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目に見えるものを越えて

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2016年1月6日(水)

☆「写真家 ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」、シアター・イメージフォーラム
原題は、’No Great Hurry : 13 Lessons In Life With Saul Leiter’。
この映画の発表は2012年で、ソール・ライター自身は2013年に亡くなっていると教えられて少々驚いた。映画は80歳を越えた写真家の日常を取材したものだ。副題の13云々は単なるまとめに過ぎない。NYのアパートに40年以上も住んでいて、部屋の中は雑然としている。印画紙の箱やカメラ、絵、etc. それが親しみを覚える。取材カメラに向かって何度もシャッターを切ったりして、ああ、この人は写真が好きなんだなと思った。最後に「日本語字幕・柴田元幸」と出て、そうだそれでヘミングウェイを読んだんだと思い出した。


・中藤毅彦写真展「Berlin 1999+2014」、ときの忘れもの
ギャラリーに入って右側が1999年の撮影、左側が2014年。右手前から順に見ていくと、はっきりとその違いがわかる。2014年のベルリン空撮(気球に乗って撮ったそうだ)の写真は最初、デジタルかと思ってしまった。1999年はライカにズミクロン35mm、2014年はコンタックスG2に35mmとのこと。1999年はベルリンの壁崩壊から10年、まだ16年前なのにずいぶん昔の風景に見えてしまう。


・石井陽子写真展「境界線を越えて」、銀座ニコンサロン
タイトルだけから鹿の写真とは誰も想像しないだろう。キャプションには「・・・ だが、当の鹿たちは人間たちが引いた境界線を軽やかに越えて、街を闊歩している。」とある。ある種の社会批評性を持った作品だ。それだけにもっと厳しいセレクトであって欲しかった。犬や猫、子供の写真のように、この鹿かわいいでしょう、というようなものも混ざっていた。人のいない街中を歩く鹿は人類滅亡後のシーンかとも見えるし、公共の建物のファサードにすくっと立つ雄ジカは一見剥製のようでなぜこんなところにと思わせる。これもまた異空間だ。それを大事にしたい。
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by pprivateeye | 2016-01-12 21:21 | 映画 | Comments(0)