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「写真のことばかり考えている」

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5月2日(金)

・「カンディダ・ヘーファ展」、YUKA TSURUNO GALLERY
・「G/P COLLECTION Ⅲ うつゆみこ、天野裕子、藤本涼」、G/P+g3/gallery
・「5 collectors」、TOLOT/heuristic SHINONOME
この3つは倉庫を改装した東雲にあるギャラリー。正確には建物全体がTOLOT/heuristic SHINONOMEとなるようだ。階段を上がって2Fに行くと、広い空間の中央にガラスが立て掛けてある。確かワコウ・ワークス・オブ・アートで見たゲルハルト・リヒターの「8 Glass Panels」だ。この空間だけで写真が撮りたくなってしまった。各ギャラリーは白いパネルで囲まれており、スケールの大きな箱が並んでいるようにも見える。これもいい。
「カンディダ・ヘーファ展」はヨーロッパの大きな部屋、舞踏会をするような部屋や図書館などの空間を左右がシンメトリーになるように撮っている。いわゆるベッヒャー派の一人だ。作品は幅2mといった大きなもので、やはりコンピュータで手を入れている。グルスキーもそうだが少しやり過ぎのような気もする。そんなに完璧な絵を作りたいのなら全部コンピュータを使えばいいのでは、写真である必要があるのか、と思ってしまう。
2つのコレクション展では後者でアジェの作品が30点くらいまとめて見ることができて良かった。

・鈴木光雄写真展「Sakura」、72 Gallery
鈴木さんの作品はずいぶん前にDAZLLEで見たのが始まりで、確かそのときブックでこのSakuraのシリーズを見せてもらったと思う。このときはWSに通い始め写真展を積極的に回るようになったばかりでかなり失礼なことも言っていたような気がする。

・長谷川美祈写真展「ホウセキ」、TIP Bluewall
ご自分の子供を撮っているシリーズ。何度か見たことのあるイメージが多いが、ブックを見ると子供の成長がはっきりとわかる。作品をつくるよりも成長のほうが早いような印象がある。子育てをしながらそれを作品にするというのはかなり大変なことだなと思う。

・北井一夫写真展「村へ ヴィンテージプリント展」、ツァイト・フォト・サロン
アサヒカメラ誌に連載されていたときの原稿プリント。40年前のものだ。茶色く変色しているものもある。当時はかなりコントラストの強いプリントで、あまり同じ調子にするという意識はなかった。北京を撮るようになってからレンズがエルマーに変わり、トーンもグレー中心になった、とのこと。


夜、銀座ニコンサロンでの「金村修×北島敬三トークショー」に参加。金村ファンがいっぱい。話を聴いていて思ったのは、もしかしたら話の内容も金村さんの書くテキストと同じではないのか、ということ。韜晦というか、本音と話していることとはズレがあるのではないか。意識的に思想、考えを隠しているようにも思えた。話し方は教祖的だ。適度の理屈と断言が混じっているので、普通に聴いていると陶酔のようになってしまうのだろう。ただ、ウソは言っていない。言っていることはよく考えれば当たり前のことばかりだ。ある質問に対して、写真のことばかり考えていると答えていたが、それをどう受け止めるか、どのように自分に当てはめるか。奥が深い、厳しい内容だ。好きな写真家として桑原甲子雄、リー・フリードランダー、ルイス・ボルツの名前をあげていたな。
by pprivateeye | 2014-05-04 00:22

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye