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「目に見えることなど重要なことではあり得ない。」

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8月29日(水)

・村上雄大写真展「No Heaven... No Countries...」、UP40 GALLERY IMAGINE
これまではポラロイドなど小さな作品だったが、今回はカラーネガをスキャンしてデジタル出力で、A4サイズの大きさ。ギャラリーの人がこの大きさだとピントの甘さが目につくようになるので言わなくてはと話していた。
尾仲さんほどではないが渋めの色が落ち着いて気持ちがいい。

・成合明彦/山口聡一郎写真展「松江発・DRIVING RAIN」、蒼穹舎
成合さんがモノクロ、スクエアで黒く太い木のフレーム。湿り気を感じさせるプリントだ。
山口さんはモノクロでデジタルのパノラマ。雨の日に車の中からの撮影なのだが、滴が気になった。

・山村雅昭写真展「ワシントンハイツの子供たち」、Place M
代々木公園はかつて占領軍の住宅地だった。「ワシントンハイツ」は二重の意味で「夢(幻想)の国」ということになる。日本人にとっては初めて見る米国の世界。占領軍にとっては日本はあくまでも異国であり、どれだけアメリカ化しようとも故郷にはなりえない。
被写体は子供だけであり、状況を考えると見る人によっていろんな意味合いになろう。

・瀬戸正人写真展「Cesium 4」、M2 gallery
モノクロ、ロール紙が4点だけ、壁との間に空間を設けて留められている。写っているものは水面とか、よくわからないものだ。展示も含めて「よくわからない不安」が浮き上がってくる。

・有元伸也写真展「ariphoto 2012 vol.3」、TOTEM POLE
芳名帳の横にSWCが置いてあった。ストロボ、VCメーター付き。SWCにはもう慣れたのか尋ねたら、使えている範囲は10のうち2くらい、10使えなければとは思わないが5くらいは使いこなせるようにしたいとのこと。

・松元康明 + Hee Jung写真展「in-visible-land」、ルーニイ
お友達同士の二人展かと思ったらとんでもない、上質のモノクロの展示だった。二人はサンフランシスコのアートスクールの同級生らしい。松元さんは作り込んだ被写体を8×10で撮影。Hee jungさんはアウトフォーカスや陰影を使った不確かな世界を作っている。
タイトルはダブルミーニング。ある人にとっては「目に見える世界=in visible land」であり、ある人にとっては「見えない世界=invisible land」となる。
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by pprivateeye | 2012-08-30 01:15 | Comments(0)

「希少価値」

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8月26日(日)
夜、カロタイプで講評講座。夏の疲れか出席率は低かった。
お蔵出しの続きのラフプリントを見てもらう。前回はベタ焼きを見ながらこれも焼きたいあれも焼きたいという感じでラフプリントをつくったものだったので、あまり評判はよくなかった。今回はいいと思うカットを絞り込んだこともあって、前回よりはいいとのこと。
しかし、自分で選んだ10枚はいい写真だがどこかで見たような写真でもある。もっと独自の視線がほしい。
ということで、作者のモノを見る眼が重要。それは個性であり、希少価値を目指すべきだ。ただし、それが一般に好まれるかどうかは別物である。



8月28日(火)
写真仲間の銀座での展示が最終日ということで搬出を手伝う。作品はとりあえず全部カロタイプに移動。そこで解体w。作品はマットごとアーカイバルボックスに入れて梱包。その作業まで白岡流で徹底している。
ちなみに作者はその梱包を持ち上げようとしたが上がらず。自宅に届いてから動かせるのか。
その後は作品の相談に来た人を交えて、いい作品とは、コンテストに通るには、といった話が続く。
作品は多くの人に見てもらって、いろんな意見を聴くことが大事。
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by pprivateeye | 2012-08-30 01:05 | Comments(0)

「分け入っても分け入っても青い山」

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8月25日(土)

・安井みゆき写真展「青い草」、新宿ニコンサロン
ギャラリートークに参加。
「モンゴル」ではなく「旅」の写真。だからキャプションなどでは一切モンゴルとは触れていない。これらの作品を見て、旅に出かけたくなってもらったらうれしいとのこと。
ピントのことを指摘したら、写真仲間から「またまたそんなこと言っている」と突っ込まれる。
でもね、つまらない写真だったら何も言わないよ。詳しく見ているのは粗探しをしているのではなく、ここを気をつければもっと良くなるのにという思いがある。
訂正:先の記事でゲルは一部だけしか出てこないと書いたが、一点だけゲルそのものを写したものがある。


・Ralph Gibon「1960~」、gallery 916
35mmのモノクロ。何点かカラーも。タテ位置が多かった。
写りの悪さが気になった。それはピント、手ブレ、フィルム現像、レンズの解像度など。たとえば、帽子の写真はピントもコントラストもピシッと決まっているのに、スナップではないヌード写真などでそれらが甘いのはなぜだろうかと思う。
その印象が強くて、あまり作品に入りこめなかった。
ギャラリーは広くて天井も高く圧迫感がなくていい。展示もゆったりとしていて見やすい。


写真は偶然が写り込むというところがいいというが、しかしブレやピンボケ、思わぬものが写り込むことに寄りかかると写真が甘くなってしまう。その反対がスタジオでの広告写真だが、これもまた面白みがない。ということはその極端の間で「偶然性」の精度というか、その思想を高めていかなければならないのではと思う。「写ってしまった」という状況をどこまで自分のものにできるか。
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by pprivateeye | 2012-08-26 00:00 | Comments(0)

自分の世界

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8月21日(火)

・鷲尾和彦写真展「Seas」、浅草 浪花家
DMがカラーだったので展示もカラーかと思っていたらモノクロだった。少々残念。というのは新宿ニコンで展示されたモノクロの海のシリーズがよかったので、今度のカラーはどんなのかと期待していた。
ただ、同じ海のシリーズとはいえ、今回のセレクトは海辺で遊ぶ人たちが中心だ。


・秦雅則写真展「人間にはつかえない言葉」、artdish
場所は食堂+ギャラリーだが、ギャラリーの見学だけでもOKだった。
濃度の高いカラープリント。スクエア。ネガかプリントかわからないが、溶けたような跡がついている。また展示の仕方も特殊で、フレームの後ろが素抜けになっていて壁が見える。プリントはアクリルの裏側に貼り付けてある。各作品にはそれぞれタイトルが付いているのだが、文章の一部のようにも思えるがよくわからなかった。
作品は静かな印象で、ノスタルジックな感じもする。ただウェットというよりはクール寄り。


・谷口能隆写真展「Passage ―刻の痕跡(Paris・Praha・小樽)」、インスタイル・フォトグラフィー・センター
デジタルのモノクロ作品。タテ位置、夜の写真が多かった。
三つの都市での視点が同じなので、特に場所にはこだわらないのかと思う。ただ撮る動機としては必要かも。
ヨーロッパの都市は石畳が印象的だ。


・八木隆太写真展「蜃気楼」、新宿ニコンサロン
モノクロの、いわゆる白焼きの作品。プリントを黒く焼く人は多いが、その逆は少なく、それが若い人なのですごく新鮮に感じた。
住宅地の窓などを白く飛ばして、太陽が反射して眩しいといったイメージを出している。窓は別世界への出入り口のメタファーでもあり、普通の家が特殊な場所に思えてきて面白い。
ただ意識的にカメラを傾けて撮っているのが気になるところか。


・安井みゆき写真展「青い草」、新宿ニコンサロン
モンゴルにいっしょに行った写真仲間の展示。どの写真を見ても、ああ、あそこかと思ってしまう。ただしキャプションには一切モンゴルという言葉は出てこない。羊も一頭だけで、ゲルもそこで少し見えるだけだ。
その意味では、これらの写真は作者だけの世界だ。
奥の壁の左側、室内を写したものが好み。
オープニング・パーティに出席。おいしい野菜をいただく。

おまけ「露出補正」
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by pprivateeye | 2012-08-23 17:11 | Comments(0)

パーティ

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8月17日(金)

・齋藤亮一写真展「如是 Nyoze」、ギャラリー冬青
モノクロ、6×7。
コントラストが高くて好みなのだが、焼き込みやおおい焼きが目につく。
バブルで浮足立った世相が嫌になって地方に撮影に出かけたらしいが、写された風景は「夢の中の国」のようだ。


銀座ニコンサロンで開催中の写真仲間のパーティ。
この日はオリンパスのOM-Dが目に付いた。
恒例(?)の作者撮影会でのそれぞれ写真を見て思ったのは、バックが白い壁で人物には光りが当たっていないのに普通に撮影していること。露出補正くらいはしたほうがいいんじゃないかと思う。
あと、同じリコーの製品なのにGRDとCXはずいぶん色味が違うということ。GRDは赤味がかっている。
ところで、写真を批評するって難しい。ポロッと本音が出て、いらぬ波風が立ってしまうこともある。
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by pprivateeye | 2012-08-20 23:21 | Comments(0)

銀座は秋の空

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8月15日(水)

・コウノジュンイチ写真展「Walk」、蒼穹舎
ちょっと渋めのカラーで、落ち着いて見える。
中国、韓国の街並みに混ざって日本らしきカットも2点ほど。
まったく同じ写真を日本だけでも撮れそうだ。

・酒井大家司写真展「PINHOLE」、Place M
4×5のピンホール写真。モノクロでタテ位置だけ。
穴の形が滑らかでないせいだろうか、画像が引っ張られているところがいくつかあった。効果として面白いイメージもあるが、それがいくつもあると少々鼻に付く感もある。

・木村英一郎写真展「藍より青く」、M2 Gallery
花火大会での女性をモノクロでスナップ。
キャプションを読むと、もうじき終わってしまう青春を名残惜しむというような内容だった。
このテーマと写真の内容が一貫していいのだが、どこか残念な印象。それはプリントの質だったのだろうか。

・佐野久里子写真展「moire ―モアレ―」、銀座ニコンサロン
写真仲間がまたニコンで展示。単純にうらやましい、かつ、ちょっとくやしいw
ワークプリントのセレクト段階から何度も目にしている作品だが、展示されたものを見て、意外なことにもう少しプリントが小さいほうがいいなと思った。それはマットの切る位置なのか、余白なのか、よくわからない。
作品自体はコントラストのある好みのものだ。それに抒情的になるのを抑えているところがいい。
写っているものに特に意味があるわけではないので、白と黒の割合とか、ピントの位置や深さ、モノの形とかで好き嫌いが分かれるのかと思う。
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by pprivateeye | 2012-08-20 22:31 | Comments(2)

タルコフスキー 4

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8月11日(土)

ユーロスペースでを観る。タルコフスキー生誕80周年記念映画祭もこれが最後の作品だ。
ロビーで開場を待っていると写真仲間のS地さんが出てきた。「サクリファイス」を観ていた。この映画で立ち見が出るとは思わなかったとのこと。今日は3本全部観るらしい。
映画は自伝的作品のようで特にストーリーはない。
現実と回想が入り混じっているが、その中心にいるのは母親だ。
父親は主人公が小さいときに家を出ている。タルコフスキーの父親もそうだった。
だが、詩人だった父の詩を引用したり、映画のなかでは弱々しげに描かれたり、主人公にとっては自分自身を重ね合わせているようにも思えた。



・相星哲也写真展「韻」、RING CUBE 9F
写真仲間の展示。カロタイプで何度もも作品は見せてもらっているが、マットをかけフレームに入れると見え方がずいぶん違ってくる。いわば正装したようなものか。さらに余白の大きなマットでは上品な印象だ。
右端の水が流れ落ちている作品が一番の好み。


夜はカロタイプで講評講座。
セレクト、プリントは常に見直し、やり直しの連続。ループだ。それは時間の経過とともに変わっていくだろうし、また変わっていってもいい。
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by pprivateeye | 2012-08-12 01:45 | 映画 | Comments(0)

タルコフスキー 3

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8月10日(金)

アンドレイ・ルブリョフ
長い映画だ。182分。
15世紀ロシアのイコン作家(教会に壁画を描く)の生涯を描いたものだが、絵を描く場面とか絵そのものはほとんど出てこない。
言葉(セリフ)も含めて説明的なところは少ない。
最後のほうの鐘作りの青年の絶望(?)は何だろう。本当は貴族への抵抗から鳴らない鐘を作ってやろうとしたのに、実際にはりっぱなものができてしまった、というのだろうか。
そんな青年に主人公は若い頃の自分を見たのかもしれない。
ところで、解説に「ロシアの混沌」という言葉が出てくるが、これはドストエフスキーなどロシアの小説にもよく使われていてちょっとパターン化していてつまらない。


僕の村は戦場だった
第二次大戦の独ソ戦の一コマ。戦闘場面よりもその間の静寂を描いている。
家族を殺された少年が一人で敵に抵抗するのだが、その表情、顔つきが実際の将校たちよりも大人びている。しかも笑顔がない。


ローラーとバイオリン
タルコフスキーが映画大学卒業するときの制作。
7歳のバイオリンを弾く少年(音楽家といわれている)と労働者の青年が仲良くなったという話。よくある展開といってしまえばそれまでだが、興味深いのは1960年のソ連が背景にあることだ。
米ソ冷戦時代であり、ソ連は社会主義を謳歌していた。音楽家と労働者、つまりエリート階級と労働者階級とは相容れなくなっており、前者は後者を低く見ている。少しだけ伺える都市の景観は新しいがあまり特徴は感じられなかった。
映画は全体に明るい光線がおおっている。
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by pprivateeye | 2012-08-11 04:33 | 映画 | Comments(0)

タルコフスキー 2

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8月8日(水)

ユーロスペースでタルコフスキー監督惑星ソラリスを観る。
原作はスタニスワフ・レムの『ソラリスの陽のもとに』。かなり昔に読んだ。優良なSF小説だ。
ストレートにSF映画となっているが、けっこう穴もいっぱいある。かなり低予算だったらしい。

映画のテーマとしては、愛するとはどういうことか、存在するとはどういうことか、といったことになろう。ただベースにはコミュニケーションの問題があると思う。
というのは、原作はファースト・コンタクトがテーマになっているからだ。

惑星ソラリスの海はどうやら生きているようだ。では知性を持っているのか。知性を持っていれば人間(地球人、人類)とコンタクトが取れるのではないか。
「海」は、宇宙ステーションにいる人間のある意識を実体化させるが、自身については何も教えてくれない。

で、この話を内向きに考えるか、外向きに考えるか。

内向きとは、この不思議な海のことはきっかけに過ぎず、愛とか存在とかの哲学的テーマについて考えること。具体的には、すでに亡くなった妻が以前と同じように目の前にいる。これを愛することができるのか、またそれは本当に妻に対する愛なのか、といったことを考えさせられる。

外向きとは、人間以外の存在に対してコミュニケーションは可能なのか、ということ。そもそも知性とは何か。人間が考える知性とはまったく異なる知性というものがあるかもしれない。そういった存在と意思疎通を行うことができるのか。この「海」に人間的な知性があるのかどうかもわからないのだ。

最後のシーンはロマンチックでなつかしく、切ないのだが、実はそれも人間の脳波を単にコピーしたものかもしれない。鏡のように映し返しただけなのかもしれない。

映画の初めのほうに出てくる高速道路のシーンは首都高の赤坂見附付近で、けっこうこのシーンが長い。が、それがストーリーに関係するかといえばほとんど関係はなさそうだった。
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by pprivateeye | 2012-08-09 17:21 | 映画 | Comments(0)

タルコフスキー

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渋谷のユーロスペースで「タルコフスキー生誕80周年記念映画祭」と題して、アンドレイ・タルコフスキー監督の作品8本が上映されている。名前だけは聞いたことがあるが作品はまだ観たことがなかったので、今年5月のゴダールに続いて集中して観ようと思っている。


8月4日(土)
遺作となった、サクリファイスを観る。直後の感想は、全然わからなかった。
しかし、ツィッターでやり取りして思ったのは、キリスト生誕のイメージをダブらせるといいのではないかということ。ダビンチの「東方の三賢人」の絵やマリアが出てくるし、最後の少年のセリフは「はじめにことばありき」だ。


8月6日(月)
ストーカー
原作はストルガツキー兄弟の同題のSF小説。この小説のことは知っていたが読んだことはない。
映画は特にSFしているわけではない。
結局三人とも“部屋”に入らなかったことは、絶望を表しているのかと思った。
しかし最後に、主人公の足の悪い娘はエスパーかと思わせる場面で列車の騒音とともにベートーヴェンの第九が聴こえてきて、実は希望を表しているのだと思えてきた。

ノスタルジア
途中何度かうとうとしてしまい、構成、ストーリーがよくつかめなかった。
ただ、ストーリーは終盤を除いてあまりない印象。現在、過去、思い出、連想などがモザイク的につながって、抒情性の強いものになっていた。
というのは象徴性の高いもの――たとえば雨、水、犬、鼻血、少女、「1+1=1」という文字、鏡に映る別人など――がいくつも出てくるのだが、それが物語にどれだけ結び付いているのかよくわからなかった。
このことは上記の作品にも言える。それと言葉の比重が高い(少々日常性から乖離している)。
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by pprivateeye | 2012-08-07 00:34 | 映画 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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