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「そこに残るのは形だけでしょう」

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2017年4月15日(土)

・奈良原一高写真展「華麗なる闇 漆黒の時間」、キヤノンギャラリーS
展示は暗い部屋で作品にだけ照明があたっていた。作品はヴェネッティア、刀、能、禅の4シリーズで、展示数はヴェネティアが全体の6割というところか。最初は暗さに目が慣れないのでイメージしか見えずしかもデジタル出力なので、モノとしての写真は捨てているのねと思いながら見ていた。そんな不遜とも思えることを考えていたのだが、目が慣れてくると細部まで見ることができて楽しむことができた。ヴェネティアでは建物の入り口の上部が丸くなっているところだけを集めたコーナーがあり、これは杉本博司の劇場シリーズのようだと思った。4つのシリーズでは禅は好みかな。チラシのテキストに奈良原さんの言葉があり、「禅という思想は、科学的手続きをふむ写真には写らないと思います。そこに残るのは形だけでしょう」と述べている。割り切っているなあ。ここのギャラリーがいいのは展示作品の小冊子が無料でもらえるところだ。

・桜井秀写真展「ノスタルジックな道 ルート66」、キヤノンオープンギャラリー1
以前、キヤノンの望遠レンズが触れるコーナーがあったが、その横が展示スペースになっていた。すでに廃線となっている米国の国道ルート66を辿った、モノクロの作品。タイトルにノスタルジックなとあるが写真はあえてそういう撮り方はしていないように思えた。極めて現代的なスナップだった。

・原美樹子写真展「Change」 第42回木村伊兵衛写真賞受賞作品展、新宿ニコンサロン
少し黄色い感じのプリントが独特だ。イコンタというクラシックカメラでほとんどノーファインダーで撮られており、選考委員の一人鈴木理策さんが「目の前に現れる世界を不思議そうに見つめ、カメラにお願いして記憶してもらっている」ような印象だと述べている。最終候補に残ったなかでは現代アートから遠く離れていて、一番写真らしい写真が受賞したのはいいことではないかと思う。「アサヒカメラ」が木村伊兵衛賞を別冊付録にしているのはいい。それを読んでいるときに写真仲間と遭遇する。

・伊藤邦美写真展「秩父みち二人」、ニコンサロンbis新宿
定年退職した人が夫婦で秩父札所巡りをしたときの写真。その場所と二人の記念写真がセットになって展示されていた。作者が話しているのを背中で聴いていたのだが、俺が俺がという人のようで写真もその通りだった。


  


  



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by pprivateeye | 2017-04-19 19:33 | Comments(0)