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水の写真 2

富士フォトサロン東京で、洪美熙写真展「潮の詩」を見る。
展示場所がスペース4となっていて、ここはギャラリーというよりも通路の壁なので、あまり期待せずに軽い気持ちで見に行った。
が、一目見て驚いた。小全紙サイズのモノクロ・プリントが、ピン留めとかでなく、しっかりと裏打ちされたフレームで展示されている。
スローシャッターで撮られた波の写真だが、カメラはなんと4×5(リンホフ)で、レンズは250mm。
心の内側を写したようなモヤモヤ感が、いつまで見ていても飽きさせない。光りが反射した波や、白く砕けまるで髪の毛のように見える波が大変美しい。
作者は韓国出身の女性で、日本に来てからは2つの写真専門学校を出ている。年齢も自分より少し若いくらいだ。そんな人が岩場で足を海水につけ、約3年も波を撮っているとのこと。
もっと見てみたいと思う。

隣の4つある展示では、自宅の庭に来たスズメを撮ったものがよかった。
仲が良さそうに見えるスズメでも、激しい争いをすることがあるらしい。羽根をひろげ、足のツメを相手の頭にかけたり、くちばしで噛み合ったりして争っている写真は初めて見る。
猛禽類という言葉が浮かんできた。

スペース2では、ホロンバイルという内モンゴルの写真展。場所はモンゴルの東側、旧満州の北側。
いろいろな部族を撮っているが、人を中心に、しかもハレの場を撮るとなると、どうしても華やかな色彩になってしまう。
これを見ると、昨年行ったモンゴル(マンダルゴビ)との違いを強く感じる。

一番広いスペース1では、水をテーマにしたネイチャー・フォト。
大変美しいのだが、それは色の美しさではないかと思う。ある意味つくられた色ではないか。
展示されているような写真を撮るには、まずその場所に行かなければならないし、時間も早朝とか厳しい条件がつく。しかしそれらを見ていても、‘地球を見ている’という感覚が湧いてこないのだ。

水の写真 2_f0067724_228461.jpg
銀座4丁目の和光のディスプレイが大変面白くて美しい。
by pprivateeye | 2007-05-09 21:47

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye