「約束の地」
2013年 11月 28日
11月26日(火)
早稲田松竹で「オン・ザ・ロード」と「シュガーマン 奇跡に愛された男」を観る。
「オン・ザ・ロード」は2回目だ。これを観るまでに小説のほうを読んでしまおうと思ったが1/3くらいしか読めていない。
今回は移動の場面――道路を歩いているところ、道路そのもの、車が左や右へ通り過ぎるところ、道路の遥か先を見ているところなどが印象的だった。道路の遥か先のカットなどはロバート・フランクの写真を連想した。
主人公のサルやディーンの行動は二の次という感じで観ていた。しかし、サルとディーンの関係はなんと言ったらいいのだろう。友だちでは軽い感じがするし、悪い遊び仲間というにはサルが醒めた印象だ。ホモセクシュアルではない恋人同士というところか。それだけにラストのシーンでは、身から出た錆とはいえディーンがかわいそうになってくる。
サルは作者のジャック・ケルアック、カーロがアレン・ギンズバーグ、ブル・リーがウィリアム・バロウズそれぞれモデルのようだ。
「シュガーマン 奇跡に愛された男」の原題は"Searching for Sugar Man"となっている。あくまでもドキュメンタリー映画だ。観ていて「約束の地」という言葉が浮かんできた。
主人公のシュガーマン――ロドリゲスはまじめな人だ。70年代初めに2枚のアルバムを発表したが商業的に成功せず音楽シーンから消えてしまった。仮に、多少なりとも売れて音楽シーンに残っていたら自ら望まないこともやって傷ついてしまったかもしれない。その意味からすれば、映画の中に見る彼は幸せそうだ。