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<午前十時の映画祭>

コルトン・プラザで「夜の大捜査線」を観る。
音楽がクインシー・ジョーンズで、主題歌をレイ・チャールズが歌っている。主演がシドニー・ポワティエとロッド・スタイガー。
邦題はいかにも日本的だ。内容的には決して大捜査ではない。黒人刑事役のシドニー・ポワティエが一人で捜査しているのだから。原題の「In The Heat Of The Night」が情感があっていい。
ところでチラシとか解説で、実際には映画のシーンになかったカットが使われている。
たとえばこのWeb上では署長が顕微鏡を手にしているが、そのような場面はなかった。
あるいはプログラムのコラムではシドニー・ポワティエが殺人現場と思われるところで木の杭を手にしているが、このときランチコートを着ている。時期的には夏場なのでランチコートはおかしい。映画では普通にスーツだった。
ストーリーに忠実に従えば主演はシドニー・ポワティエだが、アカデミー賞の主演男優賞は警察署長を演じたロッド・スタイガーが獲っている。
合衆国南部の州の小さな町の白人の警察署長が都会のエリート黒人刑事と絡むという設定は、ともすればステレオタイプの白人と黒人、田舎と都会といったものになりがちだ。
しかし、彼が少ないセリフ(わめいたり、どなったりは多いが)の中で微妙な表情で演じ分けているることが、シドニー・ポワティエのクールな演技よりの評価されたというのもわからないでもない。
事件の解決ということよりも、この二人の関係の推移が一番の見どころだと思う。
by pprivateeye | 2011-09-01 23:47 | 映画

写真について、極私的な、 あれやこれや


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