人気ブログランキング | 話題のタグを見る

映画「父親たちの星条旗」を観る

クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」を観てきた。
アメリカ軍が硫黄島で星条旗を掲げた有名な写真を中心とした映画だが、決して戦争映画ではない。
実は星条旗は2度掲げられ、それも日本軍が全滅しアメリカ軍が占領してからではなかった。
しかもピュリッツァー賞まで取ったその写真は、たまたま2度目に星条旗を掲げたときのものだった。
この映画は、戦争で財政破綻しそうな米国が国債を売るためにその写真に写った兵士たちを英雄として利用し、それに振り回された兵士達の物語、ということになる。

観客の平均年齢は高くて、50歳くらいか。客数は少なかった。
終わってからみんな無言。何となく重い雰囲気。

戦争もまた経済行為である。プロパガンダが必要なときもある。
しかし、現場のことは現場の人間にしかわからないことがある。ましてやこの現場は戦場である。
そのズレに対して、英雄として扱われた三人のうち一人は純粋に悩み、一人は沈黙し、一人は勘違いをした。
苦い思いを表すかのように、カラーなのにモノクロのような印象を与えるほどトーンが抑えられている。


Now Listening : Parker's Mood / Saori Yano
by pprivateeye | 2006-11-20 23:23

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye