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「オズの魔法使」

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4月17日(木)

コルトンプラザで「オズの魔法使」を観る。<第二回 新・午前十時の映画祭>
原題:The Wizard of Oz、1939年公開。原作は児童文学小説『オズの魔法使い』(The Wonderful Wizard of Oz)1900年。監督:ヴィクター・フレミング、出演:ジュディ・ガーランド。

ドロシー(ジュディ・ガーランド)が歌う「虹の彼方に Over The Rainbow」はジャズのスタンダードになったりして有名な曲だ。“Somewher over the rainbow”だけ聴きとれたw 他にも聴いたことがあると思ったのは“yellow brick road”、字幕では「黄色のレンガ道」となっていた。帰ってネットで調べたらエルトン・ジョンの曲に“Goodbye Yellow Brick Road”というのがあった。この曲では悪い意味(金銭的なもの)になっているが、映画ではドロシーがエメラルドの城にたどり着くための大事な道だ。

西の悪い魔女として出てくる、緑色の顔で鷲鼻、尖った顎の魔女の容姿・キャラクターが、この映画以降米国における魔女の典型的な姿となったといわれている。この魔女は西、つまり米国西部の干ばつのメタファであり(だから水を掛けられて溶けてしまった)、東の悪い魔女(ドロシーの家の下敷きになって死んでしまった)は東部の銀行家ということだが、どうだろうか、読み過ぎのような気もする。「Oz」は重さのounceを示しており、yellow brick roadと合わせて金本位制への批判があるといわれる。また、脳みそつまり知恵が欲しいという案山子は農民、心が欲しいというブリキ男は都市労働者、勇気が欲しいライオンは時の大統領候補といった象徴らしい。よくわからないのはドロシーの履いている赤い靴だ。北の良い魔女から決して脱いではいけないといわれ、西の悪い魔女が欲しがった靴。これは何のメタファなのだろうか。

ネットでレビューを読んでいて、案山子が卒業証書をもらって頭が良くなり、ライオンが勲章で勇気を持ち、ブリキ男が感謝の記念品で心が豊かになるというのはどうか、という意見が複数あったが、そうではなく、オズの大魔王の元に西の悪い魔女のホウキを持って行く過程でそれらを得ていることが描かれている。たとえば、案山子は魔女の城で兵隊に囲まれたとき釣り上げられている燭台のロープを切って逃れるという機転を示しているし、ライオンはドロシーを助け出しに行くとき険しい岩山を先頭で進んでいるし、ブリキ男はいろんなときにやさしい気遣いを見せていた。

ストーリーは浦島太郎と同じだというが、楽しいことや困難いろいろあったけれど全部夢でしたという話は世界中どこにでもあるだろうし、道行く過程で友人をつくるというのもロード・ムービー典型だ。ただ、こういった評を現在自分がいるところから述べてもあまり意味はない。その話なりエピソードなりが生まれた時期を考える必要がある。こんなのよくあるよねというが、実はそれが原型であり、現在のそれはリスペクトされた、あるいはパクられたもの、コピーだったということは多い。その意味でこの映画は米国人の意識に深く影響を与えているといえる。だからこそ「虹の彼方に」が全米レコード協会等の投票で「20世紀の名曲」の1位に選ばれ、米国映画協会の「歴代名画ベスト100」で6位、「歴代名ミュージカル映画ベスト100」で3位になっているのだと思う。
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by pprivateeye | 2014-04-18 03:12 | 映画 | Comments(0)
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写真について、極私的な、 あれやこれや


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