写真を普通の日常生活の中で撮るという行為は決して日常的なものではなく、家の中に溶け込むことはない。
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by pprivateeye | 2013-01-31 04:13 | Comments(0)

<午前十時の映画祭>

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1月28日(月)

みゆき座でフェデリコ・フェリーニ監督甘い生活を観る。昨年見逃していた作品だ。
ローマの退廃的雰囲気を描いたものらしい。ストーリーはほとんどない。
オープニングのヘリコプターがキリスト像を吊り下げて飛んでくるところは確かに「はったり」だ。その後の話の展開に全然関係がない。キリスト像も出てこない。
突然父親がローマに出てきたり、ラストシーンでのエイや少女など、なんとなく象徴的な箇所もいくつかあるのだが、それで何かを暗示させるような説明は一切ない。
上流階級の派手な生活をゴシップ記者のマルチェロ・マストヤンニを中心に描いたシーンをつないだだけと言ってもいいのだが、それでいて3時間の長さが気にならなかった。
トレビの泉はこの作品から観光地として有名になったらしい。
有名人を追いかけて写真を撮るカメラマンをパパラッチというが、それはこの映画に出てくるパパラッツォというカメラマン役の名前からきている。
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by pprivateeye | 2013-01-31 03:40 | Comments(0)

結局プリントか。

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1月26日(土)

・鈴木光雄作品展「necessary」、神保町画廊
デジタルのモノクロ作品。
フォーマットはスクエア、3:2、4:3といろいろ。特にこだわりがあるわけではないらしい。
デジタル特有の硬質な感じではなく、トロッとした印象のプリントもあった。シンガポールのラッフルズホテルの椅子、海辺の木。このあたりが好みだ。
一方で、粒子感の強い作品もある。菊の花のクローズアップ。大きくトリミングしており、知人の病気を聞かされたことも影響しているのかもしれないとのこと。



神保町のスタバで矢作俊彦『さまよう薔薇のように』を読了。
この人の小説はいつ読んでもいいな。特にハードボイルを書いていた頃の作品が好きだ。
ちなみにこの角川文庫の表紙は江口寿史が描いている。

さまよう薔薇のように (角川文庫)

矢作 俊彦 / 角川書店


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by pprivateeye | 2013-01-31 03:20 | Comments(0)

彫刻展はいい。

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1月25日(金)

上野の国立西洋美術館へロダンを観に行く。
「手の痕跡 国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブルーデルの彫刻と素描」展。
写真撮影OKだった。
彫刻展はいいな。絵画展では壁に沿って多くの人がぞろぞろと進んでいくが、彫刻ではそれがない。いろんな角度から見たり、展示そのものが壁から離れているので、自由な見方ができる。それでも作品解説などを読む時間が長く、作品を観るのは一瞬という人は多い。
ギリシャ神話などを題材にした作品よりも、実際の人物をモデルにしたもののほうが面白く感じた。その人物がどんな人か知らなくても作者とモデルとの葛藤の結果が作品に表れていると思うほうが興味が増す。
ロダンのバルザックが好きで、最後に観られたのはよかった。庭に常設されているカレーの市民もいい。
別の部屋で彫刻の制作過程を説明した展示があった。どうやって粘土像からブロンズ像が造られるのかようやくわかった。
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by pprivateeye | 2013-01-31 01:46 | Comments(0)

<午前十時の映画祭>

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1月21日(月)

みゆき座でフェデリコ・フェリーニ監督「道」を観る。2回目。
最後の方でザンパノが「俺は一人でいたいんだ」と言うのは、ジェルソミーナを置き去りにしてきたという思い(自責の念、申し訳ないという気持ち?)が付きまとっていたのではないかと思った。
帰ってからやはりネットでこの映画について検索してみた。
大変詳しく考察されたブログを見つけた。収録されなかったシーンまで含めてカトリックやそのメタファーなどについて書かれていて非常に読み応えがあった。


・矢内靖史写真展「棕櫚の日曜日」、銀座ニコンサロン
震災後の福島の日常を、棕櫚(シュロ)の木をひとつの象徴として撮られている。棕櫚は日本の高度経済成長期に多く植えられたらしい。「明るい未来と豊かな生活」を夢見た時代だ。その“棕櫚の日曜日”という言葉を検索してみて驚いた。キリスト教の復活祭の1週間前の日曜日をいうようだ。キャプションにはそのことはまったく触れられていなかったように思う。
作者は新聞社のカメラマンだが仕事とは異なる視点という気持ちがあったのかもしれないが、報道と作品とどちらにも比重がかかっているように思えた。
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by pprivateeye | 2013-01-31 01:30 | Comments(0)

SFと、写真

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1月20日(日)

前日に続いて紀伊國屋レーベル名画祭を観る。「メトロポリス」完全復元版と、ヴィム・ヴェンダース監督「パレルモ・シューティング」の2本。

メトロポリスはSF映画のはしりと言ってよく、1927年の制作ながら非常にSFとしての完成度が高い。
資本家と労働者、魔女とマリアといった対比、また聖書やキリスト教からの題材などが多い。
マッドサイエンティストや機械人間(アンドロイド)も登場。このアンドロイドはスター・ウォーズのC-3POのモデルといわれている。
ミニチュアの模型を撮影して高層ビルの景色を作っているのだが、そのシーンでは畠山直哉さんが深洲のビルの模型を撮影した作品を思い出した。

パレルモ・シューティングは主人公が売れっ子の広告写真家。
で、カメラがいくつか出てくる。仕事ではハッセルのデジタルやニコンを撮影、プライベートではマキナを持ち歩いている。マキナの蛇腹を繰り出すとき手で引っ張るのではなく、カメラを前に強く押し出すようにしてカチッとロックさせていたのが気になった。故障の原因になるのではと余計な心配をした。また途中で写真を撮っているおばちゃんはライカM4のようだった。
写真へのリスペクト、敬意がたっぷり。死神が、デジタルは現実を写さない、ない物を加えると否定的な意見を述べるのにはニヤリとしてしまう。
映画の基本的なテーマは“死は生と同じだ”ということだと思うが、上記のように写真好きな人はそれだけでも十分に楽しめると思う。
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by pprivateeye | 2013-01-30 20:21 | Comments(0)

狂気と現実

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1月19日(土)

・加納満写真展「RICALCO 風景を翻訳する」、ギャラリー冬青
タイトルはイタリア語で、トレースするといったような意味とのこと。
プリントは一番やりたくない感じのものだった。
コントラストが低く、ボンヤリとした印象だった。
印画紙もマット系でデコボコがあり、そのため感材の濃淡がプリントに出てしまっている。そのため黒い斑点がいくつも見えている。味とは思えない。決して美しいとは思わない。
なんだかデジタルのへたくそなプリントのように見えた。


紀伊國屋サザンシアターで戦場のメリークリスマスを観る。
ストーリーとかは十分知っているつもりだったが、妙に感動してしまった。
当然のことながらデビット・ボウイやビートたけし、坂本龍一らみんな若い。内田裕也も出ていたし、名前は思い浮かばないが他にも見知った役者が出ている。
この上映は“第1回紀伊國屋レーベル名画祭”と銘打って3日間だけ開催されたもの。計17本。
大島渚監督が亡くなったばかりだったので、タイムリーではある。邦画はこの作品だけだ。
狂気と現実との対比(あるいは並列)という見方をした。狂気の側にはデビット・ボウイ、坂本龍一がいて、現実の側にビートたけし、ローレンス中佐がいるということか。
東南アジアにおける日本軍の捕虜収容所が舞台のため、どうしても「戦場にかける橋」を連想するところがある。特にイギリス軍将校の筋の通ったところはよく似ている。また日本軍の知性になさはなさけなく思う。
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by pprivateeye | 2013-01-30 19:46 | Comments(4)

いつもの光景

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1月16日(水)

今年もコニミノでカレンダーをもらう。
展示は恒例のオーロラ。NASAの宇宙服もいつもと同じ。
Tower RecordでCDを3枚。
  indigo jam unit / REBEL
  Michel Petrucciani / Live At The Village Vanguard、 Live
indigo jam unitは店内のスピーカーからゴリゴリしたベースの音が聴こえてきて、気になりヘッドフォンで視聴したら一発で気に入ってしまった。

REBEL

indigo jam unit / basis records


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by pprivateeye | 2013-01-26 02:36 | Comments(0)

いつもの写真

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1月15日(火)

前日の雪がまだ残っている。解けた後、凍って滑りやすいぞ。

・有元伸也写真展「ariphoto 2013 vol.1」、TOTEM POLE
新宿の普通でない人たちのポートレートなのだが、意外なことを聞いた。
人物を特に目立てさせたいのではなく、特異な人物と雑然とした背景を等価に撮りたいのだとのこと。
有元さんでも撮れないときがあって、そんな日は夜まで粘っているらしい。
元旦の日の着物の女性が印象的だった。

・村越としや写真展「大きな石とオオカミ」、B Gallery
このタイトルになってからの写真展を見るのは多分4回目だと思う。
飽きることはない。わかったと思うこともない。興味を覚えるところは毎回異なっている。
ギャラリーには写真集だけではなく珍しくテキストをまとめた書籍も売られていた。
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by pprivateeye | 2013-01-26 02:28 | Comments(0)