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「ああ おまえはなにをして来たのだと…」

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2月8日(水)

◆「エリオット・アーウィットが見つめたパリ」、シャネル・ネクサス・ホール
白岡さんは何でも撮れとよく言うが、その意味ではアーウィットは何でも撮っているな。もっともアーウィトなんか見なくてもいいと言っていたが。
犬の写真はくどい。写真集を見ると他にもいい写真があったのに。
全体に柔らかい印象はどこからくるのだろうか。カメラの後ろが写っているのか。

◆細江英公写真展 第2期「シモン・私風景」、BLD Gallery
前回の鎌鼬の都会バージョンのように見えた。しかし、人物が東京の下町に飲み込まれているような印象。

◆今岡昌子写真展「トポフィリア ―九州力の原像へ」、銀座ニコンサロン
カラーとモノクロが混在。プリントの紙も違いがあるようだ。
中央アジアを撮った作品よりもイメージ的な、表象的なものが多いように思う。良く言えば多様性がある、悪く言えば散漫な感じというところか。

◆小松浩子写真展「ブロイラースペース時代の彼女の名前」、目黒区美術館区民ギャラリー
桜上水にあったブロイラースペースで展示していた10回分の作品を展示。広いスペースにロール紙を並べ、周囲の壁に六つ切の作品を隙間なくピン留めしているのは迫力がある。
今回改めて気付いたのはものすごくていねいにプリントされているということ。
写真集に金村さんが「言葉は亡霊、云々」という文章を寄せているが、彼女の作品は言葉で説明されることを拒絶しており、拒絶するような作り方・展示方法だ。
写真に向かう力(言葉、気持ち、etc.)と同時に写真から向かってくる力というものもあるな、と見ながら考えていたら、突然「ああ おまえはなにをして来たのだと…」という中原中也の言葉が頭の隅を過ぎった。
by pprivateeye | 2012-02-08 23:23

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye