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普通の風景を普通に撮る。

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2015年12月4日(金)

・丸山杏子、斉藤りつこ、菅沢哲也、山縣勉「亀甲と拮抗」、GALLERY niw
四者四様(?)のモノクロ。
菅沢さんは時間がテーマにあるようであえて日付をいれて撮影しているが、キャプションも含めて効果的とは言い難かった。写真そのものは好きなイメージが多いので、日付なしのほうがいいなと思った。象の檻の写真が一番の好み。
山縣さんの写真は自分の好みから遠い。新しく写真集を出したということもあるのだろうが、スライドも好きではない(スライドそのものが好きではない)。ただし、分厚いアクリルでつくられた4点の写真は商品として十分な魅力がある。
斉藤さんは植物と風景、二つの展示だったが、あえて分けずにまとめたほうが膨らみが出たと思う。プリントのトーンが同じだし、キャプションも含めて自分自身の心象風景なので十分ひとつになる。
丸山さんの作品はキャプションを読む限りでは重いテーマなのだが、展示は中途半端な気がした。ドキュメンタリーにするのか、自分の世界を描くのか。プリント自体は四人のなかで一番ストレートできれいだった。

・西村勇人展「Thinkings」、RED Photo Gallery
西村さんは理化学研究所の若手研究員の撮影を続けているが今回は人物ではなく、モノ。何十本とコードがつながれている装置、数式がビッシリと書かれた黒板、etc. 音楽のミキシング装置などもそうだがいくつもあるレバーやスイッチ、あるいはそこに連なるコード、部外者が見ると何が何だかわからないが、それを扱っている人は全部理解しているんだよなと思うとすごいことだ。

・石川琢也「賽の一擲」、蒼穹舎
DMを見たとき、また沖縄かよと思った。ギャラリーのサイトで経歴を見たら山梨県出身なのに沖縄を撮っている、何だかなあと思った。しかし、写真仲間が普通の沖縄で面白いからぜひ見るようにと言っていたので訪れたらそのとおりだった。主に那覇市だが、裏通りとか路地とか、どこにでもあるような街の風景だった。屋根の瓦が違っていたりシーサーが見えたりして沖縄だなと思うが、普通の風景を普通に撮っているところがいい。少しこだわりがありそうなのは乗用車が必ず写っていること。

・亀山仁写真展「Thanaka Ⅱ 雨安居」、ギャラリー冬青
雨安居はウアンゴと読む。雨季にあたり、この時期はお釈迦様がこの世界にいないので僧侶は外出せずに寺で修行を積むそうだ。2年前の展示以降に撮られたもので、風景が多いセレクトとなっている。街の風景などもスナップも撮って欲しいなと思うが、それは作者テイストに合わないのだろう。オープニングパーティに参加。何人も久しぶりの人に会う。
by pprivateeye | 2015-12-15 02:17

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye