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<午前十時の映画祭>

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1月11日(水)

みゆき座でクレイマー、クレイマーを観る。
原題は「Kramer vs. Kramer」で間に「vs.」が入っている。対決だ。だが誰と誰?
父親の日常を描いて、母親の生活を描いていないので、どうしても母親が悪役になってしまう。母親に同情するような情報がないせいでもある。
しかし、この映画の主役は子供のような気がする。
母親が自分には子供が必要だと主張し、裁判でも勝つが、では子供に必要なのは何か。
最後に、母親が子供の家はここだと言って引き取るのをやめたのは、そのあたりのことがあるからだろう。
好きなシーンは、まったく会話はないのだが父親と子供がお互いに並んで食事をするところだ。シナリオでは時間の経過を示す、つなぎ的な意味合いが強いのだろうが、男と男という感じで良かった。
もうひとつはフレンチ・トーストを作る場面だ。最初と最後ではずいぶん手際が異なっている。
でもね、この映画がそんなに賞をいっぱいもらうような作品とは思えなかった。アメリカン・ニューシネマの嵐が過ぎ去った後で、ホームドラマのようなものが求められたのか。あるいは嵐のときの若者が家庭を持つようになったからか。


◆細江英公写真展「鎌鼬」、BLD ギャラリー
1月から5月にかけて6回に分けて細江英公の写真展が開催される。その第1期が「鎌鼬」。
作品は1968年にニコンサロンで展示されたヴィンテージ・プリントだ。プリントの周囲が変色している。

◆北井一夫写真展「Walking with Leica 3」、ギャラリー冬青
ギャラリーに誰もいなかった。テーブルの上に鞄が置いてあった。しばらくしても誰も出てこなかった。
三つ組の写真にこだわった作品が中心だが、それ以外のものは「撮らずにはいられなかった感」がこれまでよりも強くなってきているような気がした。



1月12日(木)

コルトンプラザでサウンド・オブ・ミュージックを観る。
「ドレミの歌」がこの映画で有名になったのは知っていたが他にも「私のお気に入り」「エーデルワイス」などもあった。
でも「私のお気に入り」がジョン・コルトレーンの「My Favorite Things」の原曲だとは映画の中では全然気が付かなかった。コルトレーンの演奏の中で一番好きな曲だ。My Favorite Things Is My Favorite Song. というわけ。
好きなシーンは音楽祭で大佐がエーデルワイスを歌うところだ。まず歌い始める前にオーストリアの人たちに「どうか死なないでください」と言う。そして歌っている途中で声がかすれるところがいい。
by pprivateeye | 2012-01-11 23:23 | 映画

写真について、極私的な、 あれやこれや


by pprivateeye