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写真家・畠山直哉を観る。

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2月15日(日)

アーツ千代田3331で「未来をなぞる 写真家・畠山直哉」完成披露上映&トークショーに参加。この映画は東日本大震災後も地元を中心に撮影を続けている畠山さんを追ったものだ。アーツ千代田3331で開催される第二回 3.11 映画祭のプレイベントとして行われた。

畠山さんはこれまで写真には考えや思いは写らないと発言してきた。この映画の中でも同様のことを述べている。しかし続けて、撮った人の考えの方向のようなものが見えるような気がする。見る人もその同じ方向を見てくれたらうれしい、みたいなことも述べている。
少なくとも震災前までは、絶対に考えや思いは写真に写らない、そういうことを言う人は幻でも見ているのかそれともおかしいのか、くらいの発言をしていた。青山ブックセンターで行われた写真集『気仙川』刊行に合わせたトークショーでも同様のことを言っていたが、「しかし」という感じを受けた。特にその後に何か言葉を発したわけではないのだが。
そして今回の映画では上に書いたようなことを話している。その考え方は以前から持っていたが決して言わなかっただけなのか、それとも震災後に考え方が変わってきたのか、その辺りが一番興味深い。

現在も月に一度くらいの割合で震災後を撮影しているとのことだが、作品という感覚はないようだ。映画の中では役所の人から畠山さん自身は当事者ではないと言われていたが、自分から見れば当事者以外の何者でもない。現在進行形で震災を受け止めている畠山さんに今後どのような作品が生まれるのか関心がある。

冒頭のインタビューの場面も重い。地震の報を受けて実家にバイクで向かおうと準備している畠山さんをノルウェーのTV局が偶然取材したものだ。その時点では被害の状況もわかっておらず、畠山さんも6~7時間で着けるのではと話していたが、実際には4日もかかっている。

事務所兼暗室の場面も多くなかなか面白かった。暖房がないためか着膨れした格好で、コダックのロゴ入りのエプロンをつけて暗室作業をしていた。ベタ焼きはきれいにファイリングされており、分厚いノートに作業メモを記入していた。ベタが見える範囲では、撮影は1枚だけで、何回もシャッターを切ることはないようだ。カラーフィルターで何度もワークプリントの色のチェック。プリントの表側の下部には露光データが記入されていた。事務所の白い壁はワークプリントをテープで留めて一覧する場所でもあるようだ。

映画は7月にイメージフォーラムで一般上映の予定。
監督の名前が畠山容平と同姓だが特に縁故というわけでもなく、監督のお父さんが陸前高田市の隣の出身で畠山という姓が多いとのこと。話を聞いていて、師匠を追いかけるY澤さんと同じだなw、という印象を受けた。
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by pprivateeye | 2015-02-17 19:12 | 映画 | Comments(0)