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コニカミノルタプラザ閉館

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2017年1月20日(金)

・「アートの競演 2017睦月」、Art Gallery M84
写真を売るというスタンスのせいか、全体的にいろいろな手法によるプリント、展示の仕方があった。展示というよりも出品という感じかな。一番の好みはモノクロ・スクエアで銀座のホテルで撮られたセルフポートレート(だと思う)の小さな作品だ。

・ハナブサ・リュウ写真展「パリの肖像 1976-2016」、銀座ニコンサロン
パリのアーティストたちを撮影したモノクロ作品。ギャラリーの外からチラッと見たときには壁に隙間なく一列で展示されていて多過ぎるんじゃないのと思ったが、ワクワクしながら見ていったので約70点という量も気にならなかった。何周目か見ているうちに並びにかなり意志的なものを感じた。ボーヴォワールから始まり、最後が現在のパリ市長アンヌ・イダルゴとなっている。ボーヴォワールはフェミニズムの立場から女性の解放を求めて闘った人であり、最後に女性の市長を持ってくる。しかも政治家は彼女だけだったように思う。また別の意味で並びが面白かったのはピエール・ガスマン(初めて顔を見たw)の後、オフィスのドアを挟んでイブ・モンタン、イブ・サンローランと続く流れだ。ガスマンがブルーカラーの人のように見えるのでニヤッとしてしまった。右手奥正面の壁は女性ばかりでスクエアのプリント。ソフィー・マルソーがかわいい。

・蔵人写真展「さるく長崎 ―猫街散策Ⅱ―」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーA
タイトル通り長崎の街中の猫を撮影。つい猫の姿を探してしまう。楽しめる写真だけど、それ以上を求めてはいけないのかな。

・茂手木秀行写真展「星天航路」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーB
電柱のある田舎道や海辺で夜空の星を撮影。天の川がきちんと銀河系の形に見えるなど、実際に肉眼で見るよりも何倍も星が写っている。ある意味では目に見えないものが写っている、ということか。

・小池英文写真展「瀬戸内家族」、コニカミノルタプラザ・ギャラリーC
瀬戸内海の小島での撮影だが、瀬戸内という場所的なものはあまり感じられなかった。ドキュメンタリーにはなりきっていないということかと思った。デジタルの割には柔らかい印象で、そこからもノスタルジーを感じるものが多かった。

コニカミノルタプラザはこの展示が最後で1月23日で閉館。

・中藤毅彦写真展「Sous le ciel de Paris」、オリンパスギャラリー東京
タイトルは「パリの空の下」、シャンソンからだ。2週間集中して撮影されたパリ。人物も街中でのストリートスナップではなく、きちんとしたポートレートに力を入れてみたとのこと。タテ位置の写真が多かった。改めてポートレートはその人物が持っている「価値」をどれだけ引き出せているかということだと思った。デジタルによるプリントだが、黒が濃く、重量感のある印象でいい。

・渡邊遊可写真展「Utopie」、新宿ニコンサロン juna21
タイトルはフランス語でユートピア、理想郷。作者にとっては現実がすでに理想郷で、我々はそこに住んでいるという認識。写っているものは風景が大半だが統一感のようなものはない。色味も同様。大きなプリントも何点かあるが、それが求心力を示しているわけでもなく、全体としての印象が掴みづらい。

・森川英里写真展「Birth」、新宿ニコンサロン juna21
小学生のときに死に別れた兄がいたことを知らされ、3・11の津波では町が一瞬でなくなることに驚愕した。これらのことから「生」というものへの関心を強めたとのこと。私写真、心情写真というか、作者と写真のつながりが強く感じられ、客観的に見づらい作品だった。





   
by pprivateeye | 2017-01-23 20:35

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye