Private Eye

ppeye.exblog.jp ブログトップ

ORSON WELLES

f0067724_0591952.jpg


2015年10月25日(日)

東京国立近代美術館フィルムセンターで「生誕100年 オーソン・ウェルズ――天才の発見」と題してオーソン・ウェルズの作品が上映されている。この日は「審判」と「フォルスタッフ」を観た。ここで映画を観るのは初めてだ。ホールは定員310名だが8割方埋まっていたのではないだろうか。

「審判」は同題のカフカの小説が原作。突然逮捕される平凡な銀行員の役をアンソニー・ホプキンスが演じている。不条理感たっぷりのこの作品によく合っている。もしかしたら「サイコ」よりもいいかもしれない。オーソン・ウェルズは弁護士役で登場。他にはジャンヌ・モロー、ロミー・シュナイダーという有名どころも出演。しかし、ウェルズの映画では役者はあくまでも役者で、その人気に合わせて話が進んでいくということはない。
この映画が不気味なところは、銀行の体育館のように広いフロアにびっしりと机が並んで全員が機械のように事務が行われているところや、裁判の場面では全員が男性でしかも表情がないところだ。小学生くらいの女の子たちが大勢まとわりつき、逃げても追いかけてきて、嬌声とともに隙間だらけの板の壁から目だけが覗いているシーンは怖かった。そういえばカフカの小説では登場人物が叫んだりしてもそれが素直な感情の表れとは思えないところがある。何かに心の中が支配されているような気味の悪さが薄っすらと感じられる。

「フォルスタッフ」はシャイクスピアの戯曲に出てくる人物で、この映画はその戯曲「ヘンリー4世」がベースにあるようだ。ここではウェルズが主役を演じている。フォルスタッフは真ん丸と言っていいくらい太った騎士で、戦場ではその体に甲冑を着てちょこちょこ走り、ユーモアたっぷりの姿を見せている。しかし、この戦闘場面はその暴力性が映画史上特筆されるものだ。先日観た「プライベート・ライアン」の冒頭の場面と双璧と言っていいかもしれない。この戦いで勝った王子は後にヘンリー5世となる。王子と友だちだったフォルスタッフは重用されるのを期待したものの、逆に縁を切られてしまった。ユーモアな丸い体だけにその無念さが余計に強く感じられ、さみしいエンディングとなっている。
この映画にもジャンヌ・モローが出ている。彼女は好きな俳優だけにお得感もあった。
[PR]
by pprivateeye | 2015-10-27 00:30 | 映画 | Comments(0)
line

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30