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カテゴリ:映画( 159 )

ROAD MOVIES

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2015年10月28日(水)

シネマヴェーラ渋谷で「モーターサイクル・ダイアリーズ」と「神の道化師、フランチェスコ」を観る。ロード・ムーヴィーを特集した企画。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」はチェ・ゲバラの若い頃の南米縦断の旅を描いたもの。元になっているのは本人のそのときの日記だ。映画を観る限りでは、チェ・ゲバラは静かで正直でまっすぐな人だったようだ。年上の友人二人との旅だが、どちらも裕福な家庭のお坊ちゃんだった。それが旅を続けるにしたがって南米の現実を知ることになる。映画は帰国する直前までだが、帰国後医師免許を取得して、二回目の旅に出ることになる。
「神の道化師、フランチェスコ」は当初上映予定だった「イタリア旅行」から変更になったもの。監督はどちらもロベルト・ロッセリーニ。この映画はアッシジのフランチェスコと呼ばれた人の短いエピソードを重ねたドキュメンタリータッチのものになっている。“アッシジのフランチェスコ”という名前になんとなく聞き覚えがあったのでウィキペディアで調べたら大変な人だった。中世イタリアにおける最も著名な聖人のひとりで、イタリアの守護聖人でもある。小鳥に説教するという話も有名で、映画にも描かれている。タイトルの“神の道化師”も実際にそう言われたようだ。

この後、京橋へ移動。近美フィルムセンターでオーソン・ウェルズの「上海から来た女」を観る。
リタ・ヘイワースが演じたエルザ・バニスターはやり手弁護士の妻で若くて美人だが実際は悪女だったという設定だが、映画を通して全体に一定の印象を受けた。悪女だったんだ、という衝撃は薄い。むしろその夫アーサー・バニスタ役ーのエヴェレット・スローンが最初は嫌なヤツという印象だけだったが、次第に存在感が強まっていったのは良かった。オーソン・ウェルズが逃げ込んだ休みの遊園地、人気がないだけにトリックを仕掛けた部屋の不気味さが感じられた。最後の鏡の部屋のシーンはいい。有名らしくていろいろオマージュがあるようだ。「燃えよドラゴン」もそのひとつ。
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by pprivateeye | 2015-10-30 02:49 | 映画 | Comments(0)

ORSON WELLES

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2015年10月25日(日)

東京国立近代美術館フィルムセンターで「生誕100年 オーソン・ウェルズ――天才の発見」と題してオーソン・ウェルズの作品が上映されている。この日は「審判」と「フォルスタッフ」を観た。ここで映画を観るのは初めてだ。ホールは定員310名だが8割方埋まっていたのではないだろうか。

「審判」は同題のカフカの小説が原作。突然逮捕される平凡な銀行員の役をアンソニー・ホプキンスが演じている。不条理感たっぷりのこの作品によく合っている。もしかしたら「サイコ」よりもいいかもしれない。オーソン・ウェルズは弁護士役で登場。他にはジャンヌ・モロー、ロミー・シュナイダーという有名どころも出演。しかし、ウェルズの映画では役者はあくまでも役者で、その人気に合わせて話が進んでいくということはない。
この映画が不気味なところは、銀行の体育館のように広いフロアにびっしりと机が並んで全員が機械のように事務が行われているところや、裁判の場面では全員が男性でしかも表情がないところだ。小学生くらいの女の子たちが大勢まとわりつき、逃げても追いかけてきて、嬌声とともに隙間だらけの板の壁から目だけが覗いているシーンは怖かった。そういえばカフカの小説では登場人物が叫んだりしてもそれが素直な感情の表れとは思えないところがある。何かに心の中が支配されているような気味の悪さが薄っすらと感じられる。

「フォルスタッフ」はシャイクスピアの戯曲に出てくる人物で、この映画はその戯曲「ヘンリー4世」がベースにあるようだ。ここではウェルズが主役を演じている。フォルスタッフは真ん丸と言っていいくらい太った騎士で、戦場ではその体に甲冑を着てちょこちょこ走り、ユーモアたっぷりの姿を見せている。しかし、この戦闘場面はその暴力性が映画史上特筆されるものだ。先日観た「プライベート・ライアン」の冒頭の場面と双璧と言っていいかもしれない。この戦いで勝った王子は後にヘンリー5世となる。王子と友だちだったフォルスタッフは重用されるのを期待したものの、逆に縁を切られてしまった。ユーモアな丸い体だけにその無念さが余計に強く感じられ、さみしいエンディングとなっている。
この映画にもジャンヌ・モローが出ている。彼女は好きな俳優だけにお得感もあった。
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by pprivateeye | 2015-10-27 00:30 | 映画 | Comments(0)

David Bowie

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2015年10月24日(土)

渋谷のイメージフォーラムで「デヴィッド・ボウイ・イズ」を観る。初日の初回、整理券No.54だった。
2013年にイギリスの国立ヴィクトリア&アルバート博物館で開催された、同タイトルの展覧会を追ったドキュメンタリー映画だ。展覧会はデヴィッド・ボウイの赤ん坊の写真から始まる回顧展で、イギリスの後、世界を巡回している。

ところで肝心なことだが、これまでほとんどデヴィッド・ボウイの音楽は聴いたことがない。
アルバムは「ジギー・スターダスト」を持っているくらいだ。しかし、このアルバムが出たのは覚えている。邦題が「屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」で、なんじゃこれはと思った。第一、覚えられない。原題の“The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars”を直訳しただけだった。
その頃、つまり1970年代初めはレッド・ツェッペリンが71年に「Ⅳ」を、ディープ・パープルが72年に「マシン・ヘッド」を発表するなどまだまだハードロックの全盛時であり、ちょっと軟弱な印象だったデヴィッド・ボウイはほとんど気にすることはなかった。ただ、ヴィジュアルでも独自の展開をしていたので雑誌ではよく目にしていたと思う。

で、いまも特に聴いているわけではないので、この映画に出てくる業界の人から一般の人までの興奮というのは何の感傷もなく見ていただけだった。

でもね、50年というキャリア、それも一貫して“デヴィッド・ボウイ”という音楽をブレずに続けてきたということには関心がある。簡単に無視はできないんじゃないかと思っている。しかし、自分の年齢からすると新しい音楽を追いかけるのは難しいものがある。自分の中に根っこになるような記憶がないのでどうしても頭で聴いているような気がする。これと同じように思うミュージシャンにブルース・スプリングスティーンがいる。この人の発音がよく聞き取れないのがつらいw
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by pprivateeye | 2015-10-26 01:38 | 映画 | Comments(0)

丹生川駅

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10/16から10/20まで実家に帰っていた。親がいい年なので、今年になってからは二月に一度は帰るようにしている。といって何かするわけでもなく、大体はゴロゴロしている。

今回はCATVで映画を観た。
10/16「ダイハード」「ダイハード2」ともに吹替版
10/17「最強のふたり」「愛人/ラマン」
10/18「プライベート・ライアン」

「ダイハード」はともに以前に観ているのだが、案外記憶はいい加減だなと。1作目の裸足でガラスの上を歩くシーンはもっとギャグっぽいと思っていたし、2作目の最後のシーンはてっきり昼間の晴天のときだと勘違いしていた。

「最強のふたり」は介護人ドリス役のオマール・シーがいい。自分の母親の仕事帰りをじっと見つめているシーンなど、無言のときが良かった。家族には言葉はいらないということか。

「愛人/ラマン」はマルグリット・デュラスの自伝的小説が原作ということだけは知っていた。川を渡るシーンというのは何かの象徴なのだろうか、よくわからなかった。フランス映画だが言葉は英語だったのは残念。ナレーションはジャンヌ・モロー。

「プライベート・ライアン」のレヴューをネットで読むとほとんどが戦闘シーンについてだ。しかし、この映画はトム・ハンクスが命令に従って淡々と任務を行うことがメインだと思う。実際の戦闘の場面では戦争の大義は二の次のはずだ。不条理だがそれについて悩むひまはない。だからこそ戦後生き残った者にはそれが重くのしかかるのだろう。
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by pprivateeye | 2015-10-21 01:45 | 映画 | Comments(0)

Vivian Maier

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2015年10月13日(火)

イメージフォーラムで「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」を観る。
 原題:Finding Vivian Maier
 監督・脚本:ジョン・マルーフ、チャーリー・シスケル
ヴィヴィアン・マイヤー(1926-2009)という写真家が発見されたのは2007年のこと。この映画で監督をしているジョン・マルーフという若者がオークションで落札した大量のネガがその始まりだった。彼はこの写真を撮影したのはどんな人物だったのか興味を持って探索を開始した。
面白いのは、マイヤーの作品が素晴らしいとTVをはじめとする世間一般が評価するのに対して、老舗のギャラリーや美術館はマルーフが照会しても興味を示さないことだ。そのくだりではやっぱりなと思ってしまった。
彼女の本職はベビーシッター・家政婦だが、結構変人だったようだ。映画はインタビューなどを通じてそのことも描いている。彼女を知っている人はマイナスな面もいろいろと話しており、それをほとんどそのまま見せている。たとえば、預かった子供が交通事故にあったにもかかわらず、マイヤーはその状況を撮影し続けている。
一方、映画の中でいいなと思ったシーンは、彼女の母親の故郷であるフランスの寒村でマルーフが写真展を行ったところだ。
ベビーシッターの給料なんて安いと思うが、カメラはローライフレックスのほか4~5台は持っていたみたいだ。当時、ローライフレックスは超高級カメラだと思うが。
残されたネガは15万枚にのぼるという。

その作品
バスで眠る老夫婦の写真が好きだな。
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by pprivateeye | 2015-10-14 01:34 | 映画 | Comments(0)

イングマール・ベルイマン

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早稲田松竹でイングマール・ベルイマン監督の作品を4作観る。

10月4日(日)
「第七の封印」(1957年、スウェーデン、97分、モノクロ)
 出演:マックス・フォン・シドー、グンナール・ビョルンストランド
参考書代わりにしている「死ぬまでに観たい映画1001本」の中扉の写真に、この映画の騎士と死神がチェスをしているシーンが使われている。どんな映画だろうと思っていたが、映画そのものが象徴的でなので比較的わかりやすい内容と言える。騎士と従者はドン・キホーテを思い出させたし、チェスの好きな死神、その死神がノコギリで木を切るシーンなど、結構笑えるものを含んでいる。騎士は神の存在(不在?)について考えているがあまり深刻な印象ではなく、行動全般に淡々としている。従者のほうが人情味がある。第七の封印とはヨハネの黙示録から採られたもののようだ。

「夏の遊び」(1951年、スウェーデン、90分、モノクロ)
 出演:マイ・ブリット・ニルソン、ビルイェル・マルムステーン
バレリーナの許に日記が届けられる。かつて愛した男性のもので、そこからフラッシュバックで過去のシーンが何度か挿入されるが、女性の顔があまり変わっていないので、これはいつのシーンだろうかと思ってしまう。最後の場面で、いまを生きると決心したところは、なぜか安っぽい女性に見えてしまった。


10月7日(水)
「秋のソナタ」(1978年、スウェーデン、92分、カラー)
 出演:イングリッド・バーグマン、リヴ・ウルマン
母と娘の確執。一見和解したように見えるものの、状況は全然変わっていない。話し合いのなかで娘が普段はかけているメガネを外すシーンが何度かあるが、それは彼女が本音を語っているときなのだと思った。
イングリッド・バーグマンはあの「カサブランカ」から36年が経っている。鼻の筋が曲がっているのが妙に気になった。

「冬の光」(1963年、スウェーデン、82分、モノクロ)
 出演:グンナール・ビョルンストランド、マックス・フォン・シドー
「第七の封印」とは役回りが逆になっている。祈るけれども何も変わらない。それでも祈るしかない牧師。光りの明暗よりも雪景色が印象に残っている。普通の雪のある景色であり、北欧という特別さがないのがいい。自動車は左ハンドルだったが、道路は左側通行だった。


このなかでは「第七の封印」がいいな。「冬の光」は“神の沈黙”三部作といわれる二作目で、他の2本も含めてもう一度観たい。
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by pprivateeye | 2015-10-10 11:08 | 映画 | Comments(0)

「美しい写真」

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9月1日(火)

☆「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」をBunkamura ル・シネマで観る。1日で、火曜のサービスデだったので通常1800円が1100円となる。
原題:The Salt of the Earth。監督:ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド。
写真家サルガドのドキュメンタリーだが、作品(モノクロ)と実際の映像を交互に淡々と見せている。サルガドの撮影の仕方はあわてることなく、静かに、構図を考えながら、ゆっくりとシャッターを切っていた。何回もシャッターを切るわけではないようだ。特に構図には気を使っているようで、北極熊の場面では「ダメだ。熊の記録を撮っているわけではない。背景に何もない」と言っていた。サルガドの作品はまるで演出したかのような、絵になる場面を撮ったものばかりだが、それは彼の強烈な美意識によるもののようだ。カルティエ=ブレッソンはいい構図になるよう人が通るまで待ったという話があるが、それ以上かもしれない。
近年はデジタル・カメラ(CANON)で撮影しているが、それをA3くらいのサイズにプリントしている。すべてモノクロだ。奥さんが編集を考えるときプリントを壁にマグネットで留めている(畠山直哉さんと同じだ)。ヴィム・ヴェンダースに説明するときも100枚以上のプリントの山から引っ張り出していた。
お父さんの土地は干ばつで荒れてしまっていたが、奥さんが始めた植林によって森が復活したのには驚いた。
世界各地の人間を撮っていたことから、動物などの作品「GENESIS」になったのは必然と言える。撮るものが人間から地球に広がったと言ってもよさそうだ。
原題はマタイ福音書に出てくる「地の塩、世の光」から。


☆「未来をなぞる 写真家・畠山直哉」をイメージフォーラムで観る。前売券。整理券番号はNo.3だった。
監督:畠山容平
今年2月に完成試写会をアーツ千代田で観ている。そのときの感想はここです。
青山ブックセンターでの「気仙川」のトークイベントのシーンでは自分の後ろ頭が写っていた。このトークイベントの模様はこちらです。
気持ちは写らない、しかしその方角は示している(と思う)。
美学の問題。被災地の写真に対して美しいと思うことに対する罪悪感のようなものについて。
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by pprivateeye | 2015-09-07 19:48 | 映画 | Comments(0)

「ウィークエンド・チャンピオン」と「さよなら、人類」

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8月12日(水)

渋谷のイメージフォーラムで「ウィークエンド・チャンピオン ~モンテカルロ1971~」(2013年)を観る。
整理券番号がNo.1だったw
原題:Weekend Of A Champion
プロデュース:ロマン・ポランスキー
監督:フランク・サイモン
1971年のF1モナコGPでのF1ドライバーのジャッキー・ステュアートを追った映画。取材というよりも友人のポランスーといっしょのところを撮影したという感じで、その意味ではプライベートな印象もある。
いい映画だ。正直で正確なドキュメンター映画といってもいい。F1を知っている者なら全然嘘がないのがわかる。現在の二人の対談のシーンを入れたのもよかった。また、ホテルの朝食を摂りながらコーナリングの仕方について解説しているシーンも、ドライバーの感性によるドライビングの言葉も興味深い。「車は静かに走らせるんだ」(だったかなw)。ニキ・ラウダとジェームズ・ハントのバトルを描いた「RUSH」よりも地味だがリアルだ。もっとも後者は事実に基づく創作だから仕方ないが。
ジャッキー・ステュアートがレースの安全性向上を強く主張したのは有名だ。専属ドクターの配置、テールライト、etc. 当時はバリアもなく車がが走っているすぐ側まで人がいることが驚き。
ミラボー~ヘアピン~ボルティエ~トンネルの箇所は40年前には周りにほとんど建物がなかったようだ。
ジャッキー・ステュアートは三回ワールドチャンピオンを獲得しているが、この1971年が二度目となる。通算では27勝をしている。この勝利数はアラン・プロストが1987年ポルトガルGPで28勝を達成するまでなかなか越えられない数字だった。フジTVのF1中継で今宮純が感慨深げに話していた。
ちなみにこの1971年のF1ドライバーは有名なところをあげると、フェラーリがジャッキー・イクスとクレイ・レガッツォーニ、ティレルがジャッキー・ステュアートとフランソワ・セベール(オーナーの若きケン・ティレルも懐かしい)、ロニー・ピーターソンがマーチ、グラハム・ヒルがブラバム、エマーソン・フィッティパルディがロータス、といったところ。
ところで映画のタイトルはなんとかならないものか。これではまるでアマチュアの週末レーサーの話かとも思えるぞ。でも原題通りなんだよなあ。


恵比寿に移動して、「さよなら、人類」(2014年)をYEBISU GARDEN CINEMAで観る。
実は恵比寿ガーデンプレイスに映画館があるのをこの映画の上映館を探していて初めて知った。こちらはほぼ満席と盛況だ。でも座席が比較的大きめだったので混雑感はなかった。
原題:A Pigeon Sat On A Branch Reflecting On Existence
監督:ロイ・アンダーソン
不思議な映画だ。特にストーリーはなく、細かなシーンをつなげただけで、それぞれに特に関連があるわけではない。サムとヨナタンという、全然冴えないセールスコンビが途中から主役のような立場になるが、物語らしきものは二人がドラキュラの歯とか笑い袋といった面白グッズをセールスするがまったく売れないということくらい。
全体に風刺のようにも見え、不条理のようでもあり、カフカの世界を思い浮かべたが、ではどこが似ているのかと言われると説明できない。映像的にも各シーンが固定カメラで、シーンの中での人物の動きも少ない。いや、ほとんどない。動かないことが不自然さを強めている。
一点だけ具体的な名前が出てきた。戦争相手がロシアで、その戦争に負けてしまう。
全体の色使いとかセットの作りとかなどから、東欧の映画かと思っていたら、監督はスウェーデンの人だった。
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by pprivateeye | 2015-08-14 13:13 | 映画 | Comments(0)

ギンレイホールでクリント・イーストウッド

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5月1日(金)
飯田橋のギンレイホールでクリント・イーストウッド特集をオールナイトで観る。同ホールでは“午前0時のフィルム映写会”を月1回催しており、Twitterか何かで流れてきたときにチェックしていたものだ。開演前にホールの人がこの映写会について舞台の上で挨拶したことは懐かしくも新鮮だった。
今回の上映は「ダーティハリー」「許されざる者」「スペースカウボーイ」の3本。

・「ダーティハリー」Dirty Harry(1971年)
イーストウッドのツィードのジャケットがカッコいい。グレーとブラウンの2着。
犯人がいかにも異常者という感じで、絶対に親近感が持てず、その意味でいい演技だと思う。

・「許されざる者」Unforgiven(1992年)
特に過去を問い詰めるシーンはなかった。ジーン・ハックマンの保安官と対決するときに彼が言ったくらいで、彼自身もワルだ。
若いカウボーイが口先ばかり生意気な若者そのものと言う感じで、嫌になる浅はかさがよく出ていた。

・「スペースカウボーイ」Space Cowboys(2000年)
全体にどこかで観たような印象があり、最初は「ライトスタッフ」のパロディ的な作りだからだと思っていたが、実際に公開時に観ていた。そのときソ連の衛星の名前がイコンと知って十字架を思い浮かべたことを思い出した。
“北軍? それとも南軍?”というジョークは定番なのかな。
ホーク役のトミー・リー・ジョーンズはBOSSのCMの人だ。
イーストウッドの奥さん役の女優が年配だがかわいかった。

クリント・イーストウッドは1930年生まれだから今年85歳になる。それでも昨年は問題作となる「アメリカンスナイパー」を撮っている。この映画についての対談が蓮實重彦×青山真治×阿部和重というメンツで行われている「文學界」5月号も購入した。そのなかで蓮實重彦が“日常化された醜悪さ”ということを語っている。それは主に現在の世界の政治的状況についての言葉なのだが、その醜さが体現されたのがこの映画のスナイパーではないかと述べたりしている。
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by pprivateeye | 2015-05-09 01:44 | 映画 | Comments(0)

写真家・畠山直哉を観る。

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2月15日(日)

アーツ千代田3331で「未来をなぞる 写真家・畠山直哉」完成披露上映&トークショーに参加。この映画は東日本大震災後も地元を中心に撮影を続けている畠山さんを追ったものだ。アーツ千代田3331で開催される第二回 3.11 映画祭のプレイベントとして行われた。

畠山さんはこれまで写真には考えや思いは写らないと発言してきた。この映画の中でも同様のことを述べている。しかし続けて、撮った人の考えの方向のようなものが見えるような気がする。見る人もその同じ方向を見てくれたらうれしい、みたいなことも述べている。
少なくとも震災前までは、絶対に考えや思いは写真に写らない、そういうことを言う人は幻でも見ているのかそれともおかしいのか、くらいの発言をしていた。青山ブックセンターで行われた写真集『気仙川』刊行に合わせたトークショーでも同様のことを言っていたが、「しかし」という感じを受けた。特にその後に何か言葉を発したわけではないのだが。
そして今回の映画では上に書いたようなことを話している。その考え方は以前から持っていたが決して言わなかっただけなのか、それとも震災後に考え方が変わってきたのか、その辺りが一番興味深い。

現在も月に一度くらいの割合で震災後を撮影しているとのことだが、作品という感覚はないようだ。映画の中では役所の人から畠山さん自身は当事者ではないと言われていたが、自分から見れば当事者以外の何者でもない。現在進行形で震災を受け止めている畠山さんに今後どのような作品が生まれるのか関心がある。

冒頭のインタビューの場面も重い。地震の報を受けて実家にバイクで向かおうと準備している畠山さんをノルウェーのTV局が偶然取材したものだ。その時点では被害の状況もわかっておらず、畠山さんも6~7時間で着けるのではと話していたが、実際には4日もかかっている。

事務所兼暗室の場面も多くなかなか面白かった。暖房がないためか着膨れした格好で、コダックのロゴ入りのエプロンをつけて暗室作業をしていた。ベタ焼きはきれいにファイリングされており、分厚いノートに作業メモを記入していた。ベタが見える範囲では、撮影は1枚だけで、何回もシャッターを切ることはないようだ。カラーフィルターで何度もワークプリントの色のチェック。プリントの表側の下部には露光データが記入されていた。事務所の白い壁はワークプリントをテープで留めて一覧する場所でもあるようだ。

映画は7月にイメージフォーラムで一般上映の予定。
監督の名前が畠山容平と同姓だが特に縁故というわけでもなく、監督のお父さんが陸前高田市の隣の出身で畠山という姓が多いとのこと。話を聞いていて、師匠を追いかけるY澤さんと同じだなw、という印象を受けた。
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by pprivateeye | 2015-02-17 19:12 | 映画 | Comments(0)