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The End of the Night

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2月12日(水)

・Yohei IKEGAMI 写真展「東京フィロス」、TAP Gallery
カラー、スクエア、六つ切。広角レンズを使っているのかな。建物やその壁、階段などの内部を撮影。DMがマット系の紙だったので、ねっとりとした作品を勝手に予想していたが、実際はクールだった。ただ、もう少し何かが欲しいと思った。それはセレクトによる緊張感、統一感のようなものかもしれない。

・河野撮 写真展「迷妄の彼方」、ルーニイ
カラー、デジタル。ぼんやりとした日常の中である点を凝視することで突然意識が覚醒するといった感覚を作品にしたもの、とキャプションにあった。色的には、黄と黒を中心としたもので、周囲を薄く白くボンヤリと処理している。被写体(部屋の中にある身の回りの品物)との距離感が全部同じで、色味も同様のため、覚醒から逆に眠くなっていく感じがした。
ところで作者の応対は?マークがつくものだった。まず、芳名帳が二つあった。たぶんギャラリーのほうで用意したA4サイズのものと、自分で用意したいわゆる芳名帳の二つが並べてあった。それだけで何じゃこれはと思った。その後、作品を見ていると突然表れて「名前を書いてください」「書きましたよ」「何でもいいから感想を書いてください」。それだけ言ってトイレに消えた。見終わって部屋をを出ていろんな展示のDMを見ていたら、後ろから「感想を書いてくれました?」。こちらはもう頭に来ているので「・・・・・・」。そうしたら何も言わずに狭い通路を無理やり通って外でタバコを吸っている。
キャプションには1959年生まれとあった。社会経験の浅い若者ではなく、いい大人なんだからクレクレばかり言っていないで、挨拶や礼くらい言えよと思った。

・Manuel van Dyck 写真展「Journey to the End of the Night」、TOTEM POLE
カラー、スクエア、小全紙。フィルムかな。彩度の低いプリントだった。東京の住宅街から商店街の夜を撮影したもの。タイトルの“End”は夜の片隅? 端っこ? 最後? 作者はハイデルベルク生まれとあったからドイツの人か。この“End”という言葉が気に入ったので、ヨーロッパ人が見た極東の都会の果ての夜という意味で、タイトルを“Night of the East End”とするのも面白いな、と思った。

・瀬戸正人写真展「アジアの夜明け」、Place M
先週からの続き。展示も半分同じだった。30年くらい前のタイだが、時代とか場所とかは関係なく、写真だけを見たいという作品だった。つまりドキュメンタリー的要素は考えない。プリントも美しいので、記録とはなしに、純粋に写真として見ることができる。

・西村勇人写真展「Transitions」、M2 gallery
カラー、デジタル。A2サイズくらい。マット系の紙のため色が沈んで見え、そのため写真に覇気がないように思えて少々残念だった。自然の中の人工物が放置されることで、再び自然に飲み込まれようとしている風景を撮影。自然の逆襲という言葉が浮かんできた。

・Kyunghee Lee 写真展「海と風」、ギャラリー冬青
35mm、モノクロ。写真集『island』からの展示。新作らしき作品が3点ほど加わっていたが、なぜいまこの展示かと思った。写真集は2008年に出ていて、展示の構成も同じだった。写真集のコントラストが好みだったので、実際のプリントは少しだけ物足りなかった。カラス(カモメ?)が飛んでいる作品のある壁が一番よかった。2冊目の写真集はカラーだが、同じ視線、感性だ。作者は「普通、近くのものはよく見え、遠くは見えにくいのだが、私の写真はその逆」と述べている。そのことによりモノが二重の意味を持ち始めるのだと思った。
by pprivateeye | 2014-02-19 02:07

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye