風が強かった。
2006年 04月 15日
予想外だったのは砂だ。九十九里浜だから砂が風に飛ばされるのは当たり前だが、あんなに一方向から一方的に飛んでくるとは思わなかった。風の方向はまったく変わらず、海に向かって左前方から同じ強さで吹いてくる。砂は舞うのではなく、左前方からぶつかってくるのだ。少し風が強いと頬が痛い。
砂は主に膝くらいの高さを層をなして飛んでいく。波打ち際は砂が湿っているので飛んでいかず、砂浜の少し内側に砂が飛ぶ層が見える。眼鏡のレンズはすぐに砂で曇ってしまい、フィルターをかけたように見える。引き上げたときには耳は砂だらけ、靴下の中にまで砂が入っているのには驚いた。
写真は撮っていて面白かった。海は風が強いため波頭が風で吹き飛ばされていたりして、ファインダーを覗きながら海が沸騰しているみたいだと思った。風が強い割には、雲はゆっくりと動いていた。嵐なら雲の動きも速く、風もいろんな方向から強弱いろんな風が雨とともに吹いてくるのだと思う。
ときどき遠くの海が明るくなったり、波頭吹き飛ばされたり、少し高いところから周囲を見回す当然誰もいなくて、こんな広いところに自分一人だと思うと気分がいい。
強い風の中でその実力を知ったのはハスキーの三脚だ。風に煽られることもなく、ファインダーを覗いていても微振動をしていないのがわかった。これはシャッターを切っていて安心できることだ。ピンボケよりも手ブレのほうがなさけない。
さすがに強い風の中を動き回るのは難しく、2時間ほどで切り上げる。8本ほど撮る。心配なのはカメラとレンズだ。レンズ交換、フィルム交換は丘の蔭など風の弱いところでやったが、その短い時間の間にもカメラバックの中に砂が入り込んでいる。しっかりと清掃をしなくては。GR-Dは少し撮っただけで動きがおかしくなった。サービスセンターに持ち込まなくてはならないかもしれない。