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細かな目の網でふるいにかける。

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2017年1月6日(金)

・久保恵一写真展「潮まかせ 風まかせ」、銀座ニコンサロン
三重県の尾鷲や熊野などの南勢地方の漁師町を撮影。ときどきプリントの色が派手で、何だか嘘っぽく見えてしまった。それは色味を自分のものが出せていない、コントロールできていないということなのかもしれない。

・小野悠介写真展「島の環」、コノカミノルタプラザ・ギャラリーA
伊豆諸島のなかの利島(としま)をを訪れての撮影。この島だけ観光協会がないそうだ。それだけ訪れる人が少ないということか。人口は340人くらいの小さな島の暮らしを伝えたいようだが、普通の海辺の町にしか見えなかった。たぶんそれはどこへ行っても似たような風景しか見ることができないという現実だと思う。嵐で海が荒れている写真が何点かありそれがいいと思ったが、もっと全体も見たいとも思った。

・門田紘佳写真展「1″44」、コノカミノルタプラザ・ギャラリーB
透明感のある、彩度を抑えたプリントで、非常に好みのものだ。撮っているものは日常だというが、少し変な場面や何だこれはというような特別な瞬間が写っている。なかには写り込みなどで多重露光や作り込んだように思えるものもあったが、ストレートに撮ったもの(見えるもの?)がいい。一番いいと思ったのは神宮球場での花火大会の会場を撮った写真。タイトルは作品のシャッタースピードを合計したものとのこと。

・竹田武史写真展「バーシャ村の一年」、コノカミノルタプラザ・ギャラリーC
作品自体は2000年初めの頃のもので、作者自身もお蔵出しという言葉を使っていた。しかもキャプションには最近再訪して大きく変わっていたことに驚いたというようなことが書かれており、ではここに展示されている作品は何だと思った次第。

・渡部さとる写真展「demain 2017」、ギャラリー冬青
展示と同時に写真集も出ているが、今回が両者の印象が一番違うように思えた。最初、写真集をパラパラと見たときは、変な言い方だが写真以外のものも入っているなあということ。今回改めて見ると、音楽のアルバムみたいだと感じた。いくつかはシングルカットできるような写真、言い換えればそれだけでも好まれそうなものもあれば、連作もある、あるいはカバー作品もある、という構成だ。そのことが展示と写真集の違いを浮かび上がらせたのかもしれない。展示では江古田の化粧品店のプリントが丸みを感じさせて何とも言えず好きだ。
シングルカット云々の話をしたとき渡部さんが写真家白岡順さんのことを話し出した。白岡さんは徹底して甘さを排除した作品を作っていた。例えてみれば、誰も真似ができないほど細かな目の網を使ってふるいにかけていたと言える。本人の資質もあっただろうが、それ以上に70年代にアメリカにいたことの影響が大きいと思う。パリよりも大きいのではないか。それは余分なものはそぎ落としていくミニマリズムからの影響とも言える。通常はどこかに甘さのようなものが残ってしまう。報道写真はどうなのかと尋ねたら、報道写真は基本的に一枚で見せなければならないので、必ずと言っていいほど見る人の目を引き付ける要素を持っている。白岡さんの場合はそういったものを徹底して退けたところで作品を作っており、そこが凄いところだ云々。




   

   
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by pprivateeye | 2017-01-08 05:21 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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