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「美術館を手玉にとった男」

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2015年11月28日(土)

ユーロスペースで「美術館を手玉にとった男」を観る。
  2014年、アメリカ、英語、カラー、89分
  監督:サム・カルマン、ジェニファー・グラウスマン
  共同監督:マーク・ベッカー
  出演:マーク・ランディス、マシュー・レイニンガー、アーロン・コーワン、ジョン・ギャッパー

この映画はお話ではなく実話、ドキュメンタリーである。出演のマーク・ランディスという男が絵画の贋作を米国の46の美術館に寄付したという話だ。
あるとき美術館職員のマシュー・レイニンガーが自身の美術館にあるものが贋作であることに気付いた。新聞やTVなどのメディアもそれを大きく取り上げ、FBIも捜査に乗り出した。しかし、ニセモノではあるものの、寄贈に際して金銭的なものは一切からんでいないので犯罪性はないとのことで罪には問われていない。
贋作の作り方は結構お手軽だ。カラーコピーしたものに彩色しただけとか、木の古さを出すためにコーヒーで色つけたりしている。
寄付の仕方は母の遺産の中にあったもの、といった簡単な話だけで美術館は信じ込んでしまう。そのウラを取ろうともしていない。
ランディス自身は精神的に病んでおり、その苦悩から描かずにはいられないようだ。それは草間弥生があのドットを描かずにいられないのと同じだと思う。
上映の後、美術ジャーナリストの鈴木芳雄さんと東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗さんのトークショーがあった。こんな事件は日本ではまず起こらないだろうとのこと。美術館が作品を購入したり寄贈を受けるときには必ずその来歴を調べて、あやふやなところがあれば絶対に入手しない。それにアメリカの美術館は人手も資金も不足しているし、競争意識も働くのでこんな映画のようなこともありうる、とのこと。
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by pprivateeye | 2015-12-10 00:15 | 映画 | Comments(0)