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「いま、ここに」

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6月16日(土)

・築地仁写真展「都市写真 METROPOLIS ICON」、DAZZLE
久しぶりに築地さんの写真を見たせいか、いつもに増してソリッドに見えた。
最初はそのコントラストに目を奪われていたのだが、二度目にはシャドーの中にいろいろなものが見えてきて唸ってしまう。
この秋には写真集が出るようだ。楽しみだ。


・大西みつぐポートフォリオレビュー、epSITE
写真展「砂町」の展示に合わせての企画。ゲストにキュレーターの太田菜穂子さん。
レビューを受けた人は事前申し込みで8名。年配の男性から若い女性まで幅広かった。当初はepSITEでの企画だったのでネイチャー写真とかコンテスト写真が集まるのはないかと心配していたが、そうではなかったので最後まで聞いていた。
印象に残った太田さんの言葉。
「女の人はいろんなものに反応して、いろんな写真を撮る。しかしそのなかには本人にとって筋が通っている。被写体を差別しない。計算を越えている。男の人はゴールを目指して撮るという感じがする」
「写真としての情報、そのときその場にいたという事実を十全に捉えること。日本人が持ってきた情感、感性、情緒を大事にする、忘れない、ていねいな仕事をする。ドライにならないでほしい」
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by pprivateeye | 2012-06-23 17:12 | Comments(0)

「モノの見方=表現」であること

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6月13日(水)

・「CORRESPONDENCE / LANDSCAPE 2012」part 1、工房親
  田嵜裕季子、隼田大輔、川崎輝正、中西寿美江(彫刻) 
隼田さんは夜の森の中を撮った「うばたま」のシリーズ。前回見たときよりも緊張感があった。
川崎さんの雪の小山を撮ったものはまったくピントだあっているところはない。青と白の二色だけで、写真である必要があるのだろうかと思った。

・川内倫子写真展「Light and Shadow」、TRAUMARIS SPACE
NADiffの3Fの喫茶スペース。
東北の震災を撮影。
写っているものと作品との関連を考えてしまう。これはポートレートも同じだな。

・川内倫子写真展「照度 あめつち 影を見る」、東京都写真美術館
友の会特別内覧会に参加。写真仲間のY縣さん、I星さんといっしょになる。
作品の解説を作者自身が行うこの内覧会は、ギャラリートークとは違って個々の作品についての話が聞け、歩きながらの話なので質問もしやすい。
川内さんは映像(ビデオ)作品にかなり力を入れているようだ。映像はこれまでの作品をスライドで見せるのではなく、写真とは別に撮影されたもの。
写真以上に自分の思っていることが表されているかな。これからも積極的に映像作品を作っていく。映像はどんどん継ぎ足していくので、これからも長くなっていく。自分が死ぬまで続けるつもり、とのこと。
写真も映像も自分でハッと思ったときに撮影しているのだが、その区別は一瞬ではなく動いているときを撮りたい場合は映像になる。それは自分の生理的なものだそうだ。
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by pprivateeye | 2012-06-23 17:11 | Comments(0)

写真の撮り方

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6月9日(土)

・大西みつぐ写真展「砂町」、epSITE
ギャラリートークに出席。スライドを使って江東区砂町の昔と現在を解説。
永井荷風、川本三郎、砂町銀座、今村昌平「日本昆虫記」、長野重一、春日まさあき(?)、渡部(?)等々の名前が出てきた。
写真について、「遠景」は距離感、俯瞰、別の尺度という言葉で語ることができる。これに対して「近景」は手触り、匂いといったものだと思う、という話。現在は「中景」ともいうようなどっちつかずのものが多いことが写真をつまらなくしているのではないか。


夜はカロタイプで講評講座。
今回もラフプリントを見てもらう。
自分の表現、心情を出すとかは考えない → ストレートにすっと撮る → 結果、自然と自分が出てくる。
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by pprivateeye | 2012-06-23 17:09 | Comments(0)

リアルタイムで見た写真

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6月8日(金)

東京国立近代美術館で「写真の現在4 そのときの光、そのさきの風」展を観る。
展示作家は村越としや、有元伸也、中村綾緒、本山周平、新井卓の五人。うち三人はそれなりに面識のある人だ。

村越さんは昨年の震災以降、出身地の福島県で撮影したものを集中的に発表している。今回の展示にはこれまでに見たことのあるものも含まれているが、ライティングのせいかコントラストが高めに思えた。大四つ切の作品を横一列に隙間なく展示する一方で、深い霧のかかった岩場の作品は大きなパノラマサイズだ。微かな緊張感と、作者のどうしようもないやるせなさのような気持ちを感じた。

有元さんの作品は2006年から昨年までに撮影、発表されたものだ。全部見たことのあるものだが、会場がいつものギャラリーよりも広く、天井も高いので案外小さく見えてしまう。

中村さんの作品はアクリル張りのものとスライド。「light」と題された、海辺の夕日のスライドは初めて見る。この作品にしても「night」「water」「pray」にしても、移ろいゆくものに関心があるのだと思う。彼女はスライドで大きく、連続的に見せることにこだわりがあるようだ。

本山さんは展示されている作品数が多く、写真集などの資料も多いので、集中して見ることが難しかった。たぶん、この一点あるいはこのシリーズという見せ方ではなく、撮影しては発表していくという行為そのものに重点があるのだろう。

新井さんはまったく初めての作家だ。ダゲレオタイプ(銀版写真)による作品。やはり撮影されたものよりも行為もしくは過程のほうにより重きを置いているのだろうと推測する。

2F「現代美術」の所蔵作品展は写真作品がいつもより多かった。現代アートの人に写真作品はいわゆる写真家の作品は大分印象が異なる。現代アートの場合、作品になる前に大量の思考が行われており、明確な考え方のもとに制作されている。さらに、写真が持っているといわれる偶然性は排除するか、思考の中に取り込まれているように思う。
展示作品は松江泰治「Cell」(スクエア、カラー)、若江漢字「見る事と視える事―枝」、河口龍男「113cm(鉄道)」、伊藤義彦:ハーフサイズのモノクロ・コンタクト。

3Fの写真特集は石元泰博「シカゴ、シカゴ」。P.G.I.でも同じシリーズの展示だったが、重複するのは5点くらいだった。

所蔵作品展は7月末から10月中旬まで改装のため休館となる。
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by pprivateeye | 2012-06-23 17:08 | Comments(0)

本物を観る。

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6月4日(月)

ようやく国立新美術館で「セザンヌ―パリとプロヴァンス」展を観る。

いつも思うのだが、列をつくって順番に観ていくのはやめてほしい。絵の隣にテキストがあったりすると一生懸命に読むのでそこで流れが止まってしまう。読んでから作品を見て何が描かれているのか確認して次に進んでいく。チラッと見るだけだ。その作品から何が感じられるのか、自分はどう思うのかということには興味がないようだ。あくまでもデータとして処理していく感じだ。本来なら、気にいった作品はいつまでも観ているだろうし、全体を見てから戻って気になる作品を観るのもいいのではないか。

会場はあまりライティングがよくなかった。正面から作品を見るとライトの反射で絵の具の盛り上がりが光って見える。少し斜めから見ないと全体がよくわからなかった。

作品は初期のものから晩年まで大体揃っているようだが、サント=ヴィクトワール山など人気作品の数はそこそこという感じだった。
若い頃にアングル風に描いた「四季」4点は思っていたよりも大きな作品だった。サインが「Ingres」と描かれているのだが、他に観ている人でそれを話題にした人は一人しかいなかった。この作品は我々が知っているセザンヌの作風とは大分異なるのだが、これはこれで良かった。
画家の後半生の作品には塗り残しのあるものが何点もあるが、これはどういうことだろうか。何らかの意図があって塗らなかったのか、それとも関心が別の作品に向いてしまったので未完成のままになってしまったのだろうか。一般的には画面のなかで塗っていない箇所があれば制作中とみなされるが、こうやって展示されるとそこに画家の息遣いというか気配のようなものが感じられて面白い。

気にいった作品は「ベルヴュから見たピロン・デュ・ロワ(イル=ド=フランスの風景)」だ。セザンヌ独特の細かな同じ長さのタッチを並べていく方法は構築的筆触と呼ばれるらしいが、その方法で描かれた最初の作品とのこと。この絵のタッチを模写してみようと試みたが難しかった。
もうひとつは「首吊りの家 オーヴェール=シュル=オワーズ」だ。これはまだ30代前半に描かれたもので塗りは結構厚い。吉田秀和『セザンヌ物語』にこの作品についての記述があるが、それを読んでいて白岡さんの写真を思い浮かべていた。カロタイプに展示されているパリの街並みを高いところから見下ろしている作品だ。

図録は購入せず。本物の作品を見た後で本になったものを手にすると、なんと薄っぺらなんだと思ってしまう。高額な値段のついている作品のレプリカでもそうだ。絵画にとってマチエールがいかに重要かわかる。
これを写真に置き換えると、写真におけるマチエールは皆無とは言わないがごくわずかだ。しかもそのマチエールは、絵画のタッチのように作品そのものと直結しているわけではない。だから印刷物になっても違和感が少ないのだろう。
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by pprivateeye | 2012-06-11 01:15 | Comments(0)

リスペクトは大事だよね。

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6月2日(土)

・石元泰博追悼展「シカゴ、シカゴ」、P.G.I.
ギャラリーを入ると石元さんを撮った大きなポートレートが迎えてくれる。これがいい。
展示は水戸芸術館で見たものと同じだが、1~2点記憶にない作品があった。
PCで石元さん関連のムービーを見ることができるのだが、その中に三好耕三さんが16×20インチの特注の大判カメラで石元さんを撮影するものがある。これは必見だ。三好さんは黙々とカメラをセットし、シャッターを切るときもその温和な顔を被写体に向けるものの、撮りますよとかの言葉は一切発しない。このとき撮影されたものが入口に展示されているものだ。2008年の撮影となっている。

・沼田早苗「町のいとなみ」、大野葉子「刻 ~とき~」、オリンパスギャラリー東京
珍しく同一の会場で二つの展示。二人展というわけでもないらしい。
展示を見ていたら、沼田さんの作品について色がおかしい、黒の締まりがないなどと受付の女性に言いたいことを言って帰っていった人がいた。その人は大野さんのモノクロはまったく見ず。写真を見に来たのではなく、色校正に来たのかと言いたい。でも、メーカー系のギャラリーにはこんな人が多いような気がする。
沼田さんの作品は下町を広角で撮影したものだが特に興味を引かなかったな。
大野さんは自分の子供を撮影。電車の中から外を見ているものと、畳の部屋の中を駆けていくものが良かった。
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by pprivateeye | 2012-06-04 02:04 | Comments(0)

映画の日

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6月1日(金)

毎月1日は映画の日で鑑賞料金が割引される。さて今月は何を観に行こうかとチラシを見ていたら、オーディトリウム渋谷でのモンテ・ヘルマン監督の「果てなき路」と「断絶」が最終日だったので最優先で出掛けた。
大体、映画ビギナーなのでチラシなど限られた情報を一生懸命に読んでw、観るかどうか判断することになる。
今回は「断絶」がアメリカン・ニューシネマのひとつでジェームズ・テイラーが出演していること、「果てなき路」は蓮實重彦が「これこそ映画だという確信が、これは映画なのかという疑念を、なだらかに凌駕してゆく快感の121分!」と評していることがきっかけだった。
感想は、「果てなき路」は良かった。一方「断絶」は興業が惨敗だったらしいが、さもありなんというところ。
「果てなき路」は監督の言葉によれば「映画の中の映画の中の映画」。若い映画監督がある自殺事件を題材に映画を撮影していく過程を描いたものだが、次第に過去と現在、映画と現実が入り組んできてわからなくなってくる。映画の中ではEOS 5D MARKⅡを使って撮影している場面が出てくるが、実際にこの映画もそのカメラで撮られている。2010年作品。
「断絶」は、見た目はボロい車でストリートレースを挑みながら北米大陸を東に向かうといったロード・ムービーだ。しかし、この映画がコケたのもわかるような気がする。車やレースあるいは登場人物にあまりのめり込めなかったし、好きなアメリカン・ニューシネマの作品、たとえば「イージーライダー」「バニシング・ポイント」のように、最後にカタルシスを感じさせる場面がないのだ。え、これで終わりなの、という中途半端なものだった。1971年作品。
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by pprivateeye | 2012-06-04 02:03 | 映画 | Comments(0)

「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」のグラスを持っている。

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5月30日(水)

・村越としや写真展「大きな石とオオカミ」、TAP Gallery
・水谷幹治写真展「EL DORADO」、蒼穹舎
・尾崎大輔写真展「ミルグラム」、Place M
・三吉和寿写真展「In-between」、M2 gallery

珍しく村越さんは不在。近美の搬入とのこと。代わりに吉原さん。タイトルが寓話のようだがそういう場所(オオカミ岩?)があるらしい。6×7のモノクロプリントがやさしい印象。
水谷さんは黒いことは黒いが以前のような極端な焼き込みはなかった。ハードな風景なのだがノスタルジックなものを感じた。
Placeの2つはよくわからなかった。そのわからなさは、この写真で何を言いたいのか、あるいは何を表そうとしているのか推測がつかないということ。テキストはタイトルだけで、それもよくわからない言葉だし。

TULLY'Sで休憩。コーヒーカップの内側に文字が書かれていた。右手でカップを持つと見えない。

紀伊國屋書店でウンベルト・エーコ『開かれた作品』、岩波文庫の復刊リクエストで『中世歌論集』、投資関連の新書で『ストラテジストにさよならを』を購入。いまこれを書いていても不思議なジャンルの組み合わせだ。同じ人が買ったとは思えない。
ジュンク堂書店がなくなっただけで新宿の書店がずいぶん遠くにあるように思えるぞ。
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by pprivateeye | 2012-06-01 02:10 | Comments(0)

チャレンジすること

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5月27日(日)

・日比谷図書文化館特別展「報道写真とデザインの父 名取洋之助 日本工房と名取学校」
・甲斐啓二郎写真展「TOKYO STREAM」、TOTEM POLE

名取洋之助の写真をまとめて見るのは初めてだった。タイトルにもあるように編集者としての仕事のほうが量的にも大きいが、写真家としてやっていくつもりがあればそれも可能だったのではないかと思う。岩波写真文庫は復刻版が出ているが、1950年代にあれだけのものを出していたというのはすごい。

日比谷公園ではブルースの公演が行われていて、大きな音が聞こえてきていた。ポスターにはジョニー・ウィンターの名前もあった。

甲斐さんの作品は以前にepSITEで見たことがあるものだった。都内でいまは暗渠になってしまったがかつては流れが見えていた川の場所を尋ねるというのは、作者本人が一番楽しいのだろうと思う。

夜はカロタイプで講評講座。
久しぶりにプリントを見てもらう。といっても大カビネのラフプリントを約140枚。
自分でセレクトした分はセレクトした時点ではそれなりにまとまりのあるものかと思っていたが、それを伝えるのはなかなか言葉が見つからず難しいものだ。

帰ってF1モナコGPは見ることができなかったが、Indy 500をライブでしっかりと全部見る。
このブログを書くために何度かハイライトを見たが、最初の惜しいという気持ちが悔しいに変わってきている。

<2012 Indy 500>
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by pprivateeye | 2012-06-01 02:09 | Comments(0)

物語をつくる。

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5月25日(金)

・吉原かおり写真展「×××(バツ・バツ・バツ)」、TAP gallery
作者に尋ねたいことがあったので2回目。
ピントの合っていないカットは沈胴レンズをきっちりと引き出さずに撮影したためとのこと。
「よびみず」と同じコンセプトで撮られたものらしいが、大分雰囲気は異なると思う。「よびみず」のシリーズはもっと強い写真が多かったとの印象がある。
写真集制作後、645のカメラは手離したのでこれからは35mmでの作品になるとのこと。

・蜷川実花写真展「PLANT A TREE」、小山登美夫ギャラリー
目黒川の桜を撮影したもの。
ピントがあやふやなものがかなり多い。1点だけ、横位置での撮影なのにタテ位置のものがあった。
価格は大全紙くらいのプリントが18万で、額が11万。額は特注とはいえこの価格かと思った。
作品もフィルムでいえば1本からプリントしたものですと言われればそうかと思うものだった。
しかし、何度も見ていると気付くと桜ではなく濃紺の川面を見ていた。

・荒木経惟写真展「過去、未来 写狂老人日記 1979年―2040年」、タカ・イシイギャラリー
以前に発表されたであろうモノクロ・プリントとポジ・フィルム。
モノクロは小全紙くらいにプリントされたものでこれが良かった。その中でも80年代のもの、奥さんが亡くなる前に撮られた作品が好きだな。
ポジ・フィルムは大きなライトボックスの上にびっしりと並べられている。ちなみにその数を数えてみた。30コマ×33列×1台=990コマ、57コマ×33列×2台=3762コマ、合計4752コマ。132本分だ。
並べ方は厳密ではないがそれなりに考えられているようだ。1コマにカットされたものが多いが、数コマ続いているのもある。
モノクロもポジも日付が入っているが、近年の撮影のポジのほうはあまり信用できないかも。タイトルからして虚構だから。
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by pprivateeye | 2012-06-01 02:08 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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