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「FOUJITA」

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2015年11月20日(金)

ユーロスペースで小栗康平監督「FOUJITA」を観る。
この映画は画家・藤田嗣治の生涯をドキュメンタリーのように描いたものではない。
大きく前後半に分かれる二部構成となっている。前半は1920年代のパリ、後半は1940年代の戦時中の日本。そのなかで当時のエピソードがさりげなく挿入されている。ピカソが藤田の新作を見に来たり、騒々しいカフェの片隅で静かに絵を描いているのはモディリアーニだろう。マン・レイのモデルだったキキやパパと呼ばれたヘミングウェイもいる。そういえばカフェにモディリアーニの絵が掛けてあった。全体的に場面は断片的で、ストーリーは時代の流れくらいだ。
この二つの構成というのは時代や場所に限らない。パリ時代の藤田の絵は浮世絵のように輪郭を持った平板な人物像だが、日本の戦争画では西洋絵画の伝統に忠実に則っている。パリでのあだ名が「フーフー(FouFou)」、これはフランス語で「お調子者」を意味する。実際、エキセントリックなところもあったようだ。そして日本では一転して静かな口調で語る人物として描かれている。
映画はこの「捻じれ」のようなものを描きたかったのではないだろうかという気がしてきた。それは明治以降の日本および日本人全体にも当てはまるものではないか。
監督の小栗康平の名前だけは聞いたことがあった。「泥の河」といういい映画を撮っているらしい。実は早稲田松竹でつい最近観る機会があったのだが見逃してしまっていた。
主演はオダギリジョー。写真で見る普段の姿はロンゲでヒゲをはやしており、はっきりいって嫌いなタイプ。しかし、この映画ではおかっぱ頭の藤田にそっくりで、きれいだ。それに色気がある。それからすると、いい役者なんだろうなと思った。
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by pprivateeye | 2015-11-23 23:00 | 映画 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
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